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国民年金4割未収、社会保険庁の無力(さあ、ドンドン勇気をもって自己破産しようぜ)(朝日新聞)
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抜粋
>「厚生年金に加入していない企業は腐るほどある。長びく不況で、とても従業員の保険料を会社が払えない。厚生年金をやめて、従業員をこっそり国民年金に加入させている」
労災保険に加入する企業は264万社、雇用保険も202万社が加わっているのに、厚生年金に入っているのは165万社しかない。その差の80万〜100万社の中に、離脱したり未納したりしている企業が相当あると推定されている。
滞納すれば、売掛先や取引先の銀行を調査し、支払い余力があれば、差し押さえることになっている。だが、
「そうすると、倒産してしまいそうなので、とてもできない。結果的に黙認するケースもある」
と、担当幹部。
そうだな、請求だされたら計画倒産だな、勇気をだして倒産、自己破産する。
どうやら最近は恥じを感ずる必要性もなさそうだ。
国民年金4割未収、社会保険庁の無力
2003年09月15日号
暮らしのセーフティーネットの柱である国民年金制度。その根幹が揺らいで久しい。
10人に4人が納付していないという現実は他人事ではない。
まず督促状を送り、ダメならば電話でうながす。それでも反応がなければ、職員が戸別訪問。なおも払わないのであれば、伝家の宝刀である「強制徴収」を発動し、収入や財産を差し押さえる。
「役所を挙げて取り組みます」
社会保険庁年金保険課には8月、「国民年金特別対策本部」の看板が掲げられた。その担当者が危機感をあらわにして言った。強制徴収は国民年金法に定められているが、これまで実行されたのは5件のみ。発動されれば13年ぶりだ。
日本の年金制度は国民皆年金が建前。サラリーマンが加入する厚生年金と、自営業者や学生が加入する国民年金があるが、このうち国民年金の空洞化が急速に進んでいる。対策本部が置かれるゆえんである。
○5年後80%もくろむ
具体的には月額1万3300円の国民年金の保険料の納付率は、2002年度、前年度比で8.1ポイントも落ち込み、過去最低の62.8%になった。10人に4人は払っていない計算になる。未納者は約327万人にのぼる。
このため、年金保険料の徴収と年金給付を担う社会保険庁は危機意識を高め、5年後に80%という、急回復をもくろむ目標を設定。納付率の低い東京、大阪、沖縄など全国の8社会保険事務局や、浦和、川崎、函館など22の社会保険事務所を「重点地域」に指定し、霞が関の本庁から3人一組の特別チーム8班をこれら重点地域に送り込む。
ただ、こんな人海戦術頼りの「徴収大作戦」を、年金問題に詳しい日本経済研究センターの八代尚宏理事長は、冷ややかに見る。
「まるで戦時中の竹槍戦術と変わらないのではないですか。厚生労働省年金局は、社会保険庁がサボっているから納付率が下がったと思っているのかもしれないが、職員が努力すれば解決する、という問題ではない」
なぜ、納付率が急落したのか。理由の一つはマンパワー不足だ。
納付率急落以前の01年度までは、全国3300市町村の、1万2000人の正職員と徴収専門の2000人の臨時職員が、国民年金の保険料徴収を担い、町内会など地域のネットワークをフルに活用して集めてきた。
○急増する年金受給者
ところが、本来、国がすべき業務を地方に押しつけ、地方分権の理念に反するとされ、99年の地方分権一括法で徴収事務は国(社会保険庁)の業務となった。社会保険庁には全国312の社会保険事務所などに約1万7000人の職員がいるが、このうち国民年金の事務に携わるのは5800人。そのうち実際に徴収に携わるのは2700人程度で、それに、新たに設けた徴収専門の臨時職員(国民年金推進員)1900人を加えても、市町村が代行していたころの半分以下しかいない。しかも、町内会組織も活用できない。
増えない定員に対し、年金受給者は急増。埼玉県では職員1人あたりの年金受給者数は4300人、千葉県でも同4360人となり、すでに首都圏の社会保険事務所はパンク寸前となっている。
「今からですと、順番は午後になりますよ」
埼玉県川越市の社会保険事務所は、始業と同時に年金の相談や申請に来るお年寄りでごった返す。午前9時に来ても、順番は午後に回されることもある。
