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【ヒバクシャが世界中に広がっている 】劣化ウランと原発が地球をむしばむ
http://www.asyura.com/0306/war38/msg/177.html
投稿者 NOユージ 日時 2003 年 8 月 07 日 16:38:49:Yi9aAI/v.7r2c


米女性科学者 ローレン・モレさんに聞く
『ヒバクシャが世界中に広がっています』劣化ウランと原発が地球をむしばむ 2003-8-5
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  劣化ウラン兵器はこれまで朝鮮半島、イスラエルの対アラブ攻撃で使われましたが、初めて戦場で大規模に使われたのは湾岸戦争です。コソボ、ボスニア、プエルトリコ、鳥島(射爆場)、アフガニスタン、そして今回の第2次湾岸戦争。これらの地域で今後起きてくる被害は、まだ正確には予想もつかないし、誰にも止めることはできません。
 第1次湾岸戦争では約340トンの劣化ウラン弾が使われ、すさまじい影響が出てきています。イラク市民と米国帰還兵に、各種のガン、先天的欠陥症など多種多様な放射線障害が急増しています。カナダのハリ・シャーマ博士は、戦後にガンで亡くなったバスラ住民71人の体細胞を採取し、1?あたり150マイクログラムの劣化ウランを検出しました。これは非常に高い濃度の劣化ウランが体内に蓄積されていることを示しています。
 米国の復員軍人庁は251人の湾岸戦争帰還兵を調査し、戦後に生まれた子供のうち67%に先天性異常があることがわかりました。目、脳、臓器、手足に欠損があったり、白血病を持って生まれてきています。兵士の精子に劣化ウランが含まれているため、パートナーの体も汚染されます。
 1グラムの劣化ウランは1分間に1万2000ものアルファ粒子を放出します。体内に入り込んだアルファ粒子は血液に入って体中に運ばれ、免疫・神経系を破壊し、筋肉や脳にもダメージを与えます。そして時間をかけて細胞内の生命体が生きるためのエネルギーを作るミトコンドリアやDNAを破壊するのです。湾岸戦争症候群の兵士たちの多くは慢性疲労に悩まされ、ゆっくりと殺されているのです。

次世代核兵器として開発された

 劣化ウラン弾の青写真が描かれたのはマンハッタン計画の最中です。これはとても示唆的なことです。1943年10月、マンハッタン計画の指揮官グローブ司令官が3人の科学者から受け取った覚え書きが残されていますが、放射線兵器の開発を進言したものでした。それを見ると、1943年の段階でアメリカ政府とペンタゴンは極微細粒子となった放射性物質がガスのように舞い上がり、非常に有効な兵器となることを知ったことがわかります。同時に、大気、水、食糧、土壌を汚染すること、吸い込まれた粒子は血液を汚染し、全身の体細胞に拡散して長期にわたる内部被曝を引き起こすこと、そしてその粒子はあまりに小さいために、最高品質のガスマスクも通り抜けることも、すべてこの時点で分かっていたのです。
 すべての兵器は通常、実戦で使用されるまでに膨大な実験が行われます。劣化ウラン弾の開発実験は74年〜99年まで行われ、私はその研究報告書をロスアラモス研究所で見つけました。それもグローブ司令官の覚え書きと同様、人体と環境に与える影響がすべて明らかになっていたことを示しています。その上で、核兵器使用のタブーの抜け道として開発されました。米政府が湾岸で起きている被害を過小評価したり、環境に与える影響について知らぬふりをしたりするのは、全くのでたらめなのです。
 米政府は兵士たちに劣化ウランの危険性を何も知らせず、放射能の危険にさらしました。浮遊する微粒子は、一番性能がよいといわれるHEPAマスクさえもくぐり抜け、身体をむしばむことを未だに認めていません。日本は自衛隊をイラクへ送り出そうとしていますが、自国の兵士たちを放射能にさらした米軍が同盟国の軍隊をどのように扱うかは、明らかではありませんか。
 今年4月、WHOは今後20年間に世界のガン患者は50%増加すると警告しました。私は劣化ウランの大量使用に関係があるのではないかと考えています。米国は自国内でたくさんの研究・実験場周辺地域を汚染し、さらに29カ国に劣化ウランを輸出しています。核兵器製造や原発から出る廃棄物で作るこの安価な兵器は膨大な儲けをうみ出しています。戦場で舞い上がった放射性物質は気流に乗って全世界に拡がります。今後、米軍帰還兵やイラク、バルカン、アフガンやユーゴの人々だけでなく、また私たち自身の体だけでもなく、将来の世代の健康と環境に深刻な影響を与えるでしょう。
 米政府が核兵器開発・製造に拠出する資金は、冷戦期を上回り過去最高額を計上しています。もはや米国に憂慮すべき敵はいないのに、軍事予算は増え続けているのです。そして兵器の在庫が増えてくると、どこかに次の敵を探し出す。それはチェスをしているようなものです。
 戦争は人々の健康と環境を破壊する最悪のものです。そして劣化ウラン弾は、史上最悪の無差別大量殺戮兵器です。いったい地球上に、「安全保障のため」と称して次世代の若者たちを殺す種がいるでしょうか。むしろ劣化ウラン弾の使用を続ければ、世界はますます安全ではなくなるのです。

原発周辺に住むリスク

 ヨーロッパの研究者たちが参加するECRR(放射線