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http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20030928i101.htm
東京慈恵会医科大付属青戸病院で、男性患者(当時60歳)が前立腺がんの摘出手術後に死亡した事件で、内視鏡カメラのとらえた手術時の映像を記録したビデオテープを、病院側が警視庁に任意提出していたことが27日明らかになった。
警視庁亀有署特捜本部は、斑目(まだらめ)旬容疑者(38)ら3医師(業務上過失致死容疑で逮捕)の経験不足を裏付ける内容とみて分析を進めている。一方、これまでの調べで、斑目容疑者ら3人には、手術の提案から終了までの間に、3つの重大な過失があったことが判明。それぞれの局面には、ほかの病院関係者もいたが、3医師の“暴走”を食い止めることができなかった。
◆倫理委に申請せず◆
死亡した患者は、数年前から、前立腺肥大で通院治療していたが、昨年9月にがんの疑いと診断された。主治医だった長谷川太郎容疑者(34)は10月下旬、当時診療部長だった助教授(52)らも出席した泌尿器科の会議などで、高度先進医療である「腹腔鏡下(ふっくうきょうか)手術」の実施を提案した。
助教授は当初、指導医のもとで行うよう求めたが、最終的には許可。助手としての経験が2回ある斑目容疑者を加えた3人の執刀医チームで、病院初の腹腔鏡下手術を行うことが決まった。ところが、3人は同大倫理委員会の承認申請を一切行っていなかった。この点について3人は「申請していないとは知らなかった」「病院がするものだと思っていた」などと供述しているという。
◆止血思い込み◆
手術は昨年11月8日午前9時40分過ぎに始まった。斑目容疑者ら執刀医3人は手術開始後、毛細血管の束をしばる止血処置に2時間以上かかったうえ、止血が不十分だった。このため、長時間にわたる手術中、少しずつ出血。約8時間後には、その量が少なくとも2リットルに達し、最終的に5リットルを超えたとみられる。
斑目容疑者らは不十分な止血に気付かないまま「止血は終わった」と、手術の途中で2人の麻酔医に告げていた。このため、麻酔医は輸血用血液は十分と思いこんで補充が遅れ、血液の在庫がなくなる事態となったという。特捜本部は、執刀医と麻酔医の連携も悪かったとみている。
◆開腹手術遅れ◆
午後に入り、技術や経験の未熟な3医師は、腹腔鏡下手術に使う内視鏡のモニターを見ながらの機器の操作に手間取っていた。執刀医リーダーの斑目容疑者は夕方になって、「開腹手術に切り替えよう」と言い出した。しかし、長谷川容疑者が続行を希望し、そのまま続けられたという。
前立腺を摘出した午後7時過ぎ、切断した尿道を再びつなぎ直す縫合も出血などで手間取り、1時間以上たってもほとんど進まなかった。このため、呼吸管理などを行っていた麻酔部の女性医師(38)らも、切り替えるよう主張。このため3人は、約11時間半が経過した午後9時過ぎに、ようやく開腹手術を実施。午後10時35分に手術は終了した。
特捜本部は、出血量などの分析から、午後2時ごろまでに、開腹手術に切り替えていれば、患者は助かったとみている。
(2003/9/28/03:10 読売新聞 無断転載禁止)