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拝啓 小泉首相殿 21 愚や愚や汝を如何せん
いよいよ、重装備の日本自衛隊のイラクへの派遣が日程に上りだしました。
日本国民の意見など聞こうともせず,ひたすらブッシュ大統領の顔色をうかがう自
主性のない小泉首相の思慮分別のなさが,優れた2人の外交官の命を奪い,さらにこ
の自衛隊派遣が実現した暁には、その引き起こす悲劇は,日本の社会をきっと震撼さ
せることでしょう。それに,この派兵の費用も馬鹿になりません。
04年度防衛予算の財務省原案では、自衛隊のイラク派遣費用135億円が盛り込
まれ、今年度分の242億円と合わせ、イラクへの派遣費用は総額377億円に上る
そうですね。イラク南部のサマワに派遣される陸上自衛隊の宿営地が約800メート
ル四方の広さで厳重な警戒態勢が取られ、浄水・給水や医療の復興支援活動もテロを
警戒して慎重に進める計画ともいわれています。これが大騒ぎするほどの人道的復興
支援なのでしょうか。
いったいこのイラクへの戦争は何が原因なのですか。日本がこれほどのめりこむ必
要があるのでしょうか。イラクが日本にとってどんな敵対行為をとったというのでしょ
うか。イラク戦争の最大の目玉っだった大量破壊兵器はついに見つかりませんでした。
イラクの大量破壊兵器の捜索を指揮しているデビッド・ケイ米中央情局(CIA)特
別顧問が辞任の意向を持っているというではありませんか。つまり、大義が何もない
のです。
小泉さんは19日、首相官邸でニッポン放送のラジオ番組を収録した際。この1年
を漢字で表すと「重圧」だと、おっしゃったそうですね。国民にとっては,精神的に
も経済的にも物凄い重圧です。これから自衛隊員の安否を思うと、毎日が,針の山で
す。
また万一,現地で戦闘になった際,イラク人やアラブ人を殺傷させれば、あなたは
いつの日か,A級戦犯として裁かれるでしょうが,中東との関係史の中で,日本がア
メリカの占領軍の傭兵としてアラブの土地を軍靴で踏みにじったという史実は消すわ
けには参りません。
すでに,日本を敬愛していたイラクやアラブ諸国では[卑怯極まりなき日本」とい
う声まであがっていると聞きます。
とにかく、自衛隊派遣には,われわれの生活にも大きな影響を与える膨大な血税が砂
漠の中に吸い込まれていくことでしょう。一説では,自衛隊の重装備,1日3万円の
手当て,一億円の弔慰金、等々を合計したら,1年に1兆円もかかるとのことです。
正に,愚挙の中でもこれ以上の愚挙などあるでしょうか。
愚という言葉から,この一週間ぐらいの間,心に去来するのは次の故事です。
「愚(小泉さん)や,愚や汝を如何せん。」
もっともこの物語の愚は虞美人草の虞の字で、本来慮る(おもんばかる)という意
味で,戦時中か,戦後間もなく読んだ三国史の中の有名な故事からきています。
漢の高祖劉邦が項羽を攻め、項羽は楚の軍勢に囲まれて、四面楚歌に陥る。しばし
の慰めに寵愛する虞美人に舞を踊らせ、そのあと、「虞や虞や汝を如何にせん」と嘆
いたといわれ、周囲の武人もみんな涙を流したといいます。虞美人はこの後、自決し
たとも、項羽が一刀のもとに切ったそうです。(「虞美人草」はひなげしのことです
。)
小生にとっては、愚人の関白太政大臣がどんな結末を迎えるかなどあまり関心はあ
りません。それよりも「大義なきイラク戦争」を引き起こした超大国の大統領のご機
嫌を取結ぶために,派兵されて戦場に送り込まれたり,重税を科せられ,かってはア
ラブ諸国民から[まだ見ぬフィアンセ」とまで、敬愛された日本人の将来のことがずっ
と気になります。親日的感情の沁みとおった肥沃なアラブ中東の大地が日本憎しの国
土となってしまうことが無念でなりません
今月の3日,貴方は,[イラクの生の声」をきくためとイラク民主化運動の指導者
アブドルアミール・リカービ氏とあったと新聞報道されたが,反米,反自衛隊派遣の
リカービ氏はこれは官邸の[地ならし」演出に利用されたと怒り,4日に予定された
