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【ワシントン=菱沼隆雄】パウエル米国務長官がブッシュ大統領再選の場合でも留任しない意向を固めたと報じられたことに関連し、大統領は6日、去就について「適切な時期に対処する」とだけ述べ、続投を求めると明言しなかった。穏健派のパウエル長官らが政権を去れば、強硬派の影響力が強まるのは確実なだけに、大統領の真意をめぐり憶測が飛び交っている。
ブッシュ大統領は同日、休暇先のテキサス州クローフォードで、パウエル長官らと記者団の前に姿を見せ、「パウエル長官はすばらしい仕事をしている。(ニュースの少ない)8月は多くの憶測が渦巻き危険な時期だ」と語り、報道には根拠がないと強調した。
だが大統領が「再任」を明言しなかったことの方が、記者団の注目を集めた。
国務省筋によると、パウエル長官に留任の意思がないのは「公然の秘密」で、「省内では続投の意思があるならそちらの方がびっくり」との声も。パウエル長官も同日、「大統領の意向に沿うよう働くだけだ」と語っているが、続投の意思を明確にしなかった。
背景にはラムズフェルド国防長官やチェイニー副大統領ら強硬派との外交路線をめぐる対立が指摘されている。外交筋によると、北朝鮮の核問題をめぐる日本と韓国との協議でも、国防総省と国務省の対立で米国は統一見解を示せなかったという。パウエル長官が「米外交を仕切る意気込みで就任したのに、仕事に嫌気がさしている」(国務省筋)ということは十分考えられる。
もっとも、第2次大戦後の米国で、国務長官を5年以上務めているのは、レーガン政権下で82―89年の7年間にわたり任にあったシュルツ氏ら3人だけで、パウエル長官が再任されなくても異例ではない。
このため、この時期に「退任」のニュースが流れたことについて、〈1〉北朝鮮やイランの核問題の収拾に向けた動きが出た機会をとらえ、政権内を強硬路線でまとめようと強硬派が揺さぶりに出た〈2〉大統領選前に国民に人気のあるパウエル長官と、ブッシュ大統領の間にくさびを打ち込んで、政権に負のイメージを植えつける民主党の策略――などうがった見方が出ている。
(2003/8/8/02:14 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20030807id27.htm