現在地 HOME > 掲示板
> 議論１５ > 111.html
★阿修羅♪
|
現在地 HOME > 掲示板
> 議論１５ > 111.html
★阿修羅♪
|
|
今回は、小泉純一郎内閣総理大臣や石原伸晃国土交通大臣が押し進める道路建設に対する私の批判を紹介します。
どうぞ、御覧下さい。
2003年10月9日
--------------------------------------------------------------------------------
新聞やテレビの報道を見ていると、小泉純一郎内閣総理大臣や石原伸晃国土交通大臣は高速道路建設を要求する
「道路関係議員」(新聞・テレビでは道路族)と戦う正義の味方であるという印象を受ける。しかし、事実は大き
く異なる。なぜなら、小泉総理や石原大臣は高速道路建設を激しく要求しているからだ。以下の枠内に示してあ
る通り、小泉総理が本部長を務め、石原大臣も本部員として加わった(当時は規制改革担当大臣として参加)都市
再生本部の決定がすべてを物語っている。
【2001年8月28日に都市再生本部が決定した「都市再生プロジェクト（第二次決定）」より】
「大都市圏における環状道路体系の整備」
大都市圏において自動車交通の流れを抜本的に変革する環状道路を整備し、都心部の多数の慢性的な渋滞や沿道
環境の悪化等を大幅に解消するとともに、その整備により誘導される新たな都市拠点の形成等を通じた都市構造
の再編を促す。
１. 東京圏における環状道路の整備
（１）首都圏三環状道路の整備
東京圏において、首都圏中央連絡自動車道、東京外かく(郭)環状道路及び中央環状線のいわゆる首都圏三環状
道路の整備を推進する。
・このうち、現在事業中区間のうちの特に首都圏中央連絡自動車道西側区間、東京外かく環状道路東側区間及び
中央環状線の３号線以北の区間について、その整備を積極的に推進し、平成１９年度までに暫定的な環状機能
を確保する。
・東京外かく(郭)環状道路（関越道〜東名高速）については、現計画を地下構造に変更し、これに伴う都市計画
の変更に向け早期に関係者間の調整を図る。その際、上部空間の利用や生活再建の方策について、地域におい
て幅広い選択が可能となるよう積極的かつ柔軟に取り組む。
・首都圏三環状道路の整備が最も遅れている東名高速以南について、中央環状品川線の都市計画決定等、計画の
具体化を図る。
（２）横浜環状線の整備
横浜環状線の整備を推進するとともに、横浜港等に係る物流の円滑化等を図るため、横浜環状線北側区間と東名
高速との接続区間の都市計画決定を早急に実現する。
２. 大阪圏における環状道路の整備
（１）大阪都心部における新たな環状道路の整備
大阪都心部に新たな環状道路の形成を図る。その際、第二京阪道路の近畿自動車道までの供用に併せ、これを整
備することを目標とする。
このため、現在事業中である大和川線及び淀川左岸線について、これらと一体的に整備するスーパー堤防等の
関連事業を積極的に推進する。
淀川左岸線延伸部について、都市計画決定を早急に実現する。
（２）京都都市圏における環状道路の整備
京都都市圏南西部において都心を迂回する京都第二外環状道路の整備を推進する。
３. 名古屋圏及び福岡圏における環状道路の整備
名古屋圏においては、名古屋環状２号線及び東海環状自動車道、福岡圏においては福岡外環状道路等の整備を推進する。
これでおわかりだろう。小泉政権の基本方針は道路をどんどん造ることなのである。しかも、建設費がとても高い都市部
の道路をどんどん造ろうというのだ。以下の表は江藤隆美元運輸大臣や鈴木宗男衆議院議員の要求する高速道路の建設費
との比較である。小泉総理や石原大臣が「道路関係議員」であることがよくわかるだろう。また、石原大臣は、父親の石
原慎太郎東京都知事と連携して巨額の費用がかかる圏央道(首都圏中央連絡自動車道)の建設を強行しようとしている。こ
の圏央道に関しては、東京地方裁判所が2003年10月3日にあきる野市牛沼のあきる野インター周辺の未買収地について、
東京都の収用停止を命じているが、この決定に対し、石原大臣は10月7日に「地裁決定は圏央道事業の必要性を否定し、
地権者の居住の権利を公共の利益に優先させるもので到底容認できない」と発言した。「道路関係議員」らしい発言と言
えよう。
■小泉総理や石原大臣が ■鈴木議員が要求する高速道路 ■江藤議員が要求する高速道路
要求する高速道路
高速道路名 外環道 道東道 東九州道
区間 三郷〜市川 足寄〜訓子府 清武〜北郷
距離 20キロ 66キロ 19キロ
