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【ロンドン福本容子】バグダッドの国連拠点爆破テロをはじめ、治安悪化や破壊活動で、イラクの経済復興が大きく遅れることが懸念され始めた。世界2位の確認埋蔵量がある原油の生産回復も、パイプライン爆破など妨害行為で難航している。一方、国際金融支援の前提となる世銀・IMF(国際通貨基金)の現地調査活動も停止を余儀なくされ、経済正常化の道筋に暗雲が広がっている。
先月ロンドンで開かれた専門家セミナーで、「イラク経済の正常化は900億ドルの投資が必要で、10年かかる」との予測が発表された。米系コンサルタント会社マッキンゼーの予測で、うち350〜400億ドルが石油関連、その他は電力・通信網整備100〜150億ドル、保健・医療関連100〜200億ドルなどだ。
復興費用の原資は原油輸出収入に依存するが、現時点の見通しは暗い。ロンドンのシンクタンク、国際エネルギー研究センター(CGES)の推計によると、収入は今年第3四半期が4億ドル程度、第4四半期も約18億ドルと、戦争前の第1四半期の42億ドルをはるかに下回る模様だ。
CGESのL・ドロラス氏は「生産・輸出復帰を阻んでいる最大の要因が設備への破壊活動」と指摘する。先週末、北部の主力パイプラインは、再開からわずか48時間で爆破され当分使用できなくなった。一方、南部では電力事情が不安定で輸出用大型タンカーへの積み出しに大幅な時間がかかっている。
このため、復興資金はは国際支援で賄うしかないが、バグダッドでのテロでIMF・世銀の現地調査に懸念が出ている。IMF・世銀は10月予定の支援国会合で、経済再建の針路を示すことになっているが、治安悪化で調査がスムーズに進みそうないな状況だ。
[毎日新聞8月23日] ( 2003-08-23-00:06 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/keizai/20030823k0000m020120000c.html