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【報告】 Dr. Doug Rokkeのオーストラリア・ツアー 〜 劣化ウランの恐怖 〜
http://japan.indymedia.org/newswire/display/605/index.php
by 千早
6月に来豪した元米軍軍医ダグラス・ロッキーの講演から、米・英が使用する劣化ウランの恐怖を知ってほしい。
【報告】 Dr. Doug Rokkeのオーストラリア・ツアー
〜 劣化ウランの恐怖 〜
湾岸戦争、アフガニスタン、この間のイラク侵略戦争等々で山と使われた、DU=depleted uranium、劣化ウランの悲惨さを伝えに、元米軍軍医のダグラス(ダグ)・ロッキー氏が今オーストラリアをツアー中で、私も昨夜(6月24日)のメルボルンでのミーティングに泊りがけで行ってきました。
TVのニュースで見た印象では、話題が話題だけに、沈鬱で堅苦しそうな人物に見えたのですが、お会いしてみたらとても気さくで快活、陽気な方でした。
話の概要は、すでに星川淳さんがずっと前に回して下さったメールや、「劣化ウラン研究会」の山崎久隆さんがお書きになったものをはじめとして、ネット上で読んで知ってはおりましたが、それをご本人の口から聞く重さと哀しさはひとしおでした。
ツアーをアレンジしたブリスベンの女性に依ると、「夜9時までには床に入りたい」(被曝した体ゆえ、疲れやすい)ということでしたが、昨夜のミーティングは7pm始まりで、終わったのは9pm近く。そのあとにラジオのインタビューも控えていたので多少昼寝をされたと、付き添っているヴィクトリア・ピース・ネットワーク(VPN)のおじさんに聞きました。
バック・パッカーで一夜を明かしてから、VPNのオフィスに寄ってみたらなんとダグがいて、「昨夜は君も(ラジオ局に)来るんだとばっかり思ってたのに、どこへ消えちゃったのさ!?」と。
暖房もない超寒いオフィスの中で(今朝は3℃だったと。通りで寒かった!)PCに向かってご自分宛てのメール・チェックをなさりつつ、電話でダーウィンのラジオ局からのインタビューと、メルボルンのコミュニティー・テレビ局のインタビューを意欲的にこなされていました。
息子さんの寝室に弾丸を撃ち込まれたり、色々なデータ共々コンピューターを盗まれたり、危険な目に遭ってこられたそうですが、そういうことは問われるまでは一切語らず。
そういう状況下でも、ひるむことなく告発を続けるその勇気と決意には畏敬の念を覚えます。
「ありがとう!」と言われる度に、"I'm just finishing my job!"と笑っておっしゃっていましたが、それは要するに、「湾岸戦争のときに、友軍の誤爆を受けた米軍車両の除染作業と負傷した兵士の救助を命じられた。その任務を続行して遂行しているに過ぎないのさ」ということなのです。上手なスピーチに不可欠な、ユーモアのセンスも充分お持ちでした。
「ボクがこっち(オーストラリア)に来た途端に(米軍幹部が)『ダグラス・ロッキーは健康です』って声明を出したそうだけど、またもや嘘っぱちだね。こっちの医者にデータを見せたら『とんでもない!』って。でも地球の反対側までボクを追っかけて気にしてるってことは、(ダグが講演していることの)効果があるという証明だよ」
「VPNが、平和運動の活動家たちが、『軍人の医療の面倒をちゃんと見ろ』って要求してくれているんだ。ありがたいね」
「そのときのことは単語みっつで言い表せる。
オー・マイ・ゴッド!さ」
「(除染)作業を開始して1,2日の内にみんな工合が悪くなった。9ヶ月たった頃には癌患者が出、1,2年の内には死亡者までが出始めた。親友も死んだ。軍という機構の中で、体がおかしくなった連中の面倒をもっと真面目にみてもらおうと何年も頑張ったけど、みんな嘘をつき続け、“劣化ウランの恐怖”という事実の隠蔽に躍起だった」
