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【ジャカルタ=黒瀬悦成】インドネシアのユドヨノ調整相(政治・治安担当)は13日記者会見し、ジャカルタ中心部の米国系高級ホテル「J・W・マリオット」で起きた爆弾テロの再発防止に向け、今年3月に制定したテロ対策法の強化を検討する方針を表明した。
今回のテロを受け、メガワティ政権の閣僚からは、“テロリスト予備軍”を逮捕状なしで無期限に拘留できる、シンガポールやマレーシアの「国内治安維持法」と同様の法制度導入を求める意見が相次いでいる。しかし、有識者らの間では、「スハルト独裁政権崩壊後の民主化に逆行しかねない」として反対の声が強い。
ユドヨノ調整相によれば、法改正は、テロを起こしそうな人物や団体の事前拘束を容易にし、「テロ予防の強化を図る」のが最大の狙い。調整相は14日、関係閣僚会議を招集し、具体的協議に入る。
治安当局者によると、現行のテロ対策法は、テロの容疑者を逮捕状なしに最長6か月間事前拘束できる。一方、シンガポールやマレーシアの国内治安維持法は、国内の治安を脅かすと見なされた人物を、裁判なしで無期限に拘留することが可能。インドネシア国内では「周辺国に比べテロ対策が甘すぎる」(マトリ国防相)との声が上がっていた。
シンガポールでは米同時テロ以降、治安維持法に基づき、同国内で大規模テロを計画中だった東南アジアのテロ組織「ジェマア・イスラミア」(JI)幹部・構成員多数を収監し、JIの組織に大打撃を与えた。ただ、マレーシアでは、マハティール首相が1998年、政敵のアンワル副首相(当時)を逮捕する際に同法を適用するなど、両国で、政治的思惑で同法が運用されたケースも少なくない。
一連の動きにインドネシアの有力法曹団体は、「テロ予防は、現行法でも対処できる」と主張するなど、政府に慎重な対応を求める声が広がっている。
(2003/8/13/23:28 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20030813id22.htm