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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030928-00000214-yom-bus_all
一般家庭で使用済みになったパソコンの回収が10月1日から、メーカーに義務づけられる。
資源を有効利用する「循環型社会」を目指す一環として、家庭用パソコンの再資源化を進め、ゴミ排出量を減らす狙いだ。ただ、古いパソコンをメーカー回収に出すと、1台で最低3000円の自己負担が必要になる。半面、10月以降も従来通り、パソコンをゴミとして割安で回収する自治体も多い。メーカー主体のパソコン回収が定着するには、まだ時間がかかりそうだ。(小谷野 太郎)
◆狙い◆
メーカーによる家庭用パソコンの回収は、資源有効利用促進法に基づいて義務化される。2001年度に廃棄された家庭用パソコンは約9000トンだが、2015年には8万トン弱にまで急増する見込みで、「今から回収システムを整備しておく必要がある」(環境省)ためだ。パソコンには鉄や銅、金など再利用できる金属が使われている半面、鉛などの有害物質も多く、「資源の有効活用と有害物質の適正処理」(経済産業省)を図るという側面もある。
世界的にも使用済みパソコンの回収義務化の流れは広がりつつある。欧州連合(EU)は今年2月、加盟国に対し、来年8月までにメーカーなどに電子機器の回収を義務づける法律の制定を求めた。米カリフォルニア州も同様の法制化を進めている。
◆仕組み◆
回収の流れは、まず消費者が電話などで製造メーカーに不要になったパソコンの回収を申し込んで費用を払うと、日本郵政公社の「ゆうパック」の伝票が送られてくる。次に、こん包したパソコンに伝票を添えて郵便局に持ち込むか、自宅に引き取りに来てもらう。
回収費用は、消費者の負担で、メーカーによって決められている。パソコンのディスプレー部分の場合、ブラウン管型が4000円、液晶型は3000円。パソコン本体では、デスクトップ型、ノート型もそれぞれ3000円。ブラウン管ディスプレー型のパソコン本体とディスプレーを処分するには7000円かかるなど各社横並びだ。
10月1日以降に新品で購入するパソコンの場合、回収費用が販売価格に上乗せされる。これらの製品には「PCリサイクルマーク」が付けてあり、廃棄時に新たに消費者が費用を負担する必要はない。
回収義務化に伴い、「費用負担を避けたい消費者がメーカーの買い取りなどに走る傾向が一層強まる」(大手電機)とみられ、中古パソコン市場の活況も予想される。
◆課題◆
ただ、メーカー主体の回収が普及するかどうかは疑問も少なくない。現在、自治体によるゴミ処理を原則とする廃棄物処理法に基づき、パソコン回収を既に行っている市町村も多い。それだけに、メーカー側との連携なども今後の課題となりそうだ。
業界団体「電子情報技術産業協会」(JEITA)は、2004年度にゴミとして排出される家庭用パソコン約160万台のうち、メーカー回収分は20%程度にとどまると推計している。残りは自治体の回収に流れる試算だ。
10月以降、回収を取りやめる自治体は、東京23区と都内の全市町村、横浜市や仙台市など一部に限られる。多くの自治体は「日本から撤退したメーカーのパソコンなど、引き取り手のない製品の回収ルートがない」(大阪市)として、当面は無料回収などを継続する方針だ。
横浜市でも自作のパソコンなどメーカーが回収できない製品は引き続き市で引き取るほか、仙台市でも市側が紹介する民間業者に依頼すれば2000円程度で済むなど“抜け道”も残る。
環境省や経済産業省も「当面は自治体ごとの対応に差が出てしまうのはやむを得ない」と説明する。だが、消費者に「回収費の不公平感」が広がることのないよう、メーカーと行政は協力しながら、新制度の周知徹底などを図っていく必要がありそうだ。(読売新聞)
[9月29日3時7分更新]