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ちょうど60年前の昭和18年から昭和20年にかけて、軍部による「大本営発表」が繰り返された。しかも、この時には事実とまったく異なる発表がなされたのだが、人々はその言葉を鵜呑みしたようである。今から思えば、当時の人々はあまりにも無知蒙昧だったように見えるが、このことは、現代にも通じるのかもしれない。
9月3日に世銀が次のようなコメントを発表した。「金価格は、中期的に見て一オンス300ドル以下になるだろう」という内容だが、このコメントを読んだ一人のアメリカ人は、このことにより、これから金価格が急騰することを確信したそうだ。つまり、世銀が大本営発表と同様のコメントを出したと考えたのである。たしかに、現在の状況から鑑みると、世銀は、まったく経済情勢が理解できていなく、経済音痴ではないかと思われる意見だが、反対の観点からは、このような発表をせざるを得ない大きな理由があるとも読み取れるのである。
来年と同じ暦になる昭和19年は、日本にとって悲惨な年だった。日本の軍隊が壊滅的な状況になり、日本への空襲も始まった。ところが、希望的観測を述べることしかできない軍隊は、まったく逆の発表をして人々の目をくらましたのだった。このことは、倒産寸前の企業が粉飾決算を発表して、会社の延命を図ることと同じ心理だが、国家の場合には一企業と違い、大本営発表は国民全体の運命に大きな影響を与えることとなったのである。
戦争と金融の混乱という違いはあるが、現在の状況を見ると、日本の国家財政が破局的状況にあるということは、ほとんどの人が気づいてきたようだ。ところが、政治家や官僚は、「株価の上昇は改革の成果である」と言い始めた。数年前には、「青木建設の倒産は改革の成果」だったのだが、現在では、債務超過の企業を助けることが改革の成果になってしまった。そして、国債については、ほとんど触れていないのである。
これらのことから判断すると、2004年は国家の財政にとって悲惨な状況になることが考えられる。しかも、60年前同様に、本当の発表がされない可能性もあるようだ。このことを予感させるように、9月の10年国債入札において、大変不思議な現象がおきた。つまり、1兆9000億円の入札のうち、8000億円分が「買い手が不明」だったそうだ。今までの状況からは考えられないことだが、このことが、どんな意味を持つのかがはっきりとするのは、やはり、2004年になってからのことかもしれない。
http://www.amri.jp/information/honma/index.html