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『アメリカ・ネオコン政権最後の強敵バチカン』 中見 利男
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投稿者 TORA 日時 2003 年 9 月 23 日 15:41:25:CP1Vgnax47n1s

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu54.htm
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『アメリカ・ネオコン政権最後の強敵バチカン』
ハルマゲドンに憑かれた米国キリスト教対法王

2003年9月23日 火曜日

ネオコンという言葉が二〇〇二年頃から日本でも流行語のように使われ始めた。新保守主義をあらわすこのネオ・コンサーヴァティブが今や米国ブツシュ政権の代名詞ともなっている。ポール・ウォルフォウィツツ国防副長官、リチャード・パール国防政策委員長、ラムズフェルド国防長官、さらにチェイニー副大統領……。名前を挙げればキリがないほどだ。

多くの日本人は軍産複合体と結びついた共和党員がネオコンだと単純に考えているが、そうではない。民主党にもネオコン議員は存在するし、彼らも、反米的な国家、民族、宗教に対して強硬姿勢を崩さない。だが、こうした政治ネオコンだけでなく、我々日本人は、ブツシュ政権を操っているもう一つのネオコンのことを知っておかなければ、国際情勢を読み解くことができない。実はそれこそが、ネオコン的宗教、つまりキリスト教原理主義なのである。

そして、宗教におけるネオコンと政治におけるネオコンとが結びついたネオコン複合政権が、現在のブツシュ政権の実体どいえる。したがって我々日本人は政治的ネオコンばかり見ていたのでは駄目で、宗教的ネオコンにも注意を拡わなければ重要な何かを見失うことになる。

とりわけ総理をはじめ日本のリーダーに言いたいのだが、たとえば石油戦争、大量破壊兵器に対する挑戦、世界的な民主主義の確立と抑圧された民衆の解放というさまざまな修飾用語に彩られたとしても、本質的にプロテスタントの国・アメリカを代表するブツシュの戦争は、宗教戦争の域を越えることはないということだ。そしてキリスト教原理主義者の推進するブッシュ政権が宗教戦争を仕掛けるとき、最終的にそこに立ちはだかるのは、日頃、日本人にあまり意識されることのないキリスト教の総本山、カトリック教会の頂点に位置するローマ法王とバチカンなのである。

イラク戦争のときもそうだったが、このところアメリカはなぜ強硬姿勢と中道姿勢で揺れるのか、不思議に思われる方も多いだろう。だが、答えは簡単だ。誰かがホワイトハウスに圧力をかけているのだ。その誰かとは何者か?それがローマ法王なのである。実は、ここにこそ、二十一世紀に入ってますます混迷を深める国際情勢を解読するキーワードが隠されている。

なぜなら第二次世界大戦以後のバチカンにとってのキリスト教は、「汝の隣人を愛せよ」という言葉に集約され、原理主義のそれは「十字軍」あるいは「ハルマゲドン」という歴史的用語に集約されているからだ。一方は平和と対話を、一方は戦いと圧カをそれぞれ主張し、ともに世界のたずさ民衆を巻き込もうとあらゆる手段を行使することになる。

仮に両者が手を携えることがあるとすれば、宗教を弾圧する独裁国家や、宗教を認めない共産主義や杜会主義に対してであろう。だが、その理念も、一方が「愛」、一方が「十字軍」である以上、やがて来る衝突は避けられない。そういう意味で、本書は日常のメディアから報道されてこないバチカン、とりわけローマ法王にスポットを当て、国際社会を舞台裏から見ることに力点を置いている。

たとえば、バチカンが第二次世界大戦を終結させるためにどのような秘密工作を行なったのか、本来、平和の象徴であるべき国連をバチカンはどう見ているのか、そして先制攻撃をやむなしとするブツシュ.ネオコン政権に対して、現在どのようなスタンスにあるのか、こうした国際情勢をバチカンの視点から読み解いた評論は、過去にはあったが、現時点においては少ないと思われる。

