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[TUP-Bulletin] TUP速報178号 03年9月24日 イラク戦争に「NO」を!
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9・11から2年――イラク情勢の泥沼化と、米国内の警察国家化につれ、ア
メリカのマスコミに真実を語る気概が戻りはじめています。TV・新聞・雑誌と
もに、歯に衣を着せぬブッシュ政権批判や、問題の本質を掘り下げた報道が増え
てきましたが、独立系メディアではなく大手紙のコラムニストがはっきり「レジ
スタンス運動」を呼びかけるのは、この記事が最初かもしれません。
(星川 淳/TUPメンバー)
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イラク戦争に「NO」を!
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by ジェームズ・キャロル
9月16日、米ボストングローブ紙
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ファルージャで米軍と協力していたイラク人警察官10名が米軍によって殺害
された惨事は、われわれに事態の根本的見直しを迫る。戦争に混乱はつきものだ
が、アリストテレスが「破局」(catastrophe)という言葉で意味したとおり、
ときおり物事の本質を明らかにするような出来事が起こるものだ。イラク復興に
もっとも必要な10名もの人材が米軍の手で殺される――これは悲劇とはいえ
“事故”でも“脱線”でもない。味方や罪なき一般市民の殺害は、現在のアメリ
カによる占領では日常茶飯事なのである。
米兵が警官たちを故意に殺したかどうかは要点ではない。アメリカは善意で行
なう卑劣行為を正当化するが、道義は目的より結果によって測られることが多い。
“無実”の米兵などいないのだ。しかし、いまイラクにいる米軍兵士たちは一人
残らず人質に取られている。ただし、テロリストによってではなく、米国の伝統
も、国際的合意も、軍事司令官が兵士に負う聖なる信頼も踏みにじった、ブッシュ
政権内の小グループによって――。過小な部隊規模、貧弱な計画、不十分な国際
支援など、この作戦の細かい失敗でブッシュ政権の責任を追及する人びとは、イ
ラクの侵略や占領に“正しい”やり方などありはしないという点を見逃している。
イラクはイラク人のものなのだ。
イラク政策に関するブッシュ政権の腐敗は、米国全体を蝕(むしば)んでいる。
暴走には虚偽が欠かせないため、ワシントンにおけるウソの横行はベトナム戦争
以来である。司法省は弾圧機関と化し、2004年の大統領選を前に、アメリカ
人は巨大な虚脱感に覆われている。
こうした状況下では、何をすべきかが変わってくる。いまわれわれに必要なの
は、政治的駆け引きではなく抵抗(レジスタンス)だ。現在のアメリカが、19
40年代のヒットラーや、1960年代のベトナム戦争、1980年代のソ連に
対して幅広い抵抗運動が湧き起こった状態に近いことは、ほとんど自明だろう。
以下に、レジスタンスの中身を挙げてみる。
●ブッシュの対抗馬を狙う民主党候補から希望が遠のく。つまり、おそるおそる
戦争反対を装いながら、イラクにおけるアメリカの軍事的プレゼンスを支持する
ような候補は、体のいいブッシュの協力者にすぎない。
●「米軍支持」の意味が変わる。軍の士気低下を怖れて批判を慎むかわりに、米
兵が不必要かつ不道徳な戦争に駆り出されたことを明確に訴え、イラクからの撤
兵を求めよう。
●政治論争の核心は経済になる。ブッシュが求めた870億ドルを含め、イラク
占領費の支出は阻止すべきだ。軍事費全体を削減しなければならない。
●愛国心は肯定ではなく否定の形で表わされるようになる。ブッシュ政権はアメ
リカ人の太っ腹な愛国精神に悪乗りして、犯罪的外交政策を推進した。ブッシュ
は若い米兵たちをイラクへ拉致したばかりか、星条旗まで乗っ取った。それを取
り戻すには、とりあえず旗をおろすことだ。
●ウソにだまされないこと。アメリカ大統領たるもの、本質をごまかしたまま、
前代未聞の軍事的暴走を行なうことなど許されない。ブッシュの破廉恥なごまか
しは、アメリカ企業の自己欺瞞を奨励してしまう。
●致命的危険が明らかになる。ブッシュの政策は、世界中の自爆テロ犯を活気づ
けると同時に、次世代の核拡散を促進している。自殺覚悟の狂信主義者が核兵器
を手にすることこそ、人類史上最大の危険だろう。そうなれば、ブッシュ自身が
究極の自爆テロ犯である。
以上がレジスタンス運動の根拠で、アメリカ国民はいま「NO!」を原動力に
すべき時期を迎えた。これには二つの効果がある。ソ連崩壊のときのように、政
治的変革をもたらし、民主党大統領候補でさえ、外野から小さな修正を口にする
のではなく、大がかりな政策変更を求めざるをえなくなることが一つ。もう一つ
は、抵抗運動が人間らしい生活と両立すること。社会に不正がはびこる時代には、
それこそが唯一の人間的な生き方といえる。
ファルージャの惨事は、こうした認識を生み出す可能性がある。しかし、アリ
ストテレスが教えたとおり、「破局」は逆転の機会だ。ブッシュの戦争を逆転し
て、自己崩壊に追い込むときが来た。
(抄訳:星川 淳/TUPメンバー)
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