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「ティクリート日本外交官殺害事件」報道のまとめ − その1 −
http://www.asyura2.com/0311/dispute15/msg/572.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 12 月 02 日 19:31:50:Mo7ApAlflbQ6s


阿修羅サイトに転載された新聞記事を時系列的にまとめたものです。
事実報道に絞った内容になっています。
疑義の提示や論議の参考資料として利用していただければ幸いです。

(レバノン人運転手も殺害されていますが、「日本外交官殺害事件」と表現させていただきます)


● オンライン新聞記事による事件の経緯

イラクで邦人2人殺害、大使館員か…暫定当局から連絡 [読売新聞]

 外務省に入った連絡によると、イラク中部のティクリートで29日午後5時(日本時間午後11時)ごろ、日本人男性2人が何者かに殺害され、地元の運転手が重傷を負った模様。運転手は意識不明という。

 3人は住民によってティクリート市内の病院に運ばれた。連合国暫定当局(CPA)からバグダッドの日本大使館に連絡が入った。同省は30日午前2時、緊急対策本部を設置し、小泉首相や福田官房長官と連絡を取り合い、対応を急いでいる。また、同省では、幹部を現地に向かわせる。

 外務省は30日午前6時15分から会見を開き、殺害された2人は、在バグダッド大使館の関係者である可能性を認めた。CPAからの情報として、3人が乗っていた車は、レバノンで登録された軽防弾仕様の黒い4輪駆動車で、同大使館の館用車である可能性があるという。

 ティクリートでは、北イラクの復興支援会議が予定されており、大使館員2人が現地に向かっていたというが、到着したという連絡は入っていない。

(2003/11/30/07:10 読売新聞 無断転載禁止)

http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20031130it02.htm
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イラク:日本大使館員2人殺害 車で移動中に襲撃され [毎日新聞]

http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20031130k0000e040002002c.html

 外務省に30日未明入った連絡によると、イラク北部のティクリート付近で現地時間29日午後5時(日本時間午後11時)ごろ、車で移動中の日本人男性2人が襲撃を受けて死亡した。イラク人運転手1人も意識不明の重体。会見した川口順子外相によると、死亡したのは在イギリス日本大使館の奥克彦参事官(45)=イラク出張中=と在イラク日本大使館の井ノ上正盛・3等書記官(30)。

 外務省は30日朝、北島信一官房長らが緊急会見し、「大使館員2人はティクリートで開催予定の復興支援会議に出席するため現地に向かっていた。(襲撃を受けた)武器は小火器の可能性が強い」と説明した。

 同省によると、現地時間29日午後6時40分(日本時間30日午前0時40分)ごろ、米英占領当局(CPA)からバグダッドの日本大使館に「ティクリート付近で日本人2人が殺害され、(現地の)運転手1人が重傷を負った」と通報があった。奥氏らは、近くの病院に運ばれたが、すでに死亡していたという。

 同省によると、現場はティクリートから南に10キロ〜15キロ離れた地点。車体の一部に防弾措置を施した四輪駆動車で走行中に襲われたという。この車について同省は「日本大使館の官用車の可能性が高い」と説明している。

 外務省は30日午前2時、川口順子外相を本部長とする緊急対策本部を設置。小泉純一郎首相や福田康夫官房長官に状況を報告するとともに、同日中にも外務政務官らを現地に派遣する予定。

 川口外相は30日朝、外務省で記者団に対し、事実確認を急ぐ考えを示した上で、「イラク復興を支援していくことに全く変わりはない、テロリストとの戦いも毅然としてやっていく」と語った。

[毎日新聞11月30日] ( 2003-11-30-09:49 )
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外務省職員2人殺害 イラク・ティクリート付近で襲撃 [朝日新聞]


 イラク北部のティクリート付近で29日午後5時ごろ(日本時間午後11時ごろ)、バグダッドの日本大使館の所有とみられる乗用車が襲撃され、乗っていた、長期出張中の奥克彦・英国大使館参事官(45)と井ノ上正盛・イラク大使館書記官(29)が殺害された。川口外相が、米英の暫定占領当局(CPA)から連絡があったと発表した。レバノン人の運転手も意識不明の重体。外務省は30日未明、小泉首相の指示を受けて緊急対策本部を設置し、情報収集を急いでいる。川口外相は田中和徳大臣政務官を一両日中に現地に派遣する方針。3月のイラク戦争開始以降、イラク国内で日本人の死者が出たのは初めて。政府が近く基本計画の閣議決定を目指している自衛隊の派遣や、文民の要員派遣に大きな影響を与えるのは確実だ。