「DUの榴散弾(砲弾の破片)が体に入ったままの連中も、そのまま放っておかれたんだ。放っておいたらどうなるかを知る為さ。そうやってじきに、榴散弾の回りには腫瘍が出来たんだよ」
「これは神に対する、また人類に対するひどい犯罪さ」
「榴散弾だって、見た目はきれいで珍しいから子供たちなんか喜んで拾って遊ぶだろ。その結果どうなるか。子供たちがどんな悪いことをしたって言うんだい? そんな悲惨な目に遭うに見合うことなんか何にもしちゃいないんだぜ!」
「いくら言っても何もやってもらえない上に、自分の尿にも大量のウランが検出されていることを2年以上も隠されたことがわかったあと、1997年の5月に軍の牧師と4時間話し合って、もう限界だと感じて事実を公にすることに決めたんだ」
「それまでは、やれ昇進だなんだとみんなボクを大事にしてくれていたのに、いざ告発を始めたら掌を返したようだった」
「米軍兵士達にもたくさん先天性異常の赤ん坊は生まれたよ。でもみんな口を開いたら健康保険を切られてしまう。だから誰一人真実を話そうとはしないのさ」
「『劣化』っていう表現は嫌いだね。だってまるで『害がありません』って聞こえるじゃないか。とんでもないよ!」(実際彼はその「劣化」という言葉をつけずに「ウラン」と表現していた)
「ウランで汚染された人間を治療して直すことなんてできないんだ。単に、症状をなんとか安定させること位しかできないんだ」
「(軍や政府を)訴える? アメリカの軍人は(法律で決まっていて)国を訴えたりできないんだ」
「ああクシニッチ? 誰が大統領になろうとおんなじさ。グリーン? みんな(私達が米国政府というものを)わかってないね。第一(この一連のことに)ブッシュなんて関係ないんだ。みんな20年以上も常勤の連中が決めていることだよ」
「でもクリントンなんかもっとひどかったぜ。ゴアが大統領になっていたら、イラク侵略も2年は早かったはずだ。アフガンだって(9・11の)ずっと前に(攻めることが)決まっていたんだ」
国際刑事裁判所も批准しないアメリカ政府、ベルギーにも圧力をかけて、自分達を訴えられない様にしてしまったアメリカ政府云々という現実を踏まえ、どうやったらこの事態を変えていけるのかという私の質問に、
「政府の責任っていったって、みんなそれぞれ個人がやっていることさ。イラクの市民を撃ち殺したのだって、パレスチナ人を撃ち殺したのだって、なんだって。だからそういう人間を一人々々訴えて裁いていかなくちゃ」
「どうやって? こうして一人でも多くの人に真実を知ってもらって、広めてもらうことを続けていくことからやらなくちゃね」
TV局のインタビューの最後にも繰り返し、
「汚染された地域を全部除染してきちんと処理をし、軍人民間人を問わず、被爆した人間全員の医療面をカバーすることを、そしてウラン兵器を二度と使用しないことを要求します」とおっしゃって、締めくくっておられました。
彼のこの真摯な努力(というにはあまりに重いが)を、私達も最大限に活かしていかねばなりません。
何年かかろうとも!
千早
May Earth be Filled with Peace and Happiness!
注:劣化ウランの問題をご存知ない方は、
劣化ウラン弾-どんな兵器か、どんな被害が生じるか(上)
http://www.jrcl.net/web/frame03512a.html
劣化ウラン弾-どんな兵器か、どんな被害が生じるか(下)
http://www.jrcl.net/web/frame03519a.html
中国新聞のサイト
http://www.chugoku-np.co.jp/abom/uran/iraq_kids/
TUP速報96号 03年5月28日 世代を超えて続く、イラクの劣化ウラン被害
http://www.egroups.co.jp/message/TUP-Bulletin/89
などを参照して下さい。