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(回答先: 「トロン」とマイクロソフト和解、組み込みOSで協力 −讀賣新聞 投稿者 怪傑 日時 2003 年 9 月 26 日 00:51:42)
米マイクロソフトの古川享・バイスプレジデントと、T-Engine(エンジン)フォーラム会長の坂村健東京大学教授は25日、国産基本ソフト(OS)のトロンを主体にした開発環境「T-エンジン」でウィンドウズCE.NETを動かすための技術開発で協力すると発表した。PC用OSとしては“敵対関係”とされてきたトロンとウィンドウズが、情報家電向けで手を組んで「歴史的和解」をしたこととなり、業界の反応が注目される。
「T-エンジン」は、国産OSトロンをベースに開発された、ハードウエア(T-Engine)と、リアルタイムカーネル「T-Kernel」で構成される組み込みシステムのプラットホーム。「T-エンジン」は、自動車や携帯電話などのエンジンやモーターなど機器制御に優れた性能をもち、組み込み機器向けのOSとしてデファクトスタンダードとなっている。
一方ウィンドウズCEは、組み込み機器向けOSではあるが、もともとパソコン向けOSをベースにしているためインターフェースやほかのアプリケーションとの連携に優れるものの、T-Kernelのようなマイクロ秒単位での機器制御は実現できていない。
今回のプロジェクトは、ハードウエアとしてのT-Engineの上で、T-KernelとウィンドウズCEを共存させようとするもの。ウィンドウズCEを「ゲストOS」として、ミドルウエアのように動作させる。これにより、T-Kernelの持つ安定したリアルタイム性能に加え、ウィンドウズの豊富なアプリケーションを利用できるようになり、デジタルカメラ、DVD、カーナビなど幅広い用途で活用できるプラットホームを得ることができる。
マイクロソフトは、T-エンジンフォーラムに幹事企業として参加、共存環境のための仕様策定を行う。12月を目標に共存環境を実現、開発キットの提供も始める。
記者会見で坂村健教授は「T-エンジンフォーラムはオープンな組織で、参加希望の企業は拒まずに受け入れてきた。21世紀は、あらゆるものがコンピューター化されるユビキタスコンピューティングの時代。そんな時代には一つの企業がすべてを開発するのは不可能だ。お互いの資産を生かし融合させて、新しいニーズに対応した新しいプラットホームをいかにつくるかが課題だ。マイクロソフトがこうしたオープンアーキテクチャーに本格的に参加するのは初めてで画期的なことではないか」と話した。
また、過去に坂村教授の推進するトロンプロジェクトが米国政府からの圧力を受けて日の目を見なかったことについては「マイクロソフトは、私のプロジェクトを直接妨害するようなことはやっていなかったと信じている」と語った。
一方、古川氏は「ユビキタスコンピューティング社会の実現に貢献することは、当社にとって大きな課題。評価用キットは次世代の産業のコメとして、いろんな製品が生まれるきっかけになればいい」と期待を語った。
T-エンジンフォーラムは02年に設立され、現在約250社が参加している。今年3月には、リナックス関連会社のモンタビスタが、T-エンジン上でリナックスを動かすため仕様策定作業を開始。両ソフトはオープンソースで、仕様が無償公開される予定のため、家電メーカーが注目していた。
マイクロソフトの決断は、ウィンドウズCEの普及があまり進んでいないことに加え、こうした状況を考慮に入れたものとみられる。古川氏は「開発されたプラットフォームの知的所有権は明確にし、開発者側にリスクが生じないようにする。せっかく開発しても、後で知的所有権が問題になったら大変」と言及し、オープンソース陣営を“けん制”することも忘れなかった。
[T-エンジンフォーラム]
http://www.t-engine.org/