ただし、本書は陰謀論に立脚したものではない。関係諸方面に取材を繰り返し、そこから得た情報をできるだけわかりやすくまとめたものだ。しいていえば政治、経済、軍事力のほかに国際社会の底流にはキリスト教やユダヤ教、さらにイスラム教などの宗教という重要なテーマがあることを、日本人として再確認しておこうという趣旨で出版させていただいたのである。

なお筆者白身はカトリツク信者でもプロテスタント諸派あるいは福音派でもない。あえていえば、多くの日本人の一人、無宗教である。またアメリカに対するスタンスも反米派ではない。むしろ親米派である。ただし親米派といっても、かつてローマ帝国に渡り、洗脳されて帰ってくるなり売国奴のような発言を繰り返し、結局カルタゴを減ぼしてしまったエリートたちのような親米派ではない。(P2-P4)

◆ローマ法王の預言的戦略

ブッシュ・ネオコン政権の背後にいるネオコン宗教の極意が、終末思想とハルマゲドンであることは先に述べた。彼らが金科玉条とするのはヨハネの黙示録第十六章の12〜16である。

『第六の天使が、その鉢の中身を大きな川、ユーフラテスに注ぐと、川の水がかれて、日の出る方角から来る王たちの道ができた。わたしはまた、竜の口から、獣の口から、そして、偽預言者の口から・蛙るのような汚れた三つの霊が出て来るのを見た。これはしるしを行う悪霊どもの霊であって、全世界の王たちのところへ出て行った。それは全能者である神の大いなる日の戦いに傭えて、彼らを集めるためである。見よ、わたしは盗人のように来る。裸で歩くのを見られて恥をかかないように、目を覚まし、衣を身に着けている人は幸いである。汚れた霊どもは、ヘブライ語で「ハルマゲドン」と呼ばれる所に、王たちを集めた』

つまり彼らネオコン宗教にとっては、日の出る方角、つまり東の果てから王たちが軍隊を引き連れて来なければならないのである。これを成就するために最も困難なことは、憲法九条のある日本から軍隊を出せるようにしておかなければならないということだ。だからネオコン宗教は、ネオコン政治家に働きかけて、日本がまずイラクまで自衛隊を派遣できるよう圧力をかけた。そして次はアメリカの傀儡である国連の事務総長アナンに働きかけて、次のようなメツセージを打ち出した。それは、現在のイスラエルとパレスチナの武力衝突を止める唯一の手段が、武装した国際治安維持部隊つまり国連多国籍軍を派遣する以外ないというものだ。

彼らは何を考えているのだろうか。イスラエルはアメリカ軍以外を信じておらず、パレスチナはアメリカ軍を信じていない。むしろサウジやイランなどアラブ同盟諸国が国連多国籍軍に真っ先に加入を申し入れてくれればというのが本音のところだ。そうなれば、またしてもアメリカ:ネオコン政権の圧力によって、国連多国籍軍に日本も加盟してはどうかという議論が巻き起こり、文字どおり中東はハルマゲドンの地と化すのである。彼らは着々と聖書の描く終末世界を現実のものにしようと画策しているのである。

だからアメリカも日本の軍国化を側面支援しているのだ。さらにアメリカの政治・宗教による複合ネオコン政権は、独自に国際軍を組織しようと言い始めている。これは、国連がバチカン・EU連合の反発で機能しなくなったときのことを見越したうえでの代替案・国際的十字軍の創設構想であることは明らかである。アメリカ主導の世界軍を生み落とし、より強力なハルマゲドンヘの近道、つまりバイパスに向かって人類を誘導していこうというのだ。

だが、その一方で聖書には次のような記述も存在している。それはヨハネの黙示録第七章2〜3である。

『わたしはまた、もう一人の天使が生ける神の刻印を持って、太陽の出る方角から上って来るのを見た。この天使は、大地と海とを損なうことを許されている四人の天使に、大声で呼びかけて、こう言った。「我々が、神の僕たちの額に刻印を押してしまうまでは、大地も海も木も損なってはならない」』

ここからもわかるように、太陽の出る方角、すなわち東から来る天使が破壊をやめるよう世界に向けて声をあげているのである。その後、イスラエルの十二の部族のなかから一万二千人ずつ、計十四万四千人が救い出されるという記述が続くのだが、バチカン関係者によれば、ローマ法王はここに賭けているということだ。

