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北朝鮮が攻撃を受けた場合、中国に軍事面などの援助を義務づけた中朝友好協力相互援助条約の改正を求める意見が、中国側から公然と出始めた。国務院(政府)直属である中国社会科学院の世界経済・政治研究所が発行するオピニオン誌「世界経済と政治」9月号が、「条約の軍事同盟部分は削除すべきだ」とする論文を掲載した。
北朝鮮の核開発問題や米朝の緊張をうけ、中国は水面下で条約の見直しを議論しているが、政府に連なる研究機関がこうした意見を公開するのは異例だ。中国内部で同様な考え方が一定の広がりを持っている表れとみることもできる。
論文は、同研究所の沈驥如(シェン・ジー・ルー)国際戦略研究室主任が「東北アジアの安全を保つ当面の急務」と題して執筆した。
沈氏は、北朝鮮の核開発をめぐる米朝の主張の隔たりについて「膠着(こうちゃく)状態が続けば北朝鮮に核兵器開発の時間を与えることになる」と指摘。米朝対話と多国間協議を組み合わせ、北朝鮮に核開発放棄を迫る一方、米国が強硬論に傾かないよう説得すべきだとした。
そのうえで「中国政府は北朝鮮政府に、相互援助条約の改正を公に提起し、その中の軍事同盟の内容を削除すべきだ」と提言。理由として、(1)中国は新たな安全保障概念で軍事同盟の選択肢を捨てた(2)中国は、すでに北朝鮮の核開発に賛成しないと表明した。この問題で朝米間に戦争が起きても(北朝鮮への支援で)出兵するのは無理――と説明している。
さらに、条約の改正を働きかけることで「たとえ中朝が一致に至らなくても、条約の存在が北朝鮮に誤ったシグナルを与えることを避けられる」と分析。北朝鮮が条約に基づく中国の軍事支援をあてにして緊張を高めることを予防する効果もあるとの見方を示した。
中国政府は核問題を国連安保理の場で協議することについて「問題を複雑化させる」と消極的な姿勢だが、沈氏は「関係国の努力にかかわらず問題が解決できない場合、国連が解決にあたるのを阻止すべきではない」とし、経済制裁や武力による強制措置の可能性にも踏み込んで言及した。
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中朝友好協力相互援助条約 61年7月に中朝両国が北京で署名。第2条で「双方のいずれか一方に対する、いかなる国の侵略も防止する」と定め、一方の国が武力攻撃を受け戦争状態に陥った場合、もう一方の国は「直ちに全力をあげて軍事及びその他の援助を与える」と明記されている。条約は「双方が修正もしくは終結について合意しないかぎり有効である」とされ、改正は北朝鮮との合意が必要になる。
(09/24 08:13)
http://www.asahi.com/international/update/0924/002.html