現在地 HOME > 掲示板 > 不安と不健康6 > 103.html ★阿修羅♪ |
|
たばこ1日1箱 リスク上乗せ 産廃焼却場集中地域に1日いるのと同じ ダイ
オキシン摂取 安全値越えも 環境総合研が 国際会議発表へ
2003/08/23, 東京新聞朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/
1日1箱(20本)たばこを吸うだけで、人が体内に取り入れるダイオキシン
の量は、食物や水など自然界から摂取する量と合わせると、人体にとって安全と
される基準を超える可能性があることが、環境総合研究所(所長・青山貞一武蔵
工業大教授)の研究で明らかになった。青山所長は「たばこ1箱吸うことは産業
廃棄物の焼却施設が集中する地区で、一日中空気を吸っているのと同じぐらいリ
スクが大きい」と指摘している。
喫煙によるダイオキシンの摂取量と、人体への危険性を試算した研究は初め
て。詳細は、二十五日から米国ボストンで開かれる国際ダイオキシン会議で発表
する。
青山所長は国内の先行研究を参考に(1)たばこ本体(葉と巻き紙)に含まれ
るダイオキシンは喫煙時に燃えることで気化し、煙に移行する(2)体内には
フィルターを経由し、主流煙として摂取される−という仮説を立て、分析を行っ
た。煙の中のダイオキシン量の測定は、喫煙前のたばこのダイオキシン量から、
喫煙後の吸い殻、灰、フィルターに含まれるダイオキシン量を差し引いて推計す
る方法を取った。
サンプルに選んだのは、喫煙者の人気が高い日本製のマイルドセブンとセブン
スター、米国製のマルボロライト、ケント1mg、ラークマイルドの五種。煙に
よって体内に摂取されるダイオキシン量は、銘柄によって七倍近い差があること
も分かった。
喫煙前のたばこ本体に含まれていたダイオキシンは、最大がケント1mgの五
十八ピコグラム(ピコは一兆分の一)で、最少はマルボロライトの十六ピコグラ
ム。吸い殻などに残ったダイオキシンを差し引いた結果、煙中のダイオキシンが
最も多かったのもケント1mg(四十八ピコグラム)で、最少はマルボロライト
(七ピコグラム)だった。
ダイオキシンの健康へのリスク評価は、摂取量を体重で割った値で示される。
一日一箱吸った時の体内への摂取量を体重五〇キロの人で試算すると、ケント1
mgの場合〇・九六ピコグラムに達する。
許容される一日のダイオキシンの摂取量を、世界保健機関(WHO)は指針の
中で一−四ピコグラムとしている。日本は四ピコグラムだが、欧州連合(EU)
は昨年、二ピコグラムと定めた。
人は食べ物だけで一日平均一・六三ピコグラムを摂取しているという厚生労働
省のデータ(二〇〇一年度)もあり、たばこを一箱吸えば、EUの安全基準を超
える。青山所長は「ダイオキシンは食べ物だけでなく水や空気からも摂取されて
いる。喫煙による上乗せが続けば、健康への影響は避けられないだろう」と警告
している。