建設費 1兆2770億円 1550億円 980億円
一キロ当たりの建設費 638.5億円 23.5億円 51.6億円
※2002年7月26日の「道路関係四公団民営化推進委員会・第八回」に提出された日本道路公団作成の資料より作成。
政府や公団の公表資料がこれほどまでに小泉総理や石原大臣が「道路関係議員」であることを明らかにしているのに、
新聞やテレビは何を勘違いしているのか、まったく逆の報道をしている(下段注1)。小泉総理や石原大臣は高速道路建設
にストップをかけ多額の借金を解消してくれる正義の味方であるという報道だ。これほど事実に反する報道はない。
小泉総理や石原父子が信条とする「都市再生」によって、次々と「高価」な道路建設が強行され、国民負担は逆に増大す
ることになるであろう。「大成功」とされた国鉄の分割民営化が、結果として借金を増やしたように(下段注2)。
下段注1
【2003年10月7日付朝日新聞「社説」より】民営化によって政治家や官僚の介入を断ち切りムダな道路を造らせない。
債務の返済を最優先し国民負担を最小限にする。これが推進委が出した報告書のエキスだ。首相が真っ先にすべきは、
これに沿った法案づくりを政権公約に書き込むことである。人事をもてあそび、人気取りを図ることではない。
【2003年10月6日付読売新聞「社説」より】四公団改革の目的は、これ以上むだな高速道路を造らず、四十兆円に上る
債務の返済を最優先することである。
【2003年10月7日付日本経済新聞新聞「社説」より】採算を後回しにして高速道路を建設し続けて、借入金を約40兆円に
も膨らました道路公団の改革は、公益法人改革の突破口を開くものとして位置づけられる。藤井総裁更迭はほんの入り
口にすぎない。
【2003年10月7日付中日新聞「社説」より】小泉内閣が進める道路四公団改革の目的は、膨大な公団の借金をこれ以上増や
さないことと、無駄な高速道路建設にストップをかけることにある。公団の民営化は、あくまでもその手段だ。
下段注2・・「清算事業団は、６２年度(昭和６２年度。中根注)から平成９年度までの１１年間に、自主財源等によって
総額１４．４兆円の収入をあげた。しかし、この間の清算事業団の利払い等の支出は総額１５．８兆円にのぼり、収入を
１．４兆円上回った。これに９年度首に負った厚生年金移換金負担０．８兆円を加え、６２年度首には２５．５兆円で
あった清算事業団の債務は、平成１０年度首には２７．７兆円に増大した。」(「平成10年度・運輸白書」より)
また、小泉総理や石原大臣は、特殊法人の縮小・廃止に熱心に取り組んだとされているが、特殊法人の一つである日本政策
投資銀行は、新たに高リスクの都市再生ファンドを設立し、民間の都市開発に巨額の資金を注ぎ込むことを2003年9月3日に
発表(http://www.dbj.go.jp/japanese/release/rel2003/0903_pfi.html)した。金持ちや巨大企業のためならば、逆に特殊法人
の業務を拡大する。これが小泉改革の特殊法人改革の実相である。道路でも特殊法人でも、小泉総理や石原大臣がやろうとし
ていることはまったく筋が通らないのである。しかし、両氏は人気者であるため、新聞やテレビはこうした筋が通らないひど
い話を問題にすることはない。なお、日本政策投資銀行が先の発表をした際には、石原大臣は国土交通大臣ではなく、特殊法人
改革を担当する行政改革・規制改革担当大臣だった。
本論からは離れるが、片山義博鳥取県知事や石原慎太郎東京都知事は江藤隆美元運輸大臣や鈴木宗男衆議院議員と同様に高速道路
建設を激しく要求するしているが、江藤氏や鈴木氏と違って、決して新聞やテレビに「道路族」とは呼ばれない。これはただ単
に片山氏や石原氏が人気者であるからだ。人気者に悪口を言えば読者・視聴者の心情を損ねるかるから言わない。しかし、人気が
あまりない人ならば、聞き飽きるほど悪口を言う。これが現在の新聞・テレビの報道姿勢なのである。こんな新聞やテレビには
公正を謳(うた)う資格はない。
政治経済本質情報
http://member.nifty.ne.jp/nstn/teigen020.htm
★よく、地方にばかり公共投資の金が使われるうんぬん言われていますがそれもまやかし。大都市圏ほど地価が高いのだから使われる金も地方の比じゃないのだ。
★結局、国家の財政問題も、構造改革も自分達の利権のためにいいように使われているだけ。だまされるのはいつも善良な市民だけだ。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。