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WSJ-SECがヘッジファンドの監督強化へ、登録義務付けを検討
ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米証券取引委員会(SEC)のスタッフが、ヘッジファンド運用者を投資顧問業者としてSECに登録させるよう提言する予定であることが明らかになった。ヘッジファンドはこれまでウォール街の影の部分で活動してきたが、登録されれば、一部のファンドは初めて当局の監督を受けることになる。すでに登録しているファンドにとっても、当局によるさらなる規制強化への第一歩を意味するとみられる。
ヘッジファンドの持ち分が、株式市場の時価総額に占める比率は5%未満だが、日々の売買高では最近、多い日には全体の4分の1を占めるようになっている。これは多くのファンドがレバレッジをきかせ、他の投資家よりも頻繁に売買を繰り返すためだ。
SECのスタッフは、来週提出する報告書の中で、ヘッジファンド運用者に自身および運用するファンドについて情報開示を義務付ける規則を提言する予定。登録されれば、SECは定期的な調査を実施でき、詐欺を未然に防げる狙いがある。証券当局は、現在でもヘッジファンドの調査は可能だが、不正行為に関する告発が寄せられない限り、通常は行わない。
一部の小規模ヘッジファンドは、取引量が限られるモーゲージ担保証券(MBS)などの資産評価について、かなりの裁量を行使している。SECが定期的に調査を行うことになれば、これらヘッジファンドに対し、ポートフォリオ評価をより控えめに行うよう圧力をかけられる可能性がある。
「1年に1回しか監査を受けないことをいいことに、一部の運用担当者は月次報告書の数字をでっち上げている」と21世紀キャピタルのゼネラルパートナー、ニール・ワイスマン氏は指摘した。
SECスタッフの提言内容は、まだ最終決定しておらず、今後変わる可能性もあるが、事情に詳しい筋によると、ウィリアム・ドナルドソンSEC委員長の支持を得ているという。ドナルドソン委員長は、ヘッジファンド業界はあまりにも大きいため、SECはより注意深く同業界を監視する必要がある、と過去に述べている。他のSEC高官も、詐欺行為の取り締まりに役立つとし、監視の強化を主張している。
ニューヨーク州のエリオット・スピッツァー司法長官が追及しているカナリー・キャピタル・パートナーズをめぐる詐欺疑惑についても、SECがヘッジファンドを調査していれば、詐欺を見つけ出せたはず、との指摘がある。
ヘッジファンド運用者を登録させる案に対して、5人のSEC委員のうち、シンシア・グラスマン氏とポール・アトキンズ氏の2人が慎重な姿勢を示している。過半数の委員が賛成すれば、SECは新規則を施行できるが、ドナルドソン委員長は、全会一致の承認を得るためにコンセンサス作りを目指すとみられている。
事情に詳しい筋によると、慎重な2人の委員は、ヘッジファンド運用者を登録させれば、SECの監督負担が大きくなりすぎ、ミューチュアルファンドの監視など他の活動にしわ寄せが及ぶと懸念している。また、登録がSECによるお墨付きと解釈され、リスクをよく考慮せずに投資家がヘッジファンドに資金を振り向ける可能性も懸念している。
もっともヘッジファンド業界内部では、登録が義務付けられても、規制関連の書類作業が増えること以外、大半のファンドには大きな影響はない、との声も聞かれる。ヘッジファンド運用者の大半は現在、SECに登録していないが、一部は商品先物取引委員会(CFTC)には登録している。
SECスタッフが提言を用意していることは、ブルームバーグ・ニュースが最初に報じた。報告書は早ければ、来週29日にも公表される見込み。報告書は、ヘッジファンド業界のトレンドや詐欺などの事件について、詳細に記述する見込み。また、ミューチュアルファンドによるヘッジ戦略を認めるべきかどうかについても言及する予定という。SECの広報担当者はコメントを控えた。
(9月26日付のHeard on the Streetより)
(ダウ・ジョーンズ)
[9月26日15時1分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030926-00000028-dwj-biz