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【エルサレム樋口直樹】イスラエル中部ロシュ・ハアインのスーパーマーケットで12日午前9時(日本時間同午後3時)ごろ、自爆テロが起き、2人が死亡、約10人が負傷した。その直後、ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地アリエル近くのバス停でも自爆テロが起き、2人が死亡、3人が負傷した。死者のうちそれぞれ1人は自爆犯とみられる。イスラム原理主義組織「ハマス」がアリエルでの犯行を認めた。ロシュ・ハアインの犯行声明は出ていないが、警察はパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハ系組織の犯行とみている。
公共の場を狙った自爆テロは、ハマスを含むパレスチナ主要3派が6月末に停戦を宣言して以来初めて。ロイター通信によると、イスラエルは同日予定していたパレスチナ人76人の釈放を延期した。約1カ月半の間沈黙を守ってきたハマスが再び自爆テロを起こしたことで、イスラエルが過激派の取り締まり強化に乗り出すのは必至だ。停戦宣言以来比較的平穏だったイスラエル・パレスチナ間の関係が再び険悪化する恐れもある。
ロシュ・ハアインはイスラエルの主要都市テルアビブの東約10キロにあり、同国とヨルダン川西岸の境界線であるグリーンラインに隣接。アリエルはロシュ・ハアインから東へ約20キロ離れている。ハマスの軍事部門はインターネットで犯行声明を発表。自爆したのは西岸自治区ナブルス出身の21歳のパレスチナ人という。警察は2件の自爆が同一組織によるものではないとみているが、ハマスとファタハ系組織の共同作戦の可能性もある。
今回の事件は、イスラエルがパレスチナ自治政府に対する過激派解体要求を強めていた矢先に起こった。ナブルスでハマスの地元幹部ら2人が8日、イスラエル軍に殺害され、対イスラエル停戦を宣言しているハマスは、停戦違反だとしてイスラエルを強く非難、報復を示唆していた。
ただ、その後もハマスは停戦自体は継続する意思を表明しており、今回の事件でもあえてイスラエル領ではなく、占領地である西岸のユダヤ人入植地を攻撃対象に選んだものとみられる。
一方、湾岸諸国を訪問中のアッバス自治政府首相は12日、日程を切り上げ急きょ自治区に戻ることを決めた。2件の自爆テロを非難するとともに、自治区でのイスラエル軍の行動が過激派を刺激していると非難した。
[毎日新聞8月12日] ( 2003-08-12-21:26 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20030813k0000m030035004c.html