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●こうした現象は日本でも続いてきたように思います。
自分の子供時代を振り返ってみると、少年週刊誌の草創期であった1960年代の初め、表紙には巨人軍の長島選手が載り、人気漫画は「零戦隼人」とか「紫電改の鷹」などという少年航空兵物語でした。(この頃はまだ私も少年雑誌を読んでいなかった。)
ほどなく、表紙は「トンキン湾海戦」や「ジェット機によるベトナム爆撃」のわくわくするような(小松崎茂さんなど、当時一世を風靡していた日本画出身の画家たちによる)イラストに取って代わり、米軍戦闘機のプラモデルなどが懸賞の商品になりました。その頃になるとGIジョー人形が雑誌メディアの宣伝で大ブームになり、60年代の終わりには『ボーイズライフ』などに載っていた米軍戦闘機のコックピット写真を真似て、ボール紙でジオラマをつくり、友だちの家でGIジョーで遊んだことを覚えています。(私はそういう玩具は持っていなかったが、軍装品をかぎりなく拡張していけるGIジョー人形は少年たちの憧れの的でしたね。)
子どもたちの“アメリカ熱”は、私の実感では、アポロ計画の終了でいったん終わったような感じがします。全長1メートルを超えるマテル社のサターンロケットのプラモデルで、アメリカン・テクノロジーへの憧憬は“完了”したような感じです。(これも憧れの的だったが、子どもが買えるプラモデルの範囲を越えていた……。
米国自身も70年代初頭にウォーターゲイト事件が起き、ヴェトナム戦争で軍事的にも社会的にも壊滅的な混乱がつづき、70年代を象徴する「文化」といえば結局「ホテル・カリフォルニア」と「サタデーナイトフィーバー」ばかりという頽廃ぶり。しかも日本ではロッキード事件で対米関係の“地獄”を見せられることになり、すっかりアメリカ礼賛は消えてしまいました。
ところが80年代に入る頃に、日米の“総合安保”体制づくりを多面的に進めるという目論見で、アメリカ文化の積極的な売り込みが始まりました。そして文化交流面でのトライラテラル委員会的な工作機関も誕生し(詳細は忘れてしまいましたが出版社として小学館が参加していたことは覚えています)、CNNがテレビ朝日に接近してほとんど無料でCNNニュースの放映権を与えたり、そのCNNのスポンサーを買って出た(今は亡き)三洋証券が竹村健一を使って「奥さん、子育てが終わったらこんどはオカネを育てる番や! ハイテクから財テクの時代やで!」と宣伝して一般大衆の投機熱を煽ったりしました。
東京ディズニーランドもこの時期に開業したわけですが、当時創刊されたばかりの『FOCUS』が、たしか創刊号で「オリエンタルランドは経営内容が怪しい、東京ディズニーランドはぜったい失敗する」などと書いていたような気がします。もちろん週刊新潮なんかも、オリエンタルランドを執拗に叩いていましたね。
……しかし80年代が終わることには「バブル」トリックが成功して、日本国民はみな“アメリカの虜”になっていましたとさ。ディズニーランドは「テーマパーク経営の手本」として絶賛されるようになり、大阪なんぞは二匹目の泥鰌をねらってUSJを誘致する始末。
こうして日本人はすっかりアメリカびいきになったのですが、それぞれの出来事の背景には、アメリカ文化を日本に定着させようと努力したオトコたちの(NHKの番組って性差別的なんだよね〜!)血と汗と涙のモノガタリが「プロジェクトX」のように存在しているのでしょう。(笑)
……ともあれ、文化的な“帝国主義”支配がこうして上首尾に行ったことは事実。
●イラクでいま起きている“文化のアメリカ化”は、背景にどのような意図や勢力があるかを考えながら見ていくと興味深いと思います。とおからずウォルマートやトイザラスやマクドナルドが進出し、イラク発のアラビア語のラップソングなどが“イスラム社会の窮屈さ”を罵倒して、中東のイスラム秩序打倒の“前線基地”として利用されていくのでしょうから。
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(共同通信)[9月12日8時59分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030912-00000052-kyodo-int
ミッキーや米兵人形が人気イラク 旧政権で規制の玩具
【バグダッド12日共同】
占領下にあるバグダッドで、ミッキーマウスの人形など“旧敵国”米国のおもちゃが子供たちに人気だ。
バグダッド中心部の玩具店の店員、ドゥレイド・サラハさん(20)によると、人気があるのミッキーマウスや、ボタンを押すと音楽が流れて踊り出す米兵などの人形。値段は10ドル(約1200円)ほどで、大卒の公務員の初任給が60ドルの戦後イラクの所得水準を考えるとかなり高価だが、毎日1、2個は必ず売れるという。
フセイン政権時代には「敵国製品」として販売が厳重に規制され、一般の人々には入手が難しかったが、戦後になって店先に多数並ぶようになったという。
「米国のおもちゃは戦前から人気があったが数が少なく、売ってほしいと言われても断ることが多かった」とサラハさん。
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【写真】バグダッドの玩具店に並ぶミッキーマウスの人形など米国のおもちゃ(共同)
http://jp.a1.yimg.com/7/50/6316/1063324863/img.news.yahoo.co.jp/images/20030912/kyodo/20030912-00000052-kyodo-int-thum-000.jpg
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