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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030924-00000002-wir-sci
FDAによる安全性検査なしで大規模に流通している遺伝子組み換え食品
米食品医薬品局(FDA)は遺伝子組み換え食品の安全性を発売前に確認すべきだと、 大半の消費者が考えていることが新たな調査で明らかになった。
ピュー食品バイオテクノロジー研究所の http://pewagbiotech.org/research/ 2003update/3.php 調査によると、アンケート回答者の89%が、FDAは安全性の確認を 終えていない遺伝子組み換え食品の販売を許可すべきではないと答えている。
しかし実際には、FDAは遺伝子組み換え食品の安全検査を行なってはいない。1992 年に成立した http://www.cfsan.fda.gov/~lrd/biocon.html#policy 連邦法は、遺伝子組 み換え食品を他の食品と同じと見なし、FDAによる検査や認可を義務付けていない。
バイオテクノロジー企業が遺伝子組み換え食品を発売する場合には、安全検査の結 果をFDAに提出して確認の文書をもらうだけだ。
米国消費者同盟の一部門、 http://www.consumersunion.org/cu/aboutcu/offices/ CPI.html 消費者政策協会の上級研究員であるマイケル・ハンセン氏は、「この文書に はFDAとしての判定が書かれていないことから、FDAが安全検査を行なっていないこと は明白だ」と述べる。同研究所は、FDAは遺伝子組み換え食品を規制すべきという立 場を取っている。
FDAが提出結果に対して出してきた文書はほぼすべてが、企業がそのバイオテクノロ ジー製品を安全であると見なしたことを認め、企業の提出文書をそのまま信頼するとい う内容になっている。
たとえば、FDAは http://www.monsanto.com/ 米モンサント社が2002年2月に提出し た新たな遺伝子組み換えトウモロコシの検査結果に対し、次のような文書を送ってい る。「モンサント社の安全検査と栄養検査の結果に基づき、これら新種由来のトウモロ コシは現在販売されているトウモロコシと比べて、組成や安全性などのデータに大差が なく、当該遺伝子組み換えトウモロコシには発売前にFDAの検査や認可を必要とする 問題はないとモンサント社が結論付けたことを、FDAは了承している」
『 http://www.organicconsumers.org/ 有機食材消費者組合』(Organic Consumers Union)の全米責任者、ロニー・カミンズ氏は、「結局、われわれは基本的に自主規制で 対処することになる」と語る。
遺伝子組み換え食品に対するFDAの現行方針は、1992年に発表されたもの。他の 生物からDNAを移植した遺伝子組み換え食品も他の食品と同じであると見なし、深刻 な問題を引き起こさないと判断している。
2001年1月に、FDAに遺伝子組み換え食品の厳しい発売前検査を義務付ける http://www.cfsan.fda.gov/ ~lrd/fr010118.html 提案が行なわれたが、規則の制定には至っていない。
FDAの手続きに異論を唱えているのは、活動家だけではない。米会計検査院(GAO)も2002年3月に発表し た http://www.gao.gov/new.items/d02566.pdf 報告書(PDFファイル)の中で、FDAの遺伝子組換え食品の検 査は強化される可能性があると述べている。
遺伝子組み換え作物のミニ染色体および多重遺伝子技術を専門とする新興企業 http:// www.chromatininc.com/ 米クロマチン社のミッチ・ハイン社長兼最高経営責任者(CEO)は、ピュー研究所の調 査結果がFDAの規制強化を望む消費者の声を示しているとは、必ずしも言えないのではないかと言う。「社会 一般の経験から判断して、(FDAの手続きは)有効に機能していると言えるだろう。だからこそ、消費者が信用 しているのだ」
FDAの食品安全・応用栄養センターでバイオテクノロジー・コーディネーターを務めるジム・マリャンスキー氏 もAP通信の記事の中で、現行の手続きが有効に機能していると述べている。
ピュー研究所の調査では、食料品店で販売されている加工食品の75%に遺伝子組み換え食品が含まれて いるにもかかわらず、調査対象となった米国人のうち、遺伝子組み換え食品を食べたことがあると思うと答え たのはわずか24%で、58%が食べたことがないと答えた。遺伝子組み換え食品を米国で全面禁止にすべき だと思うと答えたのは、28%だけだった。
ピュー研究所の http://pewagbiotech.org/resources/factsheets/display.php3?FactsheetID=2 データシー トによると、米国の遺伝子組み換え食物の作付面積は約40万平方キロにもおよぶ。
カミンズ氏やハンセン氏のような反対派は、遺伝子組み換え食品は人体に有害な可能性があるので、少な くとも食品添加物と同程度の規制が必要だと考えている。食品添加物は http://www.fda.gov/opacom/laws/ fdcact/fdctoc.htm 連邦食品医薬品化粧品法で、FDAによる検査と評価が義務付けられている。
遺伝子組み換え食品の摂取が全く安全と考える人々も、FDAが積極的な検査を行なうことに賛成している。
かつてはFDA、米農務省、モンサント社に所属し、現在は未来資源研究所(Resources for the Future)の研 究員を務める http://www.rff.org/rff/Taylor.cfm マイケル・テイラー氏は、「現在市場に出回っている製品を 見れば安全性に問題があると考える理由はない、というのが大方の一致した意見だ。ただし個人的には、消 費者にシステムを信頼してもらうことだけを考えても、(FDAの規制が)望ましい方向だと思う」と語った。