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(回答先: 市民殺傷は嫌と空爆拒否 イスラエル軍パイロット 投稿者 兵役拒否 日時 2003 年 9 月 25 日 10:13:46)
私はこのニュースは本当に画期的だと思います。大衆の側に戦争に参加する理由などないからです。なぜ恨みも何もない人間を戦場(いや戦場外でも)で殺さなければならないのか?人間として最も根元的な疑問です。みんなが一部の人間の利益のために人殺しをするのはもうやめよう、といって武器を捨ててしまえばいいのです。(理想ですが)この考え方で出撃を拒否した人々は本当の英雄ですが、彼らもまたイスラエル人であり、ユダヤ人です。
ちなみに小生の知人にもユダヤ人は幾人かいますが、シャロンを支持している人はいません。「全く支持しない」とか、「とんでもない人間だ」と言っています。
日本における一連のユダヤ批判を見て思うことは、「ユダヤ」という言葉が安易に用られている傾向があるなということです。これは反ユダヤ主義という逆批判を招き、「不当な一般化」という批判も免れないので、シオニストないしイスラエル政府(またはリクード)批判、ユダヤ金融資本批判ないしは米国・イスラエル軍産複合体批判とでもいえば、問題はないと思うのですが。なぜこんなことをいうかというと、「ユダヤ批判」の中には相当無責任で怪しげなものも散見されるからです。幸い阿修羅にはあまり見られません。(わたしもナチスによるユダヤ人虐殺の話には南京大虐殺と同様の誇張があったと見ています。)
ユダヤ人ほど信条的にも人種的にも多様性に富んでいる民族も珍しいでしょう。知的水準が高い(これもpolitical correctnessから言うとユダヤ差別と見なされる今日この頃ですが)のもはっきり言って事実ですが、これは遺伝的なもの以上に彼らのおかれた環境、即ち家庭においてはヘブライ文化を維持しながら、居住国の文化にも順応せざるを得ない必然的な文化的多様性から、物事を複眼的に見る習慣の賜と見ています。(言語ひとつとってもユダヤ人にはmulti-lingualが極端に多い)
したがって法律・金融など権力に近い分野に人口比率に比べ多くの人材を輩出しているため、結果的に米国政府・金融業界・メディアの中枢をユダヤ系が占めるに至っているのも現実です。ネオコンにユダヤ系が多いのも、この事情から来る必然で、ユダヤ系米人の団体がそれを認め批判している状況ですが、それでも「だからユダヤは」というと、偏見に基づいた言動と判断されてしまいます。難しいところです。でも600万と言われるユダヤ系米人の中でやはり大多数は庶民階級で、けっしてネオコンというわけではないでしょう。
ところで「だからユダヤは」と言われかねない話の一つに、ここ数年アジア・中南米で見られた通貨・経済危機で、ソロスらユダヤ系の投機家が果たした役割があります。この分野では明らかに国境を越えたユダヤ系同士の横の連絡(ロスチャイルドを見るまでもなく、親戚が世界中の金融センターにちらばっているケースは多いようです)による通貨や株・債券の売り浴びせなどの策謀があったと見られています。しかし資本主義の枠組みの中では彼らがやったことは全く合法的で非難させるべきことではないのです。アジアの人々(日本の現状についても同じことは言えるかもしれない)が営々と額に汗して働いた果実を、「金融」の美名の下に一気に収奪するこの悪逆非道!もっとひどかったのが9/11直前の航空会社株の先物取引(これはユダヤ系がやったかどうか証拠はありませんが、相当灰色です)だから私は資本主義には根本的に不道徳な面があるというのです。
したがって「ユダヤ」はと言いたくなる気持ちは重々理解できるのですが、この場合でも「一部ユダヤ系投資家の策謀」で、「ユダヤの策謀」とはいえないように思うのです。全世界のユダヤ人ないしユダヤ系の大多数は無関係だからです。だいたいロスチャイルドをはじめとするユダヤ系金融財閥がどれほど自分たちをユダヤ人としてidentifyしているか疑問です。実のところはユダヤにコネのある超特権階級と認識しているのでは?一般の英国人の認識でもほとんどただの特権的上流階級として見られています。帰化してから何百年もたつのですから無理もないでしょう。それに一律にユダヤといってしまうと大勢の無実のユダヤ人に迷惑をかけることになります。
いずれにせよ今回のイスラエル空軍パイロットの反乱は、「ユダヤ」と一律に論じることの危険を思い起こさせてくれます。