実は前章で述べたローマ法王の預言戦略とはこれなのである。つまりこの部分だけでなく、聖書の根本理念には、一貫して救世主は東から来るという考え方が強くある。ということは、ネオコン宗教の計画を打ち破るためには、軍隊を送り込むのではなく、東の果ての国が破壊をやめるよう世界に向かって声をあげなければならないということだ。その東の果ての国とはどこだろうか。

聖書の記述を理解するうえで重要なことは、そこに記された文言は預言であり、同時に何かのたとえであるということだ。それはヨハネの黙示録を見ればよくわかる。

『ここに知恵が必要である。賢い人は、獣の数字にどのような意味があるかを考えるがよい。数字は人間を指している。そして、数字は六百六十六である』(ヨハネの黙示録13・18)『ここに、知恵のある考えが必要である。七つの頭とは、この女が座っている七つの丘のことである』(ヨハネの黙示録17・9)

このほかにも、イエス自身が数々のたとえを用いて弟子たちに言い聞かせていることも、そうした暗示の書としての聖書を際立たせるものであろう。したがって、読む者すべてが現在、自分の置かれている立場に基づいて聖書の解釈を行うため、そこにさまざまな判断が生まれてくることになる。そのためこれまで聖書には多くの謎と解釈がつきまとい、まったくのデッチ上げを堂々 と主張する研究家や、記述に忠実なあまり、視野の狭い判断しかできないキリスト教原理主義者や宗教家が後を絶たなかった。

だが筆者がカトリック関係者に取材したところ、バチカンの上層部、とりわけ中枢にいる一部聖職者は、太陽や東の国などという表現は、やはり現代における極東の国、つまり日本を象徴しているという解釈が定着しているということだ。それを裏づけるように、第一章で触れたローマ法王・ピオ十二世は次のようなメッセージを世界に向けて発信したことがある。

『いと慈愛深き我らの救主は、来るぺき世紀を予言して、東の国の多くの人々が天国の饗宴に座するため、来り参ずるであろうといわれました(ルカ・13・29)。この喜ぶべき予言が、私の愛する日本に実現致しますように…・。私は、カトリックの名を持つ世界のすべての人々とともに、日本の繁栄とその幸福のために、全能の神に向かって、次の如き絶えざる切なる祈りを捧げます。ああ、すべての国々の王、すべての国々の望み、東よりの光、輝かしき永遠の光にして正義の太陽なる神よ・…御身の愛する日本、そして御身の名において私がこよなく愛する日本の上に、御恵みをもたらし給わんことを……』

さらに現ローマ法王ヨハネ・パウロニ世は、かつてアメリカを訪問した際は辛辣な発言をしたが、日本では違う。

「天皇陛下に個人的に敬意を表す機会に恵まれたことは大きな喜びで、光栄と思っています。日本のみなさんが平和の理想をいつも心に抱き、人問の生命の尊厳を擁護し、そして絶えざる正義の追求を通して、それを守り通すことができるように祈っていますL

彼らは日本に期待をしているのだ。そして一九九九年十二月二十四日、二千年紀を終え、三千年紀を目指す「大聖年の扉」がバチカンの聖ペトロ大聖堂でゆっくりと開いた、そのとき。大聖堂に満ち溢れるように流れた音楽は、日本の琴の音による「さくら」の調べであった。これが何を意味するのか、すでに本書をお読みいただいた読者諸兄はおわかりであろう。

二十一世紀は日本の世紀であることが密かに宣言されたに等しいのだ。無宗教の国と世界から呼ばれているこの日本と日本人が、これから起こるであろう第三次世界大戦を止め、ネオコン政権によるアメリカの一極支配を覆す原動力になってほしい。それこそがローマ法王の預言戦略であり、真の意味での秘策なのである。

