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厚生労働省が定めた室内環境基準濃度のホルムアルデヒドでも、誕生前後のラットがさらされると、平衡感覚や学習行動に障害が出るとの実験結果を東海大の相川浩幸講師がまとめた。神奈川県相模原市で開かれる日本免疫毒性学会で26日、発表する。
ホルムアルデヒドはシックハウス症候群の原因物質の一つ。胎児期から誕生後までの時期に、低濃度でどのような影響があるか分かっていなかった。相川講師は「環境基準濃度を引き下げる必要があるかどうか、今後は人間への影響の検討が必要」としている。
相川講師は、妊娠中の母ラットと、出産後は子ラットをホルムアルデヒドにさらし、子ラットへの影響を調べた。実験期間は40日。厚労省基準の0・08ppmに近い0・09ppmと4倍強の0・39ppmの2つの濃度で実験した。
ホルムアルデヒドにさらしたラットは両濃度とも、普通の空気で育ったラットに比べ、歩行量が少なくなるなど、自発行動が抑制された。落下した時の着地態勢もきちんと取れなくなっていた。電気刺激を避ける学習試験でも学習行動が低下。0・39ppmの濃度にさらしたラットは自発行動と平衡感覚の障害の程度が強かった。(共同通信)
[9月25日7時15分更新]