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JR桶川駅前で一九九九年十月、女子大生猪野詩織さん=当時(21)=が殺害された桶川事件で、殺人と名誉棄損などの罪で無期懲役を求刑された、元東京消防庁職員小松武史被告(37)の公判が二十六日、さいたま地裁(川上拓一裁判長)で開かれた。「犯行の首謀者」とする検察側に対して、弁護側は最終弁論で「被告人の弟が詩織さんに危害を加えようと指示した。被告人に殺意はなく、実行犯との共謀はない」と主張。殺人、別件の強盗致傷などは無罪、犯行を一部認めた名誉棄損はほう助罪にとどまるとした。
判決は12月25日
小松被告は一九九九年十二月に逮捕され、一貫して殺人事件の関与を全面否認していた。裁判は二○○○年五月に始まり、三年四カ月でようやく結審し、判決は十二月二十五日に言い渡される予定。
弁護側は、詩織さんの元交際相手だった弟=当時(27)、名誉棄損容疑で指名手配中に自殺=が、交際を拒否された詩織さんに危害を加えることを画策していたと主張。「実行犯が予想に反して死亡させた。『被告人からの指示』は共犯者の作り話で、被告人に動機はない」と述べた。
実行犯の男(38)は九九年十月十四日ごろ、東京・池袋でタクシーに乗車し、車内で小松被告から殺害を依頼されたと供述。弁護側は「十月十四日は携帯電話の通話記録などから、被告人は川口市内にいて、タクシー謀議は存在しない」と反論した。
さらに、小松被告の指示を認定した実行犯らの判決について、「共謀した時期があいまいで、おく面もなく認定している。無理やり有罪判決を出すのはやめてほしい」と裁判官を厳しく非難した。
論告によると、小松被告と弟らは九九年七月、猪野さん方周辺に、詩織さんを中傷するビラを大量に張るなどした。小松被告の指示を受けた男三人が役割分担して、同月二十六日、桶川市若宮の歩道上で、詩織さんをナイフで刺して殺害。実行犯の男ら三人は既に懲役十八―十五年の判決が確定して服役している。
小松被告は最終意見陳述で、「猪野さんには多大な迷惑を掛けたが、事件はえん罪。本来ここに立つのは私でなく、弟です」と述べた。
「弟が命令、兄が実行」母親の京子さん
殺害された猪野詩織さんの母親の京子さん(53)は裁判後、「命令、指示したのが弟で、ことごとく実行したのは兄だと思う」と述べた。小松被告の弁護側は最終弁論で、被害者の詩織さんを非難する内容にも触れ、京子さんは「ひどい仕打ち。あまりにもひどい」「小松被告は裁判官の前で謝罪していたが、反省の様子は全くない」と訴えた。
小松被告の私選弁護士は昨年七月、担当裁判官の不信を理由に辞任。審理が十カ月中断して、初公判から三年四カ月経過して結審した。京子さんは「なぜ中断するのかと思った。加害者の人権ばかりで、被害者に人権はない。もっと迅速な裁判ができたと思う」と話していた。
判決については、「犯人全員の極刑を望んでいたが、日本の裁判には相場があるようだ。内心は許せないものの、(小松被告には)無期懲役が求刑されているので、判決も無期を出してほしい」と述べた。