 これに先立ち外務省の北島信一官房長と堂道秀明中東アフリカ局長が30日午前6時すぎ、緊急に記者会見し、事件の発生を発表した。日本時間の30日午前0時40分ごろ、CPAからバグダッドの日本大使館に通報があったという。

 それによると、3人はレバノンに車両登録されている黒色の四輪駆動の軽防弾車に乗っていて襲われた。非政府組織(NGO)なども参加してティクリートで開催が予定されていた北イラクの復興支援関係の会議に向かっていたという。

 襲撃の詳しい状況は分からないが、外務省は「使用された武器は、対戦車砲などで狙われたのではなく、小火器である可能性が強い」と説明している。武装した警備員は同行していなかった。事件後、地域の住民が3人を病院に搬送した、という。

 外務省によると、バグダッドの日本大使館の日本人職員は、出張中の職員も含めて11人の態勢。

 ティクリートは、サダム・フセイン元大統領の出身地で、イラク戦争後もテロなどが頻発している地域。襲撃事件が起きたのは、その南方10〜15キロの地点という。

(11/30 09:49)

http://www.ontimes.com/j_doc/
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血の海の中、最後のうめき 車体左側に無数の弾痕 ティクリットの襲撃現場 [共同通信]

 【ティクリット(イラク北部)30日共同=上西川原淳】血の海となった車の中で、苦しそうにうめき声を上げる在英国大使館参事官の奥克彦さん(45)。助手席では、在イラク大使館書記官の井ノ上正盛さん(30)が左肩に弾丸を受け、既に絶命していた−。イラク復興支援の最前線で奮闘していた日本人外交官二人が殺害された北部ティクリットの襲撃現場に三十日、入った。

 現場はティクリットから南に約三十五キロにあるシモムの幹線道路沿いだった。道路脇の食料品スタンド店主、ハッサン・フセインさん(42)が発砲音を聞いたのは二十九日午後零時半(日本時間同六時半)すぎ。「バグダッド方向から走ってきた車がスタンドの手前で右に大きくカーブを切り、路肩を外れて畑に鼻先を突っ込むようにして止まった。すぐ後ろから米軍の車列が通り過ぎていった」とフセインさん。

 奥参事官らの黒い四輪駆動車の車体左側には無数の弾痕。「ドアを開けたら前部座席に二人、後部座席に一人が血の海の中で倒れていた。助けようと思ったが何もできず、警察を呼んだ」とフセインさんは唇をかむ。畑に残った車の轍(わだち)の脇には、生々しい血痕が残っていた。

 現場のイラク人警察官は「奥参事官は頭部と顔面に被弾しており、左の脇腹にも弾痕があったが、現場に着いたときにはまだ生きていた。井ノ上書記官と運転手は既に絶命し、手の施しようがなかった」と言って天を仰いだ後、「現場に薬きょうが落ちていなかったのはふに落ちない」と首をかしげた。

(了) 11/30

http://news.kyodo.co.jp/kyodonews/2003/iraq3/news/1130-50.html
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米軍スポークスマン「売店に立ち寄り襲撃された」 [読売新聞]

 AFP通信によると、イラク中部ティクリートで日本人外交官2人が殺害された事件について、イラク駐留米軍スポークスマンは30日、「2人は、車を止め、道路脇の売店に立ち寄った際に襲撃された」と語った。

 2人は食料と水を買い求めようとして、何者かに小銃で銃撃されたという。

(2003/11/30/18:06 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20031130i105.htm
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日本外交官殺害:井ノ上書記官は即死、奥参事官は病院で [毎日新聞]

