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日本「平和憲法」の危機 人民日報記者・孫東民
日本の総選挙後、憲法問題を論じる声が高まってきた。日本の各新聞は「護憲勢力が凋落」、「新議員に改憲志向が顕著」などの見出しで平和憲法の危機を報じている。
現行の日本憲法は、主権在民、平和主義、基本的人権の尊重を基調としているが、中でも最も有名なのが第9条だ。改憲と護憲の争いは詰まるところ、第9条の争いといえる。
護憲派は「現行憲法は国連憲章の理念に合致し、過去への反省や二度と誤りを犯さないとの決心から生まれたものだ」、「憲法に盛り込まれた平和に生活する権利の主張は、次世代への最も大切な財産だ」と主張している。
改憲派は、現行憲法は国家主権が制限されていた占領下の戦勝国の強制によるもので、第9条は「主権国家が当然保有すべき緊急事態に対処する権限」の障害となり、国際社会の一員として日本が「義務を担う」ことを妨げてきたと見ている。
改憲派の後押しにより、日本の国会に2001年1月、憲法の「広範かつ総合的な調査」を目的とする「憲法調査会」が設置された。自民党は2005年の建党50周年に合わせて憲法草案をまとめ国民的議論を展開するとの計画を立てている。自民党の改憲に対し、野党第一党の民主党は創造的改憲である「創憲」を打ち出し、公明党は第9条を守りながらも、時代にふさわしくない部分や不足している部分だけを修正する「加憲」を提案している。
客観的に言って、日本国民の憲法に対する認識は、数年前と比較して変化し、世論調査でも改憲への賛成が護憲を上回るようになってきた。
改憲の流れの伏流にあるのは、日本の「新民族主義」の台頭だ。経済の低迷により、「経済大国日本」のイメージは損なわれ、多くの人々が改憲により出口を求めるようになった。朝鮮の核問題、日本人拉致問題が日本の国会を刺激し、改憲に向かわせる誘因となったとの見方もある。
とはいえ、大多数の日本国民はなお基本的に憲法擁護の考え方だ。憲法改正を主張する人たちの中でも、第9条は守るべきだとの考え方がいまなお主流となっている。制度から言えば、憲法改正には国会議員の三分の二以上の賛成と半数以上の国民の承認が必要だ。現在の自民党と公明党の連立政権では、平和を主張し戦争に反対する公明党が改憲を主張しながらも第9条の改正には反対している。このため、両党とも改憲を主張しているとはいえ、具体的な改憲案で一致するのは難しいと見られる。
21世紀はどこへ向かうのか。日本人はまさに新たな選択に直面している。ある研究者は「憲法第9条は『偉大な平和の構想』だ。憲法改正で日本に平穏がもたらされるとは限らない。善隣友好こそが最大の平和への保障だ」と指摘している。(編集SO)
「人民網日本語版」2003年11月14日
http://j.people.ne.jp/2003/11/14/jp20031114_34080.html