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中東和平構想ロードマップ
ハマスが停戦破棄宣言 イスラエル軍、最高幹部ら殺害
パレスチナ自治区ガザ市の中心部で21日午後(日本時間同日夜)、イスラエル軍の武装ヘリが車に向かって複数のミサイルを発射した。自治政府筋によると、イスラム過激派ハマス最高幹部の一人、イスマイル・アブシャナブ氏が乗っており、アブシャナブ氏と護衛2人が死亡した。ガザ自治区では6月末からイスラエル軍に代わって自治政府の治安警察が展開していたが、この攻撃でそうした治安協力は事実上破棄された。ロイター通信によると、ハマスと過激派「イスラム聖戦」は6月末から実施してきた停戦の破棄を宣言した。
これにより、イスラエルとパレスチナの「2国家」の平和共存を目指す新中東和平構想ロードマップ(行程表)は、最初の段階の治安協力と停戦でつまずき、全体が崩壊の瀬戸際に立たされることになった。また、報復の自爆テロが懸念され、暴力の応酬の悪循環に陥る恐れが高まっている。
アブシャナブ氏はハマス政治部門の中でも穏健派で、停戦にも積極的だったとされる。軍は6月にも、ハマス政治部門最高幹部ランティシ氏の殺害を試み、翌日にエルサレムでの自爆テロを招いている。ハマス幹部のハニエ氏は21日、「言葉ではなく行動で対処する」と述べており、再び報復テロが起きる危険が高い。
自治政府のアッバス首相は19日の自爆テロの犯人を逮捕する指示を治安当局に出すなど、報復に傾くイスラエルの動きに呼応するように、対策強化の姿勢を見せていた矢先だった。 (08/21 22:20)
http://www.asahi.com/international/update/0821/013.html