つまりここに来て、日本という国家、民族は、究極の鍵を握る存在としてネオコン宗教とバチカン双方からクローズアツプされているのだ。果たして日本はどちらの方針を選択すればよいのだろうか。ここで本書にたびたび登場するキーマンの一人、ドレーパー将軍の抱いていたもう一つの国連構想をご紹介しておこう。というのも、この構想は、これまで資料等で明かされたものではなく、あくまで同氏が生前に側近に伝え、その側近も、しかるべき時代が来るまで封印をしておこうと固く決意した、ある種、禁断の構想でもある。そのため時代の流れに沿ってドレーパー将軍の根本理念に若干のアレンジが加えられているが、あえて本書でご紹介することにした。

しさなぜなら、それは国際社会に対する日本の、今後の国際貢献のあり方を示唆している重要なアイデアだからだ。そして、今のような激動の時代だからこそ、日本人が勇気を出して彼の構想の実現に向けて立ち上がることができれば、間違いなく第三次世界大戦は先送りされるし、あるいは永遠に封じ込めることのできる可能性が生まれてくるのだ。(P192-P197)


アメリカ・ネオコン政権最期の強敵バチカン 中見 利男 著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4584187657/qid=1064283818/sr=1-5/ref=sr_1_2_5/249-6949403-2032345


(私のコメント)
今本屋に行くと、アメリカ人によるアメリカを告発する本が並んでいる。9・11以来の熱狂からようやくアメリカ人もイラク戦争のつまづきで、ブッシュ政権への批判の声が出始めたようだ。世論調査ではブッシュ政権を支持する数字が、支持しない数字に下回り始めている。おそらくこのままではブッシュ再選は難しくなってきた。

おそらくラムズフェルドかウォルフォビッツのどちらかはクビになるだろう。出来れば副大統領のチェイニーもクビにしたほうがいい。しかし誰もクビにならない可能性もある。ブッシュはキリスト教右派の強力な支援を受けており、批判を受ければ受けるほどこの宗教勢力は団結する。この宗教勢力はハルマゲドンを信ずるカルト宗教なのだ。

アメリカはこのような狂信的宗教がはびこり、その勢力が政界へも波及しブッシュ政権を左右するほどになっている。アメリカは宗教戦争を体験していないだけに、宗教と政治が結びついた時の恐ろしさを歴史として学ぶことがなかった。つまりアメリカ人の精神構造は中世時代のキリスト教がそのまま息づいている。だからアメリカのキリスト教はヨーロッパほど世俗的ではない。

日本はキリスト教国家では無いから、アメリカ人の精神構造が良く理解できない。ハルマゲドンといったところで、思い浮かぶのはオウム真理教で信者達が信じていたということがあった。つまりアメリカのキリスト教福音派はオウム真理教と大して変わらない宗教団体なのだ。テレビ伝道師たちの熱狂的番組を見れば誰でもわかることだ。

アメリカの宗教事情については、この『アメリカネオコン政権最後の強敵バチカン』にも詳しく書かれているが、要するに「アメリカに逆らうものは全て神の国に反逆するサタンだというのが彼らの言い分なのです」と指摘しているように、アメリカ人の精神構造はかなり狂信的になっている。もちろん正常な精神構造のアメリカ人も沢山いる。しかしブッシュ政権の誕生を見るようにそれは少数派になってしまった。

つまりブッシュ大統領の精神構造は麻原彰光と大して変わりがない。だから彼は二言目にはテロだとうるさく言うのだ。彼らは狂信的なるがゆえに9・11も自作自演するか、あるいは9・11が起きるのを黙認することが出来た。恐ろしいのはオウム真理教が核爆弾を持っていないが、ブッシュのアメリカは、全地球を何度も絶滅できるほどの核爆弾とミサイルを持っていることだ。そのことをマスコミは公表できないでいる。

このように狂信的になってしまったアメリカ人を説得できるのは、バチカンのローマ法王しかいない。ローマ法王は旧約聖書の預言書に書かれているような展開にしないためにも、日本はカナンの地へ軍隊を派遣してはならないと言っている。日本は平和を呼びかける天使となってハルマゲドンを防がねばならない。10月にはブッシュ大統領が来日するが、小泉首相はどのように返事をするのだろうか。

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