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<強制執行妨害事件>安田弁護士に無罪判決 東京地裁
経営難に陥った不動産会社の資産計約2億円を隠したとして強制執行妨害罪に問われた、オウム真理教(アーレフに改称)の松本智津夫(麻原彰晃)被告(48)の主任弁護人、安田好弘被告(56)に対し、東京地裁は24日、無罪(求刑・懲役2年)を言い渡した。川口政明裁判長は、安田弁護士が不動産会社にアドバイスしたテナント料の確保策について「実体のある構想だった」と違法性はなかったと判断。同弁護士の共謀を示す従業員らの検察側調書について「検察官による強引な誘導があった。アンフェアな捜査だった」と信用性を全面的に否定した。検察側は控訴の方針。
判決は二つの起訴事実のうち1件について「別会社はダミー会社ではなく、被告のアドバイスは実体がある会社再建策だった」と判断した。もう1件については「従業員らがテナント料を横領するために行ったもので、強制執行妨害罪には当たらない」と指摘した。そのうえで「従業員は横領を何ら追及されず、一種の司法取引のような形で、捜査機関に迎合する供述をした」と述べた。
安田弁護士は第二東京弁護士会所属。死刑廃止運動の中心メンバーとして知られ、松本被告の主任弁護人を務めているが、98年の逮捕以降は松本公判の実際の弁護活動からは外れていた。
起訴事実によると、安田弁護士は顧問だった不動産会社「スンーズコーポレーション東京リミテッド」(東京都目黒区)の孫忠利(スンチョンリ)社長(68)=有罪判決を受け上告中=らと共謀、93年3月〜96年9月、ス社が所有する賃貸ビル2棟のテナントに対し、賃貸人が代わったと装って賃料をダミー会社2社に振り込ませ、計約2億円を隠したとされた。【渡辺暖】
笠間治雄・東京地検次席検事の話 予想外の判決であり、到底承服しがたいので上級庁とも協議の上、控訴する方針である。(毎日新聞)