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(回答先: あっしらさんへ 書き忘れ 投稿者 イラクの子供はもうパレスチナの子供のように米に投石 日時 2003 年 10 月 21 日 12:46:48)
Q:それでは、イラクが日本やドイツのように高度の経済成長に成功するには
どうすればいいとお考えですか.最近ノーベル賞を受賞したイラン人の言うように、
やはりイスラムの近代化でしょうか…(イスラムに生活の近代化がありえるのだろうか.それでもあのイラン人はイスラム教徒なのだろうか??…こんにちいう”イスラム教徒”っていったいなんでしょう…)
A:近代化は、経済の高度成長や国民の生活向上を意味するものではありません。それで経済の高度成長や国民生活の向上がはかれるのなら、国民国家としてまともな統治者はみなただ近代化政策を採ればいいことになり、こんな楽なことはありません。
イラクが日本やドイツのような高度経済成長を遂げようと思ったら、まずは、天然資源の支配権(価格及び流通)を獲得することです。そして、石油精製工業や合成化学工業を興し、それで得た利益を教育・研究・産業の裾野拡大に投じることです。
しかし、このような政策は様々な意味で実現できないと思っています。
産油国が石油関連事業で自立するということは、これまでそのような商売で利益を上げてきた西側諸国の企業を破綻させることにつながります。
(現在の世界は、石油精製品などが不足しているわけではありません)
天然資源の支配権(価格及び流通)を獲得するためには産油国の協調体制が求められますし、それによって莫大な損失を被ると考えるいわゆる西側諸国の武力攻撃も覚悟しなければなりません。
西側協調路線に立っているサウジアラビアやロシアに政策を変更させることだけでもたいへんですし、ロシアはともかく、中東産油国やナイジェリア・インドネシア・マレーシア・ベネズエラでそのような動きがあれば、米国の手でクーデタが画策されるはずです。
さらには、イスラムの価値観もあります。
個人主義的な金儲けの在り方を忌避するイスラムの信仰者が多いイラクなど中東諸国で、近代(米英)的な企業活動が容認されることはないと見ています。
個人がばらばらにされる近代的考えも、共同体や家族を重視するイスラム世界では受け入れがたいものです。
また、ベドウィンなど遊牧民は近代的生活を善きものと考えているわけではありません。
これまでも書いてきたように、そう遠くないうちに近代生活を謳歌してきた先進諸国も、経済的な行き詰まりに陥ります。
イスラム信仰者は、「近代」に絡めとられることなく、そのときまでイスラムという生き方を保持していて欲しいと願っています。(もちろん、現在のイスラム諸国家の在り方がいいものだとは思っていません)