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(回答先: 違います 投稿者 あっしら 日時 2003 年 10 月 27 日 18:50:18)
あっしらさん こんにちは
>そのような流れが阻害されている要因として、持ち株(株式持合い?)や不良債権処理の遅さを指摘されていますが、それらが無関係ではないとしても、示された流れ図にどう関わるのか不明です。
(持ち株(株式持合い?)や不良債権処理の遅さのために、「売上増加」・「仕入れコスト削減」。「市場占有率上昇」・「利益増加」・「投資」などがどのような影響を受けているのでしょうか?)
これは、日本が暗に「大きな政府」になっていたことを説明したつもりです。
日本の金融の特徴としてあげられるのは、間接金融ということです。
日本の個人の金融資産は約1400兆円
そして、其の大半50%近くが定期性預金にしめられています。
現金・通貨性預金 12.3%
定期性預金 49・8%
保険・年金 28.2%
投資信託 2.3%
有価証券 7.3%(うち株式4・8%)です。
統計は、1997年日本銀行「個人金融資産構成」
http://www.opticast.co.jp/opt/gcom/analist/fp/fp1107.htm
ゴールデンチャートより
個人金融資産のうち、
現金で約30兆円
約710兆円が銀行や郵便局の「預貯金」
保険・年金は約380兆円
株式は約120兆円
国債・その他債券・受益証券は約90兆円
その他で約60兆円となっています
さらに、
預貯金の約710兆円の内訳を見ると、
銀行(約280兆円)
信金・農協(約170兆円)に約450兆円
郵貯に約260兆円が流れています。
長年、わが国は護送船団方式という流れが一般的であり、金融機関の非常事態のばあいは、日銀特融による金融機関へのセーフティネットが政治家の決断で助かっています。
みなと銀行や山一證券など過去に日銀特融により助かっています。
護送船団方式のメリットは、金融危機を起こさないという点で極めて有効な手段ですが。
どうじに、個人の資産リスク管理がおろそかになるというデメリットがあります。
それは安全に資産を預けるなら、銀行か郵貯という選択するというリスク管理です。
これによって、銀行も郵貯も個人も、最後には国のセーフティネットが助けてくれると信じて資産が定期性預金や、銀行・郵貯を選好していきます。
そのなかでも、銀行が個人資産に対する商品開発を積極的に作れる自由度を行政側も残しておけば、今日のような国まるがかえのリスクも幾分やわらげらたのではないかと考えます。
国内専業企業(特に雇用の大きい中小企業)は、中小企業が間接金融に100%依存しています。そして、其の借り入れを持ち合い株にまわしているため、純粋に本業の供給にまわらず
潜在需要の発掘におろそかになっていたのではないかと思われます。
その結果、安定経営が主な理由だった株式持合いが、取引先との硬直的な商売、銀行との付き合い(不動産以外の信用獲得)、銀行を介した援助的なビジネスにより生産性の向上(需要の変化と対応)を図らなかったため、過剰有利子負債・過剰設備投資・過剰雇用(企業内失業なんて言葉もありました)この点が、国内における二重構造の問題点になったのだとおもいます。
大方の成長がとまり、物があふれる時代だからこそ、いままでの商品での供給を続けても、輸入品や競合他社との比較が値段だけという状態に陥ってしまっており。
そして、90年代からの貯蓄は増加し続けるのに、
「売上増加」「仕入れコスト削減」「市場占有率上昇」「利益増加」「投資」というモデルが、日本の場合、特に中小企業(国内専売)において、
「市場全体による売上増加」→「純利益の増加」→「剰余金」→「不動産・資産への投資」という具合にまわっており。現在でも中小企業での不良債権の処理の難しさ(政治や地銀・雇用など)などによりふくれあがった設備が処理できない状況にあるのではと思っています。
本業への投資がコスト削減や他社との競争資源(持ち合い株の経営安定)(競争の回避)(製品ではなく系列にこだわる)へとまわっていない状態だったように思います。
それは、金融機関がどちらの顔もたてて行かなくてはならない、間接金融モデルに裏打ちされた経営(今でも大半が銀行との取引を重視しているし、日本にはアメリカのような中小企業専用の資金調達を行うグリーンシートなど地方市場はまったくない・札幌や新潟など地方の低迷している証券取引所はあらたな中小企業の資金調達先となるなんて計画は聞いたことがない。この点からも直接金融に移行する気がないように思える。)をおこなったために日本の企業間に競争を抑制し生産性の向上がおなざりにあったと推測するいものです。
「売上増加」→「仕入れコスト削減」→「市場占有率上昇」→「利益増加」→「投資」
このモデルができるのには、先をみて投資する優良な人材がいなくてはできないのと、
そういう人材の育成は時間がかかるということが問題です。
そしてなにより、このモデルがうまくいくには、自由な取引が必要です。
日産は国際的な企業であり、銀行も日本の銀行を使わなくても資金が調達可能ですが。
