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科学技術予算の格付け、ニュートリノ関連に最低評価
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20031017i103.htm
政府の総合科学技術会議(議長・小泉首相)は17日、来年度の主な科学技術予算約200件の格付けを公表した。格付けは「S」「A」「B」「C」の4段階で評価。高速増殖炉「もんじゅ」改造工事など、実用に結びつく技術を中心に32件を最高の「S」とした一方、素粒子ニュートリノ実験の施設建設など16件には「C」と最低の評価を下した。財務省はこの格付けを参考に予算措置を行う。
ニュートリノの観測や実験は、小柴昌俊・東京大名誉教授が昨年ノーベル物理学賞を受賞するなど、多くの成果を挙げ、日本の科学の“お家芸”とみられている。それだけに関係者は最低の評価に驚きを隠さない。小柴博士も「ばかげた評価だ」と憤慨する。
この実験施設は、日本原子力研究所などが建設している「大強度陽子加速器」(茨城県東海村)の一部。人工的に生成したニュートリノを、観測施設「スーパーカミオカンデ」(岐阜県神岡町)に向け発射し、観測するのが目的。
2007年から4年間で建設する計画だったが、欧米との競争激化や、小柴博士のノーベル賞受賞などを受け、文部科学省が計画の前倒しを決め、来年度予算の概算要求に建設費など約8億円を盛り込んだ。
しかし、同会議は「既存の施設で可能な実験を発展させるもので、多額の投資には疑問」とした。
小柴博士は「既存の施設では不可能だからこそ新しい施設を作ることになった。世界中の学者に笑われるような判断」と反発する。
基礎研究部門の評価を担当した井村裕夫・総合科学技術会議議員は「重要課題がたくさんある中で、あえて今、計画を前倒しするのはどうか。評価にかかわった多くの専門家がそう感じた」と話す。
「重症急性呼吸器症候群(SARS)対策事業」(厚生労働省)も、「他のプロジェクトで同様の研究を行っている」として「C」に沈んでいる。
◆科学技術予算の格付け=各省庁が概算要求に盛り込んだ主な科学技術の事業を評価し、ランク付けする。「S」は「積極的に実施」、「C」は「見直しが必要」とされる。昨年は「S」評価の予算の合計が前年比21%増加。「C」評価の予算は74%減少した。
(2003/10/17/11:43 読売新聞)