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大館市出身で、日本のプロレタリア文学を代表する作家小林多喜二(1903―33年)の「生誕100年・没後70周年記念シンポジウム」が30日、東京・築地の浜離宮朝日ホールで開かれた。講演やパネルディスカッションを通して、多喜二の人間性や文学観に理解を深めた。
シンポジウムは多喜二の生誕100年と、白樺文学館多喜二ライブラリーが7月に東京・麻布十番に開設されたのを記念し、同ライブラリーが主催。中国、韓国、アメリカの研究者を含む約350人が出席した。
劇団前進座の女優今村文美さんが「麻布の道は、風雪の生涯の 最後の十カ月 小林多喜二が いのちがけで 上り下りした坂道だ」で終わる土井大助さんの詩「麻布の坂道」を朗読。北大名誉教授で市立小樽文学館の亀井秀雄館長が「大熊信行がとらえた多喜二と伊藤整」、文芸評論家の宮本阿伎さんが「多喜二が描いた新しい女性像」と題して講演した。
その後、近代日本文学館常務理事で早大名誉教授の紅野敏郎さん、浜林正夫一橋大名誉教授、松澤信祐文教大教授、伊豆利彦横浜市立大名誉教授の4人が基調講演。紅野さんは「志賀直哉と小林多喜二の接点」と題し、直哉が多喜二と多喜二の母にあてた書簡などを紹介した。浜林さんは「多喜二は『悠長なプロレタリア作品を書きたい』と言っていた。大局的な視野に立ち、日本社会の変革を考える文学を目指したのだろう」などと述べた。[2003/12/01 08:39]
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