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http://www.medical-tribune.co.jp/mtbackno6/3614/14hp/M3614283.htm
[2003年4月3日 (VOL.36 NO.14) p.28]
4歳半超える小児の証言は信頼性高い
〔ニューヨーク〕 コーネル大学(ニューヨーク)のMatthew H. Scullin博士らは,幼稚園児の証言の信頼性を調べる検査を評価し,Journal of Experimental Psychology(2002; 8: 233-246)に発表した。
目撃者証言の信頼性は低下
長い間,米国の刑事事件裁判においては,目撃者の証言が重要であった。しかし,DNA鑑定の採用が増え,それに基づく釈放も増えており,従来通りの警察での面通し(並んだ数人のなかから目撃者が容疑者を指摘する)の信頼性は低下している。
近年,最も注目されたのは,目撃者の証言をもとにニューヨークのセントラルパークをジョギング中の女性に対する強姦罪で10年以上前に有罪となり,収監されたティーンエージャー 5 人が,DNA鑑定と真犯人の自白により無実となった事件である。米国では,DNA鑑定の利用に伴って,目撃者証言により犯人とされたにもかかわらず,非常に多くの既決囚が釈放されている。
しかし,幼稚園経営者が園児の証言により,種々の異常行為で有罪になった事件がある。最近では,司祭による小児への性的虐待が報告された。このような事件や報告は常に信頼がおけるものだろうか。暗示にかかりやすい者に対して,犯していない罪を認めさせるような警察の尋問の仕方にも批判がある。
以上のようなことが,特に犯罪目撃者の記憶想起の被暗示性や信頼性を研究し,弁論術に興味を持つ精神医学者や心理学者にある種の反動を招いている。
小児の傾向を事前に把握
Scullin博士らによると,幼稚園児の被暗示性に関する検査を評価し,その小児が事実と異なる話をする傾向があるかどうかを事前に明らかにすることにより,幼児虐待や育児放棄などの裁判事件に用いる際の信頼性を確認できたという。
同博士らは小児(50例)を 4 歳半以下(25例),4 歳半を超える年齢(25例)の 2 群に分けたが,これは多くの小児が 4 歳前後になると他人が自分とは違う考えを持っていることを理解し始め,そのことが誘導尋問で他人が自分を操作しようとするかもしれないことを理解する助けとなるためである。
今回の研究で同博士らは,2001年に自身が発表した小児のビデオ被暗示性尺度(VSSC)の改訂版を評価。その結果,小児により被暗示性に差があることを見出したが,一般に 4 歳半超では信頼性が高く,4 歳半以下に比べて,暗示にかかることが少なかった。
同博士らは「さらに,より年齢の高い小児や成人に対する被暗示性検査を検討することにしている」と述べた。