日本に本拠をおく国内専業企業においては資金調達は、国内金融機関の枠を踏み越えることができず、また中小企業の経営にサポートするコンサルタント的な銀行(商品として提供)がないのも、弱い経営力しかもたない企業にとってこのデフレは極めて危険なものです。
そういう、サポートをイギリスの銀行はおこなっていますが、日本の銀行ではまだまだお金を借りてくれと一方的に頼むことしかできないでしょうね。
この間接金融がペイオフで崩れていけば、リスクを重視した貸し出しが行われるようになり其の投資先も健全なものになるとおもいます。(市場には失敗はつき物ですが)
一番いい例は日産でしょうね。
産、3年計画発表、再生へゴーン流系列破壊――部品調達に大ナタ、1兆円圧縮。
掲載日:1999/10/19 媒体:日本経済新聞 朝刊 ページ: 3 文字数:1817
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再び強くなるためには大胆でなければならない――。カルロス・ゴーンCOO(最高執行責任者)が日本語で語った通り、日産自動車が十八日発表した再建計画「リバイバルプラン」は、主力生産拠点の村山工場閉鎖などを含む思い切った内容になった。日産は現在保有する千三百九十四社の株式を四社を除き売却する方針で、系列の部品メーカー、販売会社との関係を抜本的に見直す。二〇〇二年度の復活へ一応の道筋を付けた。(1面参照)
日産の経営上の構造問題が、系列の部品メーカー、販売店とのもたれ合いといわれる。株式の持ち合いという資本面に加え、本社からの天下りという人脈がからみ、採算をあまり考慮しない取引が行われていた。ゴーン氏は「利益追求の不徹底」が業績不振の第一の原因と明言する。
リバイバルプランでは売上原価の六割を占める資材・部品調達の仕組みを完全に変える。“聖域”だった系列取引にメスを入れ、国際競争力を持つ部品メーカーに発注先を絞る。現在、取引している部品メーカー千百四十五社を、二〇〇二年度までに六百社以下に減らす。
系列破壊の象徴が株式の大量売却だ。四社以外は「日産の将来に不可欠と見ていない」(ゴーン氏)という。そのなかに系列部品メーカーや販売店がほぼ網羅される見通し。日本企業がこれだけ徹底した系列解体に動くのは初めてだ。
日産は持ち合い株を含めて大量の株式を保有している。九九年三月期末現在で、単独決算の帳簿価格ベースだけで三千二百十六億円を持ち、千三百五十七億円の含み益を持つ。連結ベースでの保有株はさらに多く、ここ数年のリストラに伴う損失の穴埋めに充ててきた。
国内販社の統廃合を含め“系列解体”のメリットとして、三年間で一兆円の総コスト削減を実現する計画だ。部品メーカーも販売店もこれからはコストや収益性による厳しい選別が始まる。だが「市場で売るにしろ、相対にしろ売却には時間と手間がかかる」(業界関係者)との見方もある。
最大の課題だった余剰生産能力の削減にも手を付けた。自治体への根回しはほとんどなしに、村山工場と日産車体・京都工場の閉鎖を明言。二月に発表していた愛知機械工業・港工場を含め、三カ所の組み立て工場を閉鎖する。国内生産能力は九九年の二百四十万台から百六十五万台に減るが、ゴーン氏が重視している稼働率は五三%から七七%に向上。採算性は大幅に高まる。
人員削減についても、二〇〇〇年度中にグループの間接人員で五千人という従来計画を大幅に積み増し、二〇〇二年度までの削減数は二万一千人となる。地元自治体の反発は必至だ。
「日産自動車も生きていかなければいけないでしょうから」。閉鎖の決まった日産・村山工場の地元、武蔵村山市の志々田浩太郎市長は、午後四時ごろに説明に訪れた日産の小島久義副社長に無念そうに答えた。
村山工場の敷地面積は百三十万平方メートルと広大で、同市中央部と一部立川市にもまたがっている。従業員約三千百人のうち約七百人は市内に暮らし、下請けなど関連企業も少なくない。同市最大の工場の撤退にショックは隠しきれない。日産車体・京都工場の地元宇治市では工場閉鎖の観測もなく「寝耳に水」と急きょ、対応策の検討に入った。
「(日産の)スタイリングは常に良かったとはいえない」。ゴーン氏が日産の弱点とかねて指摘してきた新車開発面では、デザインやブランド力強化に力点を置く。昨年五月の再建計画「グローバル事業革新」との違いは、ブランドイメージを向上させるための象徴として、北米市場で根強いファンのいるスポーツカー「Zカー(日本名フェアレディZ)」を復活させるなど、具体的な商品戦略を挙げていることだ。全社的なリストラのなかで開発人員は逆に五百人増やす。
だが、ルノーとの提携による効果が見えにくい。小型車「マーチ」「キューブ」の新型車はルノー「クリオ」と車体の骨格(プラットホーム)を共通化し、二〇〇二年半ばに投入。クリオとのプラットホーム統合で製造コストは下がるが、開発期間は余分にかかる。トヨタ自動車「ヴィッツ」の成功に見るように小型車へのシフトが進む日本市場では、早い時期の新車投入が必要とみられ、提携が裏目に出る可能性もある。
「プラン策定は日産再生の五%を占めるに過ぎない。残り九五%は実行にかかっている」とゴーン氏は強調する。ゴーン氏自身が認識するように、日産がどれだけ速く計画を実行できるのかが問われる。