 【ティクリート(イラク北部)竹之内満】イラクのティクリート近郊で銃撃を受けて死亡した奥克彦参事官と井ノ上正盛書記官は、事件翌日の30日、バグダッドの日本大使館から駆け付けたイラク人職員によって身元を確認された。井ノ上書記官は銃弾が左胸を貫通して即死状態。奥さんは頭や腹部など5カ所ほどに銃弾を浴び、病院に運び込まれた約1時間後、ベッドの上で息を引き取ったという。

 奥参事官と井上書記官、運転手のジャルジーズ・スレマ・ゾラさん(54)の3人が乗った車はティクリート南郊の片側2車線の幹線道路で襲われた。一帯は畑が広がり、わずかに民家が点在する農村地帯だ。車は既に米軍によって押収されていたが、道路の東わきには約30メートルにわたってくっきりと車のわだちの跡が残り、機関銃の乱射を受けた車が畑に突っ込んだことが示されていた。

 奥参事官らが運び込まれたティクリート市研修病院には、30日午前10時すぎ、バグダッドの日本大使館からイラク人職員4人が遺体確認と事件状況の調査のために駆け付けた。「死んだのは誰だ」。職員らは井ノ上さんの名前を聞くと「いい人だったのに」と涙ぐんだ。「用心のため同行すると申し出たが、2人は『大丈夫だよ』と……」。そう言って絶句した。

 運転手のゾラさんの息子、ジアードさんも大使館勤務。事件の状況を監察医に聞きながら「信じられない」と言ったまま、言葉が続かなかった。

 監察医によると、井ノ上さんは病院到着時には既に死亡、奥さんはまだ息があった。監察医は「輸血などをしたが手遅れだった」とうなだれた。

 ティグリス署のシャラン・アブドジャバーン署長は「署に連絡があったのは、発生から約1時間後。ここは電話も未整備だし、救急車もない。通報が早ければ1人は助かったかもしれないと思うと残念だ」と話した。

 バグダッドの日本大使館は、今年8月に国連事務所で起きたテロ事件を受け、本館に通じる路地に高さ2メートル近いコンクリート製防護壁を設置するなど警備態勢を強化。ある大使館職員が「あらゆるテロを想定して夜も眠れない」と漏らすほどの緊張の中、日常業務を続けていた。襲撃事件は、こうした厳しい警戒をいとも簡単に打ち砕いた。

[毎日新聞11月30日] ( 2003-11-30-21:06 )

http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20031201k0000m040058000c.html
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「奧参事官は後部席で血まみれ」現場の警官証言 [読売新聞]

 【ティクリート南郊(イラク中部)=ソブヒ・ハッダード特約通信員】井ノ上正盛書記官は助手席のドア付近で路面に崩れ落ち、奧克彦参事官は後部座席で血まみれになって倒れていた――。イラク復興の任務を担った日本人外交官を襲った29日の悲劇。一報を受け、駆けつけたイラク人警察官は現場の状況をこう証言した。

 記者(ハッダード)は30日昼、惨劇の現場に入った。ティクリートの南約15キロの村ムカイシファの近く。片側2車線の幹線道路をトラックなどがひっきりなしに通り過ぎる。奥参事官らが乗った車は、この道路を、イラク北部復興支援会議が開かれるティクリート市内へと北上していた。

 現場を管轄するディジュラ警察のマキ・ムスタファ警部らによると、井ノ上書記官は銃弾が胸を貫通しており、即死状態。奧参事官は頭と腹部に1発ずつの銃弾を受け、同市内の病院に運ばれたが、1時間後に死亡したという。2人は50ドル、10万イラク・ディナール、15ディナール(計約1万3000円)の現金を所持していた。警官が発見し、後にイラク駐留米軍に渡したという。

 駐留米軍によると、奥参事官らは食料と水を買うため道路脇の売店に立ち寄ったところを襲われた。だが、記者が見渡す限り、それらしい売店は見あたらない。被弾した車や遺留品もすべて米軍が回収し、事件の名残はタイヤの跡と路面に染みこんだ血の痕跡だけだ。

 現場から約10キロのディジュラ警察では、米軍から支給された赤の帽子をかぶった100人もの警察官が周囲を警戒している。事件のせいかと思ったが、責任者は「通常通りだ」と語った。米軍の支持者などを狙った襲撃事件はこの地区でも頻繁に起きているという。フセイン元大統領の出身地ティクリートは、反米武装勢力にとってイラク最大の抵抗拠点の1つなのだ。

