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漢文、胡蘭成全集全九巻、台湾より到着。
http://www.pavc.ne.jp/~ryu/
更新 平成15年10月14日09時14分
太田龍の時事寸評
平成十五年(二〇〇三年)十月十三日(月)
(第七百二十九回)
○胡蘭成思想については、逐次、研究をすすめつつあるが、次の問題は、
台湾及び中共大陸に於て、胡先生逝去(一九八一年)後の二十年余を
経て、果して、その思想的影響力は続いて居るのかどうか、と言うところ
である。
○しかるところ、縁あって、九月、台湾の胡蘭成門下のお方より、
一九九〇〜一九九一年に、台湾で出版された、漢文、胡蘭成全集全九巻
を頂く。
○この九巻本全集は、上梓後十二年、今は在庫切れ、となって居り、再販の
見込みは今の所なさそうである。
○しかしそれにしても、胡先生、生存中、一九七〇年代に台湾で出版された、
六冊の漢文著作、そして、一九九〇〜一九九一年に出版された全集、
これらの著作は、過去三十年近い間に、台湾の知識人、読書人に、或る
程度、浸透して居るように想定される。
○胡蘭成思想についてのこの台湾の状況は、殆んど完全に忘れ去られて
しまって居る日本の現状とは違う。
○第二次世界大戦末期、上海で、ごく短い時期、胡蘭成と婚姻関係にあった、
少女時代から天才の名をほしいままにした作家、張愛玲は、既に一九六〇年
代頃から、台湾人の間に良く読まれて居る。
○張愛玲女史は、台湾でも中共大陸に於ても二十世紀中国最大の作家、として
評価されて居る、と聞く。
○胡蘭成は、日本敗戦後地下に潜行し一九五〇年、日本に亡命した。
○そしてその際、張愛玲とは離別して居る。
○張愛玲は米国に亡命した。
○しかしその後もずっと、日本亡命中の胡蘭成は、米国の張愛玲と文通して
居り、その意味で交流は切れて居なかった。
○中共は今なお中国を一党独裁下に置いて居るが、しかし、事実上、中国共産
主義と言うイデオロギーは死んで居る。
○共産主義イデオロギーが死亡して居る以上、中国共産党の今日の政権には、
いかなる意味でも、正統性は存在しない。
○胡蘭成思想のみが、中国の次の正統な論理と制度を生み出し得る宝として、
出番を待って居る。
○否、単に事は中国の運命に限られはしない。
○今後、胡蘭成思想の、復活、継承、発展に向けて、日本、台湾、中国大陸、
そして更にはインドを含む全アジアへ、そして全世界へと、その影響を
広めて行こう。
●[注]
○なお、胡蘭成著「心経随喜」への、保田與重郎の序文。
「自然学」への岡潔の序文。
「建国新書」への保田與重郎の序文。
「天と人との際」への保田與重郎の薦辞。
これらはすべて、必読の、格調高い文章である。
…中華・東洋の思想にはいまいち知識不足であるため、細かい注釈をつけることはできません。
しかしながら、近代的発想の代替となりうるものとして、心にだけはとめておこうと思いま
す。