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http://www.asahi.com/national/update/0924/003.html
7月に長崎市で起きた幼稚園児誘拐殺人事件で、長崎家裁(伊東浩子裁判長)に提出された中学1年の男子生徒(12)の精神鑑定書は、生徒を取り巻く生活環境の変化が事件の直接的なきっかけになったと分析していることが分かった。生徒については広汎(こうはん)性発達障害の一つの「アスペルガー症候群」と診断したが、事件との直接的な因果関係を否定。生徒の処遇について「治療計画の整った施設へ送るのが望ましい」との意見を添えている。
鑑定は、幼児期から小学校、中学校にかけての生活、成育環境などに関して長年にわたる間接的・慢性的な影響と直接的な影響を考察。その結果、家庭や対人関係など長年の成育環境に伴う問題が積み重なり、体の成長や、中学に入り生活環境が変わったことなどもあって事件に結びついたと判断した。
一方、生徒の精神状態について診断されたアスペルガー症候群は、専門家によると、早期に専門的な治療を受け、周囲の理解を得て環境を整えると、症状はかなり改善される。今回の鑑定は、症候群が、事件に直ちにつながっているわけではないと指摘したうえで、生徒を専門家による治療プログラムが整った施設へ送致するよう求めている。
世界保健機関(WHO)が定めた「国際疾病分類」(ICD−10)の中の「精神および行動の障害」の診断ガイドラインによると、広汎性発達障害はコミュニケーションや対人関係に障害がみられ、約束事を守らないと気が済まないなど、興味や関心、行動に偏りやこだわりがみられるのが特徴。遅くとも5歳までに発現する。このうち言語や知能の発達には遅れがない場合、アスペルガー症候群と診断されている。
児童精神医学の専門家の多くも、こうした障害が犯罪や非行に直結するわけではないと強調。「加害者よりも被害者になることの方が圧倒的に多い」といった指摘もある。00年5月に愛知県豊川市で「人を殺す経験がしたかった」との動機から主婦を殺害した当時高校3年生の少年も、精神鑑定で同じ症候群と診断されたが、名古屋家裁は少年が部活動を辞めて心に空白が生じたことを事件のきっかけと判断し、保護処分にした。
長崎の生徒の精神鑑定は、精神医学の専門家が一人で鑑定人を務め、生徒との面談や知能・心理テストの結果などを総合的に判断。19日に家裁に鑑定書が提出された。家裁は審判内容や家裁調査官の報告書などもふまえ、10月1日までに生徒の処分を決める。
(09/24 03:05)