 事件の背景はまだ不明だが、警官の1人は絶対匿名を条件に記者にこう言い切った。

 「米国を支援する日本は、占領者の一部。警官の私でさえそう思う。この一帯の普通の住民なら、なおさらだ」
(2003/11/30/22:16 読売新聞)


http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20031130it12.htm
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日本外交官殺害:イラクで参事官と書記官殺される 運転手も [毎日新聞]

http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20031201k0000m040053003c.html

 外務省に入った連絡によると、29日午後(日本時間同日深夜)、イラク北部のティクリート付近で、在イラク日本大使館所有の四輪駆動車が銃撃を受け、在英日本大使館の奥克彦参事官(45)=イラク出張中=と在イラク日本大使館の井ノ上正盛3等書記官(30)、さらにイラク人のジョルジース・ズラ運転手(54)が死亡した。政府内では反米勢力によるテロとの見方が浮上しており、福田康夫官房長官は「テロというような可能性が強い」と語った。イラク戦争後、同国内で日本人が殺されたのは初めてで、自衛隊派遣を計画する政府は大きな衝撃を受けている。【ティクリート(イラク北部)竹之内満、政治部・川上克己】

 外務省によると、現場はティクリートから南方に10〜15キロの地点。奥氏らは29日午前、米軍の民生部門が29、30の両日、ティクリートで開くイラク復興支援に関する会議に出席するため、バグダッドを出発した。

 事件を処理したティグリス警察署によると、事件が発生したのは29日午前11時ごろ。午後0時半ごろ、署に通報が入り、署員が現場に駆け付け、3人を病院に搬送した。同署によると、井ノ上氏と運転手はほぼ即死状態で、奥氏が午後3時ごろ息を引き取ったといい、「奥氏は車中で射殺体で発見された」とした外務省の説明とは食い違っている。

 同署によると、右車線を走っていた大使館の車に、左側から犯人の乗った車が追走。その後並走しながら、機関銃を約25発発砲したとみられる。大使館の車は道路脇の畑に転落して停止した。犯人の車はそのまま逃走したらしい。

 目撃情報によると、犯人の車はセダン車か四輪駆動車だったという。

 一方、収容先の病院の話では、井ノ上氏は銃弾が左胸を貫通、奥氏は頭のほか左腹部、左肩を撃たれ、運転手は左脇腹などを撃たれていた。

 イラク駐留米軍の報道官は30日、今回の襲撃に関し「日本人外交官2人は売店に立ち寄り、食料と飲料水を買い求めた際に銃撃を受けた」と語った。しかし、外務省の堂道秀明・中東アフリカ局長は同日夕の記者会見で、「そうした情報は入手しているが、確認できる状況にない」と述べるにとどまっている。

 運転手を含む3人の乗っていた車両は日本大使館所有で、車体の底部を除いて防弾装備を施した「軽防弾車」。ナンバーなど「日本の車両と特定できるようなものは取り外してあった」(外務省幹部)が、警備車両は付けておらず、警備官も同行していなかった。使用された武器は小銃などの小火器の可能性が強く、車体には多数の弾痕があるという。

 外務省によると、日本政府には日本時間の30日午前0時40分ごろ、米英占領当局(CPA)から事件に関する第1報が入った。搬送先の病院にはパスポートなどがなかったが、その後、地元部族長のもとで発見され、奥氏らの身元確認を行った。奥氏ら2人の遺体はバグダッドに搬送され、隣国のクウェート経由で日本に運ばれる予定。

 一方、バクダッド南部の幹線道路で29日、イラク戦争を積極的に支持してきたスペインの情報機関員の車両が襲撃され、7人が死亡した。反米勢力の拡大の動きとみられている。

[毎日新聞11月30日] ( 2003-11-30-23:48 )
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駆けつけた警官「1人は息あった」 邦人2外交官殺害 [朝日新聞]

http://www.asahi.com/international/update/1201/001.html

 2人の日本人外交官が乗った四輪駆動車は、幹線道路わきの農地に約30メートルのわだちを残していた。車体は地元のディジュレ警察が引き上げ、暫定占領当局(CPA)に引き渡したという。現場のすぐそばの道路わきでジュースなどを売る売店を持つハサン・アリさん(43)は、「昼前に遠くで銃撃音が聞こえたので外を見ると、黒い四輪駆動車が道路からそれて、畑に突っ込んだ。車の中に日本人2人がいた」と語った。

 米軍広報官の話として、AFP通信は「一行は、食料や水を買うために売店近くに車を止めた」と報じたが、アリさんはこの話を否定した。

 アリさんの通報を受けたディジュレ警察は、5人の警察官を現場に派遣した。そのうちの1人のダラフ・ファリスさん(30)は、「イラク人運転手と助手席の日本人は息がなかったが、後部座席の日本人は、意識はないが息をしていた。大急ぎで、病院に運んだ」と語った。ファリスさんと一緒に日本人外交官を車から引き出したもう1人の警察官アフマド・サーレフさん(43)の制服のシャツには、その時の血が付いたままだった。「なぜ、日本人を狙ったのか。日本人はイラクの復興に協力してくれることは誰もが知っているのに……」と語った。

 ディジュレ警察はティクリートの南25キロにある。ディジュレ地区のシャーラン・アルクレイム行政長は「このあたりは略奪もあり、一方で米軍主導の占領に反対する武装勢力もいる。彼らは、何であれ、占領当局のもとで行われることを破壊しようとしているのだ」と語った。ディジュレ警察のカマール・アブドラ署長は記者を引き留めて、「治安が悪く、テロや強盗が起こっている、この地域で、日本の外交官がなぜ、護衛もつけず単独で走行していたのか。後で外交官だと知って非常に驚いた」と質問し、安全対策に疑問を投げかけた。

 午前11時過ぎだったと見られる事件発生から警察署への通報までは約1時間かかった。警察が現場からまだ息があったという外交官をティクリートの病院に運ぶまでに、さらに1時間以上かかった。「電話も救急車も何もなく、緊急事態にとても対応できない。復興に対する日本の支援が必要です」と行政長は訴えた。

(12/01 01:02)
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地面に血痕、遺留品は米軍が回収…外交官殺害の現場 [読売新聞]

 【ティクリート南郊(イラク中部)=ソブヒ・ハッダード特約通信員】井ノ上正盛書記官は助手席のドアから路面に崩れ落ち、奧克彦参事官は後部座席で血まみれだった――。イラク復興の任務を担う日本人外交官を襲った29日の悲劇。現場に駆けつけたイラク人警察官はこう証言した。

 記者(ハッダード)は30日昼、惨劇の現場に入った。ティクリート南方約15キロの村ムカイシファの近く。片側2車線の幹線道路をトラックなどがひっきりなしに通り過ぎる。農村地帯で民家はまばらだ。奥参事官らが乗った車は、この道路をティクリート市内へと北上していた。

 現場を管轄するディジュラ警察のマキ・ムスタファ警部らによると、井ノ上書記官は銃弾が胸を貫通し、即死状態。奧参事官は少なくとも頭と腹部に1発ずつの銃弾を受け、市内の病院に運ばれたが、1時間後に死亡した。2人が所持していた50ドル、10万イラク・ディナール、15ユーロ(計約1万3000円)の現金には手がつけられていなかったという。

 駐留米軍によると、奥参事官らは食料と水を買うため道路脇の売店に立ち寄ったところを襲われた。だが、見渡す限り、それらしい売店はない。走行中に銃撃された可能性もある。畑に突っ込んだ車や遺留品はすべて米軍が回収。事件の名残はタイヤのわだちと地面に染みこんだ血だけだ。

 フセイン元大統領の出身地ティクリートは反米武装勢力の拠点。反米感情はイラクでも最も強い。事件の背景は不明だが、ある警官は「米国を支援する日本は占領者の一部。警官の私でさえそう思う」と言った。日本の復興支援の前途には険しいものがありそうだ。

(2003/12/1/01:35 読売新聞 無断転載禁止)

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20031130it12.htm
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犯行の実像、いまだ不透明…2外交官殺害 [読売新聞]

 【バグダッド=久保健一】誰が何のために奥氏と井ノ上氏を殺害したのか――イラク中部ティクリート近郊で発生した日本人外交官殺害事件で、犯行の実像は、いまだにつかめていない。

 外務省や駐留米軍の発表と、地元警察の証言は、大きく食い違うが、事件の謎をめぐって、現場付近の情報を総合すると、殺害を目的とするテロの様相が色濃く浮かび上がった。

 ◆殺害の状況◆

 駐留米軍スポークスマンのマクドナルド准将は、車が襲われた時の状況について「水や食料を買うため沿道の売店前に車を止めた際、小火器で撃たれた」と述べた。

 だが、地元ディジュラ署の警官によると、奥、井ノ上両氏が乗った四輪駆動車は、バグダッドからティクリートに向かう道路から右側に数十メートルも入った畑の中で停止していた。買い物のためにしては不自然だ。

 30日、現地を取材した本紙のソブヒ・ハッダード通信員は、事件直前に旧型のトヨタ「クラウン」が、四輪駆動車を追走しているのを見た、という住民の証言を得た。同署は、奥氏らを乗せた車は、ティクリートに向け走行中、左側を並走する犯人の車両から銃の乱射を浴び、車は制御を失い、畑に突っ込んだ、と見ている。四輪駆動車の車体の左側には30発近い銃弾の跡が残されていた。

 ◆所持品◆

 ハッダード通信員によると、地元ディジュラ署の警官は、奥氏らが所持していた現金、パスポートなどは一切盗まれていなかったと証言した。2人が病院に搬送された際、所持品はなかったが、その後、現金は警察官が回収していたことが判明、パスポートについては、付近の部族長宅で2人のものが発見された。

 部族社会では、重大な問題が発生した場合、部族長にすべてを委ねる伝統がある。パスポートが部族長の手元にあっても不自然ではない。

 ◆発生時間◆

 外務省は米軍情報をもとに、襲撃された車は29日午後5時(日本時間同日午後11時)ごろ発見されたと発表した。だが、ディジュラ署の警官が住民からの通報で現場に駆けつけたのは、同日午後1時(同日午後7時)ごろ。

 奥氏らがバグダッドの日本大使館を午前10時ごろ出発したことは確認されており、約150キロ離れたティクリートまでは通常で2時間ほどの行程であることから、車は正午前後に襲撃されたと考える方が自然だ。

 ティクリートの病院関係者も午後2時前には2人が搬送されたと認めている。

 ◆防備◆

 地元警察は、襲撃に使用されたのは、カラシニコフ自動小銃との見方を示している。事実とすれば、車の上部だけに軽防弾が施されていたとされる2人の車は、現在イラク国内に大量に出回る「ごくありふれた武器」(地元記者)に無力だったことになる。

 車1台の単独行動は、故障した場合に立ち往生する点で、リスクが大きい。警備員を同乗させていなかった点でも、2人の警戒の甘さは否めない、との声もある。フセイン元大統領の出身地で反米武装勢力の拠点であるティクリートでは、一層の注意が必要だった。

 一方、警備の車列を組めば、逆に武装勢力の標的になりやすく、日本側にもジレンマがあるのは事実だ。

(2003/12/1/14:17 読売新聞 無断転載禁止)

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20031201id04.htm
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イラク警察、関与か・駐留米軍の司令官指摘 [東京新聞]

http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20031201/mng_____kok_____004.shtml

【アルアッバシーヤ(ティクリット南郊)=ハッセン・アブード】在イラク駐留米軍のサンチェス司令官は三十日、バグダッドで記者会見し、頻発する欧米の軍や外交官に対する攻撃に、米国で訓練を受けたイラク警察官と、民間人の通報者が関与している可能性がある、と述べた。米軍は在留軍の早期撤退を視野に、旧イラク治安勢力の再訓練を進めている。

 同司令官はまた、一連の攻撃に国際テロ組織アルカイダが関係している可能性があるものの、確定的な証拠はまだ見つかっていないとも述べた。
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外交官襲撃は「周到に準備」  米高官、テロとの認識  [京都新聞]

http://www.kyoto-np.co.jp/kp/topics/2003dec/02/K20031202MKB1Z100000024.html

 【ワシントン1日共同】イラクの日本人外交官殺害事件について、米政府高官は1日「(襲撃は)周到に準備されていた」と述べ、テロの可能性が極めて高いとの見解を示した。また、犠牲となった奥克彦参事官が連合軍暫定当局(CPA)と日本政府のパイプ役として「活動的だった」ことで標的とされた可能性を指摘した。

 事件の状況からこれまで、日本政府内でもテロの可能性が高いとの見方が出ていたが、米政府内でも同様の見方が強まっていることを示した発言といえる。

 別の米政府高官は事件について「犯人や犯行理由の結論は出ていない」としながらも、一連のテロで、フセイン元大統領に忠誠を尽くす残党と国際テロ組織アルカイダなど外国人テロリストが共闘する傾向を見せ始めており、今回の事件も両者の「結合」が排除できないとした。

 外国人を対象としたテロは「人々を脅して(イラクから)追い出す」ことが狙いとも分析。外国人は「(イラク復興に)より明りょうな形で携わっており、標的も増える」と事件の背景を説明した。

 バウチャー国務省報道官は1日の会見で奥参事官ら2人が「イラク復興に多大な貢献をした」と述べ、米政府としてあらためて弔意を表明。「なぜわれわれがイラクにいるのか、命をささげるほど重要な目的は何なのか、堅固な理解が(同盟国間に)ある」と述べ、事件にもかかわらず日本の自衛隊派遣に期待感を示した。
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日本外交官殺害:治安情勢考え、あえて護衛車両つけず単独行  [毎日新聞]

 【バグダッド福島良典】イラク北部ティクリート付近を車で移動中の日本人外交官ら3人が11月29日、武装グループに襲撃され死亡した事件で、外交官らは地域の治安情勢などを事前に検討し、安全対策上、あえて護衛の車両をつけずに単独で走行していたことが1日、分かった。日本政府筋が毎日新聞に明らかにした。また、日本人外交官の身元特定を避けるため、車のナンバープレートを外すなどの警戒措置を取っていたことも判明した。

 死亡した在イギリス日本大使館の奥克彦参事官(45)=イラク出張中=と在イラク日本大使館の井ノ上正盛書記官(30)が乗っていたのは在レバノン日本大使館が使用していたトヨタの「ランド・クルーザー」。防弾車だが、他メーカーの四輪駆動車に比べ、より高速での走行が可能だ。

 奥参事官らは大使館を出発する前、安全に移動するための手法として(1)1台の車で時速150〜160キロの高速走行を続け、襲撃に遭う危険性を減らす(2)速度を犠牲にして重防弾車を使い、前後に警護車両を走らせる――などの選択肢を検討。ティクリート地域で重装備の米軍車両に対する攻撃が頻発していることなどから(1)の単独走行を採用した。車を運転していたイラク人運転手のジョルジーズ・ズラさん(54)は高速走行を得意としていた。

 また、事件当時、ナンバープレートは事前に外して座席の下に置いてあり、車の外見上、日本人外交官と特定される要素はなかったという。しかし、先月30日には現場近くで韓国人技師の乗った車両が襲撃され2人が死亡する事件が発生しており、反米武装勢力がアジアの親米国民を狙い始めた可能性が高まっている。

 奥参事官らは事件当時、米英占領当局(CPA)民政部門のティクリート地域事務所がイラクの非政府組織(NGO)を集めた復興支援会議に出席するためバグダッドからティクリートに向かっていた。国際機関が援助活動を開始している他地域と違ってティクリート周辺は支援の手薄な「援助の空白地帯」で、奥参事官らは住民の要望などの情報収集に努めていた。

 3人の乗っていた車は窓や車体を強化した防弾車だったが、襲撃する側の銃の位置や大きさによって、銃弾が窓や車体を突き抜ける可能性はある。

[毎日新聞12月2日] ( 2003-12-02-15:00 )

http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20031202k0000e040070001c.html

● 外務省記者会見

外務大臣会見記録 (平成15年11月30日(日)9:15〜 於:芝庁舎会見室)
イラクにおける邦人の殺害

(外務大臣)8時15分ですがCPAからの連絡がありまして、二人の身元は外務省の奥参事官、参事官はイラクに長期出張中でしてイギリス大使館の参事官です。それとイラクの大使館員で三等書記官の井ノ上正盛三等書記官の二名であることがわかりました。二人は29日にティクリットで開催されることになっていました北部イラクの支援会議に出席するということで出張中でして、その出張中に今回の事態になったということであります。イラクの復興支援に取り組むという我が国の基本方針の中、文字通り日夜粉骨砕身をしていた二人です。この二人の優秀な部下が亡くなったということについては痛恨の極みとしかいいようがありません、言葉を知りません。ご家族には衷心からの弔意とお見舞いを申し上げたいと思います。この件の背景等事実関係につきましては、引き続き在イラク大使館で精力的に確認作業を行っています。また、田中政務官に昼過ぎに成田を出発して現地に向かってもらいます。この事件の発生を受けまして、大使館及び館員の安全対策につきまして改めて見直し、速やかに必要な措置を執るとともにイラクに滞在をしている在留邦人、そのほとんどと言ってよいと思いますが、報道関係者の方ですが、イラクに対してはは退避勧告が出ているということを改めて注意を促す。邦人の安全対策については、万全を期したいと思います。今回の事件は許し難いことであります。亡くなった二人の意志をしっかりと引き継いでいくためにも、今後ともテロに屈することなくイラクの復興支援に積極的に取り組むという我が国の基本方針が揺らぐことはありません。小泉総理よりもこの趣旨については指示を受けているところであります。

(問)日本人の外交官であることを認識した上でのテロというように判断されているのでしょうか。

(外務大臣)テロであるかどうかは分かりません。事実は確認中です。

(問)バクダットの大使館の縮小とか引き上げとかということはお考えでしょうか。

(外務大臣)考えていません。

(問)自衛隊の派遣計画に何らかの変更、影響はどのようにお考えでしょうか。

(外務大臣)先程も申しましたように我が国の基本方針に変わりはありません。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/gaisho/g_0311.html#7-A

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イラクにおける外務省関係者の殺害に関する日米外相電話会談について


平成15年11月30日


 30日午前10時40分過ぎ、パウエル米国務長官より川口大臣に対し電話連絡があり、イラクにおける外務省関係者の殺害に関して約5分間電話会談を行ったところ、概要以下のとおり。(なお、本件電話会談後にべーカー在京米国大使よりも、川口大臣に対し、電話にて同様の弔意の表明があった。また、本件電話会談に先立ち、ブレマーCPA長官より上村在イラク大臨時代理大使に対し、ライス国家安全保障担当大統領補佐官、アーミテージ国務副長官及びウォルフォヴィッツ国防副長官より、加藤駐米大使に対し、それぞれ個別に電話による弔意の表明があった。)
パウエル国務長官より、イラクに派遣されていた日本人外交官が殺害されたとの報告を受け、非常に悲しんでいる。御遺族に対して、心よりの哀悼の意をお伝え頂きたい旨述べた。


これに対し、川口大臣より、先方の弔意表明に対し謝意を述べた上で以下のとおり述べた。

(1) 亡くなった二人は、イラクの復興支援に取り組むとの我が国の基本方針の下、厳しい環境の中で、文字通り、日夜粉骨砕身していた優秀な外交官であり、二人を失った悲しみは言葉で言い表すことは出来ない。


(2) 我が国としては、今後とも、イラクの復興支援及びテロとの闘いに積極的に取り組むとの我が国の基本方針が揺らぐことはなく、小泉総理からも同旨の指示を受けたところである。


(3) 今後本件の背景等事実関係を把握し、このような事件が繰り返されないよう、対策を講じていく必要がある。そのため、外務省の田中大臣政務官を本日派遣する。我が国関係者の安全確保、事実関係の調査、及び再発防止対策を含む治安対策について、貴国より全面的な協力をいただきたい。


これに対し、パウエル国務長官より、米国としては出来ることはすべて行う用意があり、日本側に全面的に協力するよう現地に指示を出したところである旨述べた。


川口大臣より、今後とも日米間の共通の課題に協力して取り組んでいきたいと述べたのに対し、パウエル国務長官より、同感であると述べた。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/15/rls_1130a.html

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