現在地 HOME > 掲示板 > 議論15 > 337.html ★阿修羅♪ |
|
(回答先: ゜ジーメンス事件」 投稿者 三保平静」 日時 2003 年 11 月 02 日 12:58:50)
三保平静さん、こんにちわ。
「ジーメンス事件ー大正版ロッキード事件」と名づけられたいわゆる「シーメンス事件」は、シーメンス側から出てきた情報で日本海軍高級幕僚の収賄が発覚し、海軍全体に疑念の目が向けられ、倒閣運動という政争のネタになったことで“大正版ロッキード事件”と呼ぶにふさわしい事件だと思っています。
-------------------------------------------------------------------------------------
※ 1914年(大正3年)のジーメンス事件発端
ジーメンスから解雇された日本支社ドイツ人が、機密書類を持ち出し、それをネタに会社を強請ったが応じなかったためロイターに情報を持ち込んだことで報道されるに至り、海軍高級将校への贈賄が発覚した事件。
ジーメンスはお金を支払って機密書類に買い戻し焼却していたという説やロイター記者も強請りを働きそれでジーメンスが買い戻し焼却がなされたという説があります。
どちらの説も、焼却前に機密書類の写真撮影が行われており、それが証拠として使われたという立場です。
-------------------------------------------------------------------------------------
海軍の調査のなかで戦艦金剛の発注に絡むヴィッカース社からの収賄まで発覚し、国民的関心を集めるなかで政争が繰り広げられ、海軍の重鎮であった山本権兵衛内閣の総辞職へと進みます。
(警察と衝突するほどの街頭運動が起きたという点で、ロッキード事件よりも国民の怒りは高かったかもしれません)
時期が欧州大戦(第一次世界大戦)が勃発する1914年(大正3年)という点で、欧州の戦乱のなかで日本が軍事的抜け駆け(軍備増強や軍事行動)をしないよう牽制するためではないかという陰謀的匂いを感じます。
(国内での陰謀論として、陸軍による海軍の追い落としというものはあります。海軍=薩摩閥の重鎮であった山本権兵衛と陸軍=長州閥の山縣有朋の対立からの推論でしょう)
後継の第2次大隈内閣は海軍粛正政策を掲げることとなり、海軍の重鎮であった山本権兵衛と斎藤実は予後備役に編入されます。
(山本権兵衛は関東大震災直前に第2次山本内閣を組閣することになります)
資料になるようなまとまった書籍としては、次のようなものがあるようです。
どれも未読なのでご期待に沿うものかどうかわかりません。
河井信太郎著『検察読本』
松本清張監修『明治100大事件』
『日英兵器産業とシーメンス事件』
奈倉 文二●著
横井 勝彦●著
小野塚 知二●著
版元●日本経済評論社
A5判 258ページ 上製
定価3,000円+税
ISBN4-8188-1504-7 C3033
奥付の初版発行年月●2003年08月