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(回答先: 「分離フェンスは国境画定の障害」米大統領 [日本経済新聞] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 8 月 09 日 17:20:08)
【ワシントン=永田和男】パウエル米国務長官は7日の記者会見で、イスラエルがテロリスト侵入阻止の名目でヨルダン川西岸に建設を進めている「分離フェンス」について、「懸念を抱いている」と述べたうえで、今後のイスラエル側の姿勢によっては、米政府が供与している債務保証の削減も検討していることを明らかにした。「分離フェンス」は先月末第1期工事が終了したが、ユダヤ人入植地を取り込むため西岸にかなり入り込む形となっており、すでにパレスチナ住民の生活に影響が出ているほか、イスラエルが将来の国境線の既成事実化をはかろうとしているとの懸念も強い。
パウエル長官は、イスラエルの治安上の懸念は理解するとしながらも、「フェンスがイスラエルの側でない土地にはみ出し、パレスチナ国家成立への協議を難しくするとすれば問題だ」と述べ、フェンスが国境線の画定を複雑にし、二国家共存を目指す和平案ロードマップ(行程表)進展の妨げになることへの懸念を表明した。
長官はさらに、最近イスラエル紙が報じた債務保証削減の有無について「議会の方針には忠実でなければならない」と語って、対イスラエル債務保証がヨルダン川西岸とガザでの入植地建設の目的に使われることを禁じた米国内法を根拠に、90億ドルの今年度債務保証を削減する可能性を示唆した。この法律によると、フェンス建設が入植地建設と結びついた事業と認定された場合、これまでに要した建設費と同じ額が債務保証枠から差し引かれる。
◆ユダヤ人入植地=1967年の第3次中東戦争でイスラエルが占領したヨルダン川西岸やガザ地区などにユダヤ人が作った住宅地域。シャロン政権下で建設計画が加速し、約150か所に約20万人が居住するとされる。
(2003/8/8/22:10 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20030808id28.htm