川口外相との会談もキャンセルされたと知りました。貴方は,自分の都合の悪いこと
はみな耳栓をしているようですね。
今読んだニュースでは、京都の9つの中学校が「テロが心配」で 来春の東京ディ
ズニーランドや国会議事堂などを訪れる予定だった2泊3日の東京修学旅行をやめた
と決めたそうですね。可哀想に、中学校の修学旅行は一生の思い出となる大切な記念
行事なのに。自衛隊が出発する前からこんな調子では,これから国民の受ける被害や
苦しみは果てしなく拡大していくでしょう。戦時中の国家総動員体制を経験している
小生には、[一億一心」[欲しがリません。勝つまでは」などという小泉ラッパが段々
と鳴り響いていくような気がしてなりません。
これはどう見ても,小泉さんは[藪枯(やぶからし)」というブッシュ病にとりつ
かれ、日本を丸ごとブッシュ政権に捧げて自衛隊派遣まで実現してしまうという日本
の国土を枯らしてしまう一大事です。
実は先月、11月21日,若い友人の神田陽司さんが真打ちになり,その披露講演
が国立演芸場で開かれたので,久しぶりに寄席を楽しみました。陽司師匠の創作講談
『坂本竜馬』は、幕末明るい日本への展望を開かんと西郷,桂に直談判する竜馬の熱
血の弁を演じ,講談界にもこうした気骨のある人材が台頭していることを嬉しく思い
ました。
このとき演じられた神田紅さんの『真説桃太郎』は芥川龍之介の原作が下敷きになっ
たものでした。平和で愉快で豊かに暮らしていた鬼たちの島を襲撃した桃太郎は,島
の鬼たちを殺し,金銀財宝を土産として持ち帰ると言う物語で興味深々たるものでし
たが,筆者は、ブッシュ桃太郎が分捕り品を,その家来の犬,猿,雉子に分けあたえ
たのか、わかなかったのか気掛かりになりました。そこは名うてのネオコンの営業部
政権です。犬、猿、雉子はお役目が終わったとして,大きな鍋に入れられて桃太郎に
食べられてしまったのではなかと気になりました。桃太郎は「このポチの肉はひとき
わうまいよ。ちょっぴりライオンの味もしたよ」舌舐めずりしたに違いありません。
ブッシュ政権は,最初イラクはアルカイーダとグルだと言い張り,そのウソが国際
的にばれると今度は大量破壊兵器を持つ危険な国家と烙印を押し,先制攻撃と称して
イラクに大量のクラスター爆弾などを投下,地球の寿命ほど放射能を出し続ける劣化
ウランを惜しみなく注ぎ込み,無辜の人々を殺傷し、焦土と化したイラクをマッチポ
ンプ式に[人道的復興」というふれこみで荒稼ぎをしようとしています。こんな非人
道的所行こそ,国際法廷で裁かれるべきではないだろうか。
そんな「世界一危険なバカ」な大統領『ブッシュ妄言録』(ペンギン書房)を崇拝
しているのが日本の首相であることが無性に腹が立ってなりません。それに,仄聞す
るところでは,ブッシュ大統領は小泉首相を小馬鹿にした言葉で呼び,発展途上国以
下の元首としか扱っていないそうですね。小泉さんはブッシュ政権に忠誠をつくして
おけば、イラクの復興ビジネスにありつけると皮算用しているのでしょうが,どっこ
いハリバートンとかベクテルといったネオコン企業はそんな甘いものではありません。
復興事業には仏独ロでも参加させないと公言しているアメリカが日本にうまい汁を吸
わせる訳がありません。自衛隊派兵で日本をアラブ中東の憎まれものにしたてるのに
成功したアメリカが、イラクの石油を独占すれば,中東からエネルギーの90%を輸
入している日本経済は、アメリカの価格操作によってますますアメリカに跪ずかざる
をえません。
小泉さん,アメリカ優先の政治から,日本国民の平和,生活を中心にした政治に切
り替えないと来年はそれこそ[重圧」を感じたなどという生易しい感想ではすまなく
なりますよ。
あの戦争末期の頃,毎年冬になると、いつもまっ先に思い浮かべたのは,
「冬来りなば,春遠からじ」
と言うシェリーの詩の一節でした。まだ16,7才の頃でした。
(転送大歓迎)
阿部政雄
[日本アラブ通信」編集長
日本ペンクラブ国際委員
http://www1.jca.apc.org/aml/200312/37123.html