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「ガス室論」の周縁
http://www.asyura2.com/0311/dispute15/msg/1005.html
投稿者 如往 日時 2003 年 12 月 24 日 07:58:31:yYpAQC0AqSUqI
 

(回答先: Re: 「ガス室」関連の雑感 投稿者 サルでもわかる 日時 2003 年 12 月 24 日 01:15:33)


 サルでもわかるさん、はじめまして、こんにちは。また、横レスにて失礼します。
 以前よりこの問題には関心があり、件の木村愛二さんにも戦争板にて質問を投げかけてみたのですが、スレッドが大分下の方でしたので、おそらく看過ごされてしまったのではと暫らく放置しておきましたが、今般のたけ(tk)さんの投稿にも触発されてレスしたような訳です。


 そこで、木村氏訳の『偽イスラエル政治神話』(ロジェ・ガロディ著)を一読し、また山崎氏のサイト“対抗言論”における『木村愛二氏とのガス室論争』を踏まえてのことと前置きし、雑感のようなものを述べたいと考えます。
 先ず、木村氏はその真意を相手(論敵)に十分に伝えきっていないとの印象を懐きました。氏自身も『偽イスラエル政治神話』のはしがきの中で、ユダヤ人全体を批判するのが目的ではないと語っているように、強制収容所(木村氏によれば、集中収容所と直訳)に纏わる問題を策動の種として拡大し利用することによって、現在も尚世界を浸潤し続けている「政治的シオニスト」の排他的な在り様を明らかにし糾弾することこそが氏のアジェンダの核心部ではないでしょうか。けれども、その意図が論述に明快に反映されているかというと、必ずしも成功してはいないように見受けられます。
 もちろん、ディティールの多角的な検討により論点を明確にしていくことで、やがては思想や真理に迫真するといったアプローチもあります。しかし、それには膨大な時間とエネルギーを要するでしょうし、ときに徒労に終わることにもなりかねません。『木村愛二氏とのガス室論争』が、まさにそれでした。

 さて、ナチスによるユダヤ人収容所設立の当初の目的がユダヤ人の絶滅にあったかどうかは、私も疑念をもっていますが、戦争末期には収容所によってはその目的(機能)を変えていったことは想像に難しくないと考えています。しかし、第二次大戦中のヨーロッパ圏におけるユダヤ人の死者にうち、収容所関連での死者が伝えられる通りの約500万人のうち、チクロンガスや銃殺によって殺害された犠牲者の割合を算出することの困難さを禁じ得ません。もちろん、それを理由にナチスの犯罪性が不問にされるものではないでしょう。しかしまた、最初からユダヤ人撲滅の意図があったと断定することも大いに無理があると考えています。
 しかしながら、戦争末期の混乱状態を理由に、火急的な処理もやむを得なかったとする歴史修正主義者の言説は論外ですが、すべての行動をナチスが予め仕組んだものとする政治的シオニストの策謀に人々が乗ってしまうのも問題であると思っています。そのような大衆の意識状態について苛立ちを覚えながらも、木村氏の真骨頂はまさに鍛えられたロジックを以ってして警鐘を鳴らし続けることにあるのではと受けとめています。
 ただし、この上は、蛸壺論議に陥らないためにも、何方か収容所設立の主旨の所在と経緯、さらに変貌の時系列的検証の成果をご披露願えればと希望しています。

 ところで、なるほど木村氏は史実の見直し論者の意味ではリビジョニストかも知れません。しかし、氏は、他者非難の常套句でもある歴史修正主義者の意味でのリビジョニストではないと想われます。本来ならば私如き若輩者が語るを憚られるのですが、考察の視界は広く大きくも、また多少の頑固さが手伝うことがあったとしても、根っこところでは木村氏が決して標を変えてはいないとみているのですが、如何でしょう。

 最後に、この件に関連して想起された、(現在休眠中の)あっしら氏による過去の投稿を末尾に載せておきたいと考えますが、参考にしていただければ嬉しく思います。(あっしらさん、事後申請になりますが、ご承諾のほどよろしくお願いします。)

 また、会いましょう。


<以下転載>
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http://www.asyura.com/2003/dispute5/msg/187.html「ホロコースト600万人誇張説」について 投稿者 あっしら 日時 2002 年 11 月 20 日 16:42:55:

(回答先: Re: 「シオン長老の議定書」偽書説について 投稿者 SAKON 日時 2002 年 11 月 19 日 23:03:34)


SAKONさん、初めまして。
「シオンの長老の議定書」に関するフォローありがとうございます。

ナチスドイツの「ホロコースト問題」は、その真偽もしくは規模に関して触れることが国際的タブーになっていることが最大の問題だと考えています。

日本国内でも、天皇を悪し様に語ると右翼がわめくように、ホロコースト否定論を叫ぶと左翼が罵るという構造になっているようです。

そして、全くトンチンカンで根拠にも説明にもならない理屈で、ユダヤ人やホロコーストでひどい目にあったのだから、パレスチナにイスラエルを建国するのは当然だと考える人たちもいます。

