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福岡県久留米市の民間病院に精神科ソーシャルワーカーとして勤務していた福岡市の女性(25)が、院長(51)から度重なるセクシュアル・ハラスメント(性的嫌がらせ)を受けて心的外傷後ストレス障害(PTSD)になったとして、同病院と院長に対し、計1100万円の損害賠償を求める訴えを22日、福岡地裁に起こした。 訴えによると、女性は昨年4月に同病院に就職。同15日、福岡市のホテルで開かれたシンポジウムに院長と出席した後、院長から酒を飲まされ、キスを強要された。翌日以降も、院長は女性の抵抗を無視し、自宅に押し掛けて強引にキスをしたり、胸をさわったりするようになり、勤務中にも頻繁に電話をかけて院長室に呼び出した。 院長は「自分が病気になってもいいのか」「自分を裏切ったら何をするかわからない」と脅し、女性につきまとうようになったという。 女性は同年9月、知人の家に避難。辞表を出したが受理されず、説得されて一度復職した。しかし、発熱やパニック発作、低血圧など体調に異常をきたし、11月に休職、今年3月に退職した。その後、PTSDと診断され、現在は薬物療法を受けているという。 女性側の弁護士は「女性の性的自己決定権と私生活の平穏を害し、ソーシャルワーカーとして職業的、人間的能力を高める機会を奪う違法な行為」と主張している。 院長は病院の理事長を兼任し、日本精神科リハビリテーション学会や日本集団療法学会の要職を歴任している。 病院側は「事実関係を把握しておらず、コメントしようがないが、院長がそういうことをするはずがない。事実誤認ではないか」としている。