90人弱の陣容のうち、正職員と推進員の30人が国民年金の保険料の徴収にあたるが、
「戸別訪問しても、会えないケースが80%。1日20件回っても、そのうち1割の人が払ってくれるかどうか」(担当者)
それだけやっても、同保険事務所は約5ポイントも納付率がダウン。昨年設けられた年金推進員の人件費コストは1人あたり月約20万円かかる。
黒澤健一所長が打ち明ける。
「コストパフォーマンスを考えると、厳しい」
マンパワー以上に深刻なのが、国民の間に広がる年金不信だ。保険料を納めても、どうせ満足な給付はない、だったら払わない。こういう確信犯的な不払いが増えている。徴収の担当者がこぼす。
「20歳、30歳代の若年層は、どうせ先のこと、と年金に無関心。年金制度の必要性をそもそも感じていない」
こうした状況でも、社会保険庁の「徴収率アップ」の秘策は、強制徴収という「恫喝」を使った人海戦術しかないのは冒頭の通り。
○間接税で徴収すべし
『年金大改革』の著書のある日本総合研究所の西沢和彦主任研究員は、人海作戦の徴収作業を「コストがかかりすぎる」と指摘し、こう続ける。
「国民年金制度は、強制加入が原則だが、実態は任意加入といえる。税金ではない、保険料である以上、国民から強制的に集めるのには限界がある」
約54兆円の国税を集める事務コストは、その1.4%弱の7328億円。ところが、約2兆円の国民年金の保険料を集める費用は、約8%の1591億円だ。年金制度にかかる行政の事務費用は諸外国でも保険料の1%程度。それに比べると、国民年金の徴収コストは異常な高さだ。
このため、八代氏や西沢氏は、米国の内国歳入庁をモデルに、社会保険庁と国税庁を統合して、国民からお金を集める徴収事務を一元化すべきだ、と指摘する。
民主党も、政権公約マニフェストの中に「税金と社会保険料の徴収一元化」を盛り込むかどうか検討中。同党年金改革プロジェクトチーム座長の山本孝史参院議員は、
「年金給付や相談といった事務は残るので、社会保険庁が完全になくなるわけではない。しかし、保険料の徴収や徴税は一体化して、効率化した方が良い」
と話す。
また、建前は強制加入なのに、「空洞化」に伴い、保険料を払っていない人でも、確定申告時に保険料控除を受けられるという事態も生じている。控除の際に、保険料を納めたことを示す書類を添付する必要がないからだ。
このため、日本経団連は今年3月、基礎年金と報酬比例部分との間で制度と財源を分け、国民年金を含む基礎年金部分は、保険料ではなく、間接税で徴収すべし、と提言した。松井博志・国民生活グループ長は、
「納付率低下が問題なら、税金で何が何でも徴収すればいい」
と言う。
○3機関を統合する案も
社会保険庁のある幹部も、匿名を条件に、本音をこう漏らす。
「月額1万3300円という一律の保険料だと、低所得者層ほど負担感が大きい。国民年金など基礎年金部分は、消費税でまかなうのがスジだろう」
もっとも、空洞化が進むのは、国民年金だけではない。サラリーマンが加入する厚生年金も、実は、空洞化が進んでいる。東日本のある社会保険事務所の厚生年金部門の担当幹部は、こう話す。
「厚生年金に加入していない企業は腐るほどある。長びく不況で、とても従業員の保険料を会社が払えない。厚生年金をやめて、従業員をこっそり国民年金に加入させている」
労災保険に加入する企業は264万社、雇用保険も202万社が加わっているのに、厚生年金に入っているのは165万社しかない。その差の80万〜100万社の中に、離脱したり未納したりしている企業が相当あると推定されている。
滞納すれば、売掛先や取引先の銀行を調査し、支払い余力があれば、差し押さえることになっている。だが、
「そうすると、倒産してしまいそうなので、とてもできない。結果的に黙認するケースもある」
と、担当幹部。
事業所開設を税務署に届け出る際に、厚生年金や労働保険の保険料も一括して取れるようにするべきだ――。
この担当幹部の口からも、国税庁、社会保険庁、労働基準局の3機関の統合案が飛び出す。社会保険庁は組織防衛に走るが、足元の職員からは正反対の意見が出てくる現実。年金制度に詳しい一橋大の高山憲之教授が言う。
「制度の賞味期限が過ぎている。透明性の高い制度に抜本的に改めるべき時期に来ている」
(編集部 大鹿靖明)
(09/24)
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