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http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20030809k0000m030087000c.html
【ロンドン岸本卓也】テロ犯罪を裁くアイルランドの特別刑事法廷は7日、首都ダブリンで開いた公判で、英国・北アイルランドのカトリック系過激派組織「アイルランド共和軍」(IRA)の分派組織「真のIRA」のリーダー、マイケル・マクケビット被告(53)に対し、禁固20年の実刑判決を言い渡した。IRAは97年7月以降にテロ活動を停止しているが、「真のIRA」は和平交渉に反対して爆弾テロを続けている。
判決によると、マクケビット被告はIRAの有力幹部だったが、主流派の和平路線に反発して「真のIRA」の活動を指導した。同被告の罪状を証言したのは、米英の捜査機関から100万ドル以上の報酬を得て過激派の動向を探っていたデビッド・ルパート氏。被告側は「金目当てのルパート氏の証言は信用できない」と無罪を主張したが、裁判所は「信用できる」として有罪とした。同被告は「裁判は政治的な見世物にすぎない」と反発している。
北アイルランド紛争は98年4月に英、アイルランド両政府が北アイルランドに自治政府をつくる和平路線で合意した。和平交渉はIRAの武装解除問題で難航しているが、IRAは停戦を続けている。しかし、和平に反対する「真のIRA」は同年8月に北アイルランド・オマーの繁華街で自動車に積んだ爆弾を爆発させるテロを行い、紛争史上最悪の29人の犠牲者を出した。
判決ではマクケビット被告の罪状を「オマー事件」の後のテロ活動に絞った。「オマー事件」以降の「真のIRA」による爆弾テロは01年3月のロンドン・BBC放送センター前での自動車爆弾事件などがあるが、市民に死者が出た事件はない。「オマー事件」を罪状に入れなかった理由についてジョンソン判事は「この法廷は犠牲者の復しゅうをするためのものではない」と述べた。
[毎日新聞8月8日] ( 2003-08-08-22:31 )