現在地 HOME > 掲示板 > 戦争38 > 339.html ★阿修羅♪ |
|
これから紹介するのは
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ホンデリック騒動」:パレスチナ反シオニズム・レジスタンスへの「知識人」たちの反応
http://www.asyura.com/0306/war38/msg/206.html
WA38 206 2003/8/08 02:33:17
投稿者: 【哲学クロニクルからの転載】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
の続編です。ドイツのズーアカンプ社がパレスチナ問題についての倫理的考察を
論じた本を出したが、それが「反ユダヤ的」だとの攻撃を受け、不当な言論狩りに
屈して再版しない方針を決めた……。それに関する展開。
---------------------------------------------------------------------------------
┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏
哲学クロニクル 第401号
(2003年8月11日)
ホンデリック論争続報
┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏
小旅行から戻ってみると、ドイツではホンデリック問題が論争にまで発展してい
た。まず最初は、ドイツ・ラジオでブルムリックの批判をまったく否定し、「こ
の本の販売の停止などありえない」と、強気の姿勢だったズーアカンプが態度を
変えて、再版しない方針を明らかにした。何部刷ったのかわからないが、議論を
呼んだ『テロの後で』はすでに初版が売り切れているので、「市場から回収する
よう」求めたブルムリックの要求に従うことになる。
ズーアカンプ社は声明文で、「パレスチナのテロに対する著者の姿勢を、本社が
早い時期で把握できなかった」ことに、遺憾の意を表明した。そして「ホンデリッ
クは、議論を呼ぶ対立についての解明が可能であり、必要であるべき次元」を無
視したと、この書物に対する非難を認めた格好だ。
また一方ではホンデリックは、フランクフルター・ルントシャオにブルムリック
に反論する公開書簡を発表した。この書簡は、ブルムリックが勤めるフランクフ
ルトのヨハン・ヴォルフガンク・ゲーテ大学に、ブルムリックの解任を求めるも
のである。その内容をご紹介しよう。
====
書物を禁じること−−学問の原則
(テッド・ホンデリック)
ホロコースト史のためのフリッツ・バウアー研究所の理事であり、貴大学の一般
教育学研究所の教授であるミヒャ・ブルムリックが、わたしを反ユダヤ主義だと非
難している。わたしの著書『テロの後で』において、イスラエル国家に抗するパ
レスチナ人の道義的な権利を擁護したからである。一方でイスラエル国家は、パ
レスチナ人を殺害する道義的な権利を主張しているのである。
わたしは反ユダヤ主義だという非難を浴びて憤慨した。自分の目を信じられない
ほどだった。この書物を出版したニューヨークのエジンバラ大学とコロンビア大
学の出版局の出版者たちと、ドイツ語の翻訳を出版したズーアカンプ社が、わた
しの反ユダヤ主義を見逃したなどということがありえるだろうか。
わたしの本を読んで、わたしが反ユダヤ主義であるなどと主張できる人はいない。
もっともすでに「新しいシオニズム」とやらを信奉している場合は別だろうが。
ブルムリックの非難には、精神分析的な調査が必要かもしれない。わたしがユダ
ヤ人の女性と結婚した理由について、わたしがドイツでホロコーストについて講
演するのを控えた理由について……。
わたしが反ユダヤ主義だという非難は無礼で愚劣なものであり、ブルムリックの公
開書簡のいかなる文章も、真面目に取り上げるに値しない。
さらに、政治的な見解に同調できない人物と論争するのは、忌まわしいことであ
り、わたしは避けたい。そもそも国際的に名声の高い出版社に圧力をかけるのは、
不名誉なことでもある。
真理と礼節にたいするこのすさまじい犯罪は、学問の原則からも認められないも
のである。わたしは貴大学が、ただちにミヒャ・ブルムリックを教授の地位から解
任することを検討されるよう、求めるものである。
====
ホンデリックの反論はあまり説得力がなくて、すこし残念(笑)。このままでは
ドイツでは「自主規制」で、イスラエル批判の書物が刊行されなくなるのではな
いかと、すこし心配。
なお、これらの公開書簡が発表されたフランクフルター・ルントシャオ紙には、
ホンデリック論争の特集ページが開設された。さまざまな批判や論点がまとめて
読めるので、便利だ。
http://www.fr-aktuell.de/startseite/topthema_die_honderich_debatte/
をごらんいただきたい。
┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏
ポリロゴス事務局
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー