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(回答先: Re:↑これは凄い問いですね、どうしてだれも問わなかったのでしょう 投稿者 マルハナバチ 日時 2003 年 11 月 30 日 22:11:08)
bakaさん、マルハナバチさん、レスありがとうございます。
>日本が買っている米国債が売れないとなれば、米国への毎年20兆円の支払は、対世界
>黒字の3倍以上であり、実質大赤字です。 この赤字分は、日本人がただ働きで補填
>しているということでしょうか?
この問題は、各国通貨のみならず国際決済手段までがたんなる紙切れのドルであることや、日本企業や日本人は日本円で経営や生活をしていること、そして、非経済主体である政府と経済主体の違いが理解のミソになります。
貿易収支の黒字は、ドルで稼いでいるにしても日本円に転換されて企業の懐に入ります。
輸出企業は稼いだドルを日銀に渡しそれに相当する日本円を日銀が供給し、輸入企業は手持ちの日本円を日銀に渡し、それに相当するドルを日銀から受け取ると考えたらわかりやすいと思います。
貿易収支が黒字であれば、黒字分だけ日本円の流通量が増え、それに相当するドルが外貨準備として積み上がります。
これが正味の経済拡大です。そして、それがGDPの拡大に結びつくのが経済成長です。
(外貨準備として積み上がったドルは、このように、日本円に姿かたちを変えて実体経済に流れ込んでいるので実質的にはカスなのです)
政府の“対米貢納”は、税金でまかなわれるのではなく、政府が日銀から日本円を借りてドルを買いそのドルを米国債に転換するというものです。
その取引そのもので企業や日本国民が保有する日本円やドルが増減するわけではありません。
日本円の発行額が増加し、米国政府が手にするドルが増加し、日本政府が保有する米国債が増加するというものです。
(日本円の発行残高増は金融調整手段で打ち消すことができます)
ですから、貿易収支黒字を超える“対米貢納”があっても、貿易収支の赤字とは性格が異なるものであり、実質大赤字というわけではありません。
日本政府や日銀が保有している米国債が売れなかったり返済されないとしても、その米国債に相当するドルで日本製品が買われているのなら、そのドルが日本企業の手に渡り、日本円に変わって企業の懐に入るので、モラル以外に問題はないとも言えます。
政府部門の保有米国債増加分の対米貿易黒字が達成されれば、その時点で増加分の米国債が返済されたと解釈することもでき、政府が民間輸出企業のために販売促進費を支出していると解釈することもできます。
(但し、民間部門や政府部門の基金が保有している米国債が返済されないときは大問題になります)
このように異様なことがまかり通るわけや“対米貢納”の問題点、「日本人がただ働きで補填」の有無は、別途折をみて書き込みさせていただきます。
※ 参照書き込み
『【世界経済を認識する基礎】 “あっしら”的経済概念の説明::国際管理通貨制における外貨準備 《米国政府の対外債務返済能力》 〈その12〉』
( http://www.asyura.com/2002/dispute2/msg/128.html )