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イラク戦争がはじまったときに恐らく多くの方々はオイルショックを危惧したのではないかと思いますが、今のところは原油価格は上昇してもオイルショックのような事態にはなる兆しは見られません。もちろんオイルショックとなる可能性が否定できませんが。
このようなオイルショックになりにくい状況の背景には、カスピ海油田をはじめとして、世界各地で多くの油田が発見されていることも大きいのではないかとも思われます。確かにアフリカのギニア湾の埋蔵量も大きいようですし、渤海湾沿岸や場合によっては日本近海においてもかなりの埋蔵の可能性があるようです。それを見れば10年単位では石油供給は心配ないかのように見えてきます。
しかしここで考えねばならないことが2点ほどあります。
1)原油のコストは採掘と運搬のコストです。新しい油田が見つかっても、それを運搬できる
状態にするには多大なる資金が必要。特に内陸の油田であるカスピ海油田や中国の大慶
などでは必要なパイプラインの長さが何千キロ単位なので原油のコストが高い。
湾岸産油国東の場合に有利なのは、油田のほとんどは積出港から近いので運搬コスト
が安く、また設備の多くも減価償却できているので最終的に安価になるのです。
新しい原油は割高なのです。
2)確かに石油の埋蔵が保証されていたとしても、石油を使用することによって起される
環境破壊の被害は深刻です。ですから長期的に見れば石油依存度を減少させるべきです。
そのためには風力や太陽發電などの自然エネルギーの活用が望ましい。
今の日本を見ていると、石油メジャーの報復を恐れてか、風力や太陽發電などの自然エネルギーの活用について真剣に検討されているようには見えません。しかし石油の使用を続ければその環境への被害は深刻です。日本でも民間では自然エネルギーの活用による発電においては優れた技術をもっているようですが、やはり電力行政と絡む部分もあるので政策として自然エネルギーを利用した発電技術を推進するべきであると思います。そうなれば石油供給を獲得するための国家間の争いに関わらなければならない重要度は減ります。そして現在のように大きな発電所が広域をカバーする発電ではなく、風力や太陽發電の各世帯での自家発電をベースとして不足分を発電所がカバーするのであれば、環境汚染も減りますが同時に災害時などの発電設備の損害のリスクを分散できるので復旧もはやいことでしょう。