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深海にCO2貯留、海上技術安全研究所など3カ国共同で成功 (日本工業新聞 2003/11/10)
http://www.jij.co.jp/news/etc/art-20031109200749-WLRAGIVSQR.nwc
地球温暖化を引き起こす大気中の二酸化炭素(CO2)を回収し、自然の生態系に影響が出ない水深4000メートル前後の海域に封じ込めてしまう深海貯留と呼ぶ実験に、独立行政法人・海上技術安全研究所(理事長・中西堯二氏)などの研究グループが世界で初めて成功した。液化したCO2が深海中で安定的に貯留できることを確認。2004年度末まで同様の実験を繰り返し、実用化に向けたデータの収集作業を進めていく。
実験は、同研究所と米モンテレー湾海洋研究所(MBARI)、ノルウェーのベルゲン大学による3カ国の研究機関が共同で、米カリフォルニア州沖を舞台に10月24日から5日間の日程で実施した。MBARI所有の深海探査艇を使い、耐圧容器に封入した液化CO2をこれまでの実験で最も深い水深3942メートル地点の海底まで運び、あらかじめ設置しておいた別のコップ状の透明容器などに合計100リットル分を注ぎ込んだ。
この深度だと海流などの影響もなく、液化CO2が周囲の海水に比べて重くなる性質を持つことから、容器にフタをしない状態のままでも安定的に貯留しておけることが外見から確認できた。さらにPH(酸アルカリ度)センサーなどを使ってCO2が周囲の海水に溶け込んでいく速度などを測定し、解析用のデータを収集した。
温暖化対策で地表のCO2を地底のガス田や海洋中に隔離する技術の開発が各国で進められている。このうち海洋隔離には今回の「貯留法」とCO2を薄めて広範囲に溶かす「溶解法」の2つがある。貯留法は、低温・高圧下でCO2分子が水の分子に囲まれてシャーベット状の物質(ハイドレート)に変化するため、海水への溶解が逆に阻害され、隔離可能な貯留期間も2000年以上と非常に長い。しかも万一の際にはくみ上げて現場を原状回復することも可能だ。
一連の研究成果は、世界気象機関(WMO)や国連環境計画(UNEP)を中心に設立された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の特別報告書などにも反映。05年度以降は規模を拡大した実験の実施を目指す考えだ。