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8月21日付・読売社説(1)
[国連爆弾テロ]「ひるんだらイラク復興が遅れる」
蛮行である。どんなに言い繕っても、正当化できるものではない。
バグダッドの国連現地本部が爆弾テロに遭い、デメロ国連事務総長特別代表を含む多くの人たちが犠牲となった。
デメロ特別代表らは、米英軍の占領統治下にあるイラクで、人道支援活動を展開する一方、イラク統治評議会と協議しながら、同国の主権回復への道筋を探ってきた。その報いが、爆弾だった。
テロは、それ自体、忌むべき犯罪である。イラク戦争後、国連施設を標的とした初めてのテロ攻撃は、その卑劣な本質を一層あらわにした。小泉首相やブッシュ米大統領らが犯行を非難し、深い憤りを表明した。当然である。
今回のテロ攻撃で、イラク復興にとって治安の回復が最優先の課題であることが、改めて示された。同時に、米英主導の復興プロセスに反発する武装勢力が、攻撃の対象を無差別に拡大している傾向も明白になった。
今月に入って、バグダッドのヨルダン大使館前で爆発事件が発生し、十数人が死んだ。米英軍兵士を狙った攻撃は、やや沈静化しつつあるが、両国以外の兵士らが銃撃を受けている。
今回の事件同様、警備が手薄なら軍事目標以外でも攻撃する。国連の車列が銃撃を受け、援助関係者が巻き添えになったり、給水管や送電施設、石油パイプラインなど、市民生活や復興に直結するインフラさえ攻撃を免れていない。
イラク復興を妨害する勢力として、フセイン旧政権の残党や、近隣諸国から侵入したイスラム原理主義者らの存在が取りざたされている。
復興を妨げようとする勢力が何であろうと、フセイン政権が崩壊した後、民主国家としてイラクを再建することが、この国の最大の課題である。国際社会が、その過程で積極的に関与していくことが欠かせない。
そのためにも、国際社会は、テロ攻撃にひるんではならない。国家再建の後押しという目標を放棄したり、くじけていては、テロリストの思うつぼである。むしろ、テロ集団の孤立化、弱体化を促すさらなる方策を探りたい。
無論、必要な対策は講じなければならない。米国を中心に、治安確保のための一層の対策強化が求められる。国連安保理が、その創設を承認した国連イラク支援団(UNAMI)の役割を再考することも、検討に値しよう。
日本は、イラクへの自衛隊派遣を決めている。そうした基本姿勢を堅持すべきであることは、言うまでもない。
(2003/8/21/08:41 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20030820ig90.htm
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進軍ラッパ.