民間人が論理に対して価値観でわめくのは致し方ないとしても、ドイツやフランスなどのように国家が歴史的論議を刑法罰で封印しようとしているのはとんでもないことです。

木村さんたちが頑張っても入手できる資料は限られていますから、旧連合国やドイツが、ホロコーストに関するあらゆる資料を公開し、それに基づいて厳密な検討が行われる必要があると考えています。

ナチスに責を帰そうとしても、ナチス政権が国民の支持の上に成立し、国家総力戦遂行のなかで起きた問題ですから、国家としてナチスドイツを継承しているドイツ国民が、自らの“罪”を問い直すというかたちでこの問題の解明に向けた扉を開くしかないと思っています。

木村さんのを含めていくつかの関連書籍を読みましたが、次のように考えています。

まず、ナチスドイツ時代に、ユダヤ教徒のみならずポーランド人そして反ナチス運動家さらにはドイツ国内の“身体障害者”が、迫害や殺人により、おそらく数十万人から百万人単位で死んでいったのではないかと推測しています。


● ナチスドイツの対ユダヤ人政策

ドイツ領域からユダヤ人を一掃しようという政策を持っていた。
それは、殺戮というかたちではなく追放というもので、マダガスカルなど欧州以外の地域を考えていた。

ナチス政権は既にパレスチナで入植活動をしていたユダヤ人勢力とも交渉し、金銭的対価でそこへの出国も現実に認められた。


● 強制収容所の目的

強制収容所は、ユダヤ人・共産主義者・反ナチス活動家などの不穏分子を隔離するとともに、総力戦体制で不足する労働力を補う目的で運営された。
(ナチスドイツは、労働力不足に陥っても、その価値観から、日本の戦時中とは違って女性を工場に動員することを先送りした)

アウシュビッツなどの強制収容所が、ユダヤ人の“最終処理”(殺戮)を企図してつくられ、運営されたものとは考えていない。

ドイツの敗戦時まで生き残った収容者は多数存在し、施設・輸送・管理要因・食糧など収容所のために投じられた物的人的資源を考えれば、それ以上の見返りを期待していないと考えるのは不合理である。

殺戮なら、もっとコストをかけないかたちで行うはずである。
(ゲットーに押し込めて“兵糧攻め”にする。それでは、周辺地域が不衛生になるというのなら、ポーランドの森林にでも連れていっての銃殺でもいいだろう)

強制収容所の付属施設で毒ガスによる大量殺戮が行われていたのなら、その事実は隠しおうせるものではなく、一縷の望みに賭けた“反乱”が起きていたはずである。


● 虐殺ないし意図的な殺人はあったか

重病や負傷などで労働力にならない収容者を殺すというような処置がとられていた可能性があると考えている。(食糧や治療などのコストが“ムダ”だと考えて)

そして、犯行者や脱走未遂者の処刑も行われていたと考えている。

また、ペストなどの伝染病が発病したとき、罹患の疑いがある集団をまとめて殺したこともあるかもしれない。(伝染病の拡大を、“ローコスト”で防止するため)

これは、日本軍でも行われたことだが、収容者を使った人体実験(毒ガスも含む)が行われていた可能性もある。

何にしろ、不穏分子を労働力としてのみ使おうという意図で収容していたのだから、食糧・衛生・保温など生活条件は劣悪であり、病死や衰弱死は多発したと思われる。

直接の死因が何であれ、ナチスドイツのいわれなき迫害が発端であることは間違いなく、米国の原発投下、米英の日本・ドイツに対する都市空襲・日本軍の暴虐と同じように強く非難される暴挙であると考えている。


● ホロコーストという呼び方

ナチスのユダヤ人迫害及び虐殺を“ホロコースト”と呼ぶことに疑念を感じている。
(戦後アメリカの誰かがこの言葉を使い始めたようである)

一般的には、ホロコーストを“民族大虐殺”の呼び名だと受け止めている。

しかし、セム系宗教に造詣が深い人であれば、ホロコーストを“人身御供(人の生け贄)”だと受け止めるはずである。

ヘブライ人やフェニキア人などが新年祭で行った全燔祭のことをホロコーストと言う。

新年祭では様々な生け贄が供犠所で捧げられたが、最大の生け贄が人間だった。
「初子」や子供、そして、数日間統治者と同じような豪奢な生活を一時的にさせてもらった奴隷が統治者の身代わりとして犠牲になった。

全燔祭(ホロコースト)は、共同体=国家に降りかかった災厄の除去を願ったり、共同体や個人が犯した過ちの贖罪としてであり、さらには、共同体の今年の隆盛を祈願するものだったと言われている。

ナチスによるユダヤ教徒迫害をホロコースト(全燔祭)と呼んだ人が、このようなことを知らないはずはない。
ナチスのユダヤ人虐殺を、なぜユダヤ人にとっても神聖なホロコースト(全燔祭)と名付けたのかという疑念を持っている。

ナチスに虐殺された人々は、なにかの贖罪や祈願のための犠牲だったのだろうか。

(ナチスドイツが、薪であり炎であったり、捧げる主体でもあったかもしれないが、「ホロコースト」の名付け親ではないことは確かである)


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