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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030929-00000006-yom-soci
旧日本軍が終戦時に中国に遺棄した毒ガス兵器や砲弾で被害を受けたとして、中国人被害者と遺族計13人が日本政府を相手取り、計約2億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、東京地裁であった。
片山良広裁判長は、「遺棄された毒ガス兵器による被害を防止する措置を日本政府が怠った不作為は、違法な公権力の行使に当たる」と述べ、13人全員に慰謝料計約1億9000万円を支払うよう、日本政府に命じた。
今年5月には、別の中国人被害者5人が起こした同様の訴訟で、東京地裁の別の裁判部が「主権が及ばない中国では、日本政府が被害発生を回避することは出来なかった」として原告側敗訴を言い渡し、原告側が控訴している。同じ東京地裁で正反対の結論が出る形になった。
今回、訴えていたのは、孫景霞さん(67)ら黒竜江省や河北省に住む中国人13人。
判決によると、1974―95年までの間に、しゅんせつ工事や下水道の敷設工事などの最中、旧日本軍の埋めた毒ガス兵器や砲弾の爆発によって、本人や親族が重い傷害を負った。
片山裁判長はまず、「毒ガス兵器の遺棄は旧日本軍が戦争に付随して組織的に行った行為」と指摘。「遺棄された地域では、住民らの生命に差し迫った危険があり、国は旧日本軍関係者から事情聴取すれば、危険を予見できた」とし、国の予見可能性を認定した。
その上で、「毒ガス兵器の配備状況などの情報を中国政府に提供していれば、遺棄兵器が早期に発見され、安全に処理されていた可能性がある」と述べ、日本政府には被害発生を回避する可能性があったとした。
旧日本軍の遺棄兵器を巡っては、日本政府はこれまでに計3万6000個の毒ガス兵器や砲弾を中国国内で回収した。しかし、今も推定約70万個の兵器が埋まったままで、中国側によると、これまでに約2000人の被害者が出ているという。
一方、民法では、不法行為があった時点から20年が経過すると損害賠償請求権が消滅する「除斥期間」の規定があり、国はこれを主張して請求棄却を求めていた。しかし、判決は、中国人の出入国に関する中国側の法律により、原告の一部は事故発生から長期間、中国から出国できず、訴訟を起こせなかったと指摘。こうした事情がある場合、除斥期間の適用を制限することが妥当と判断した。(読売新聞)
[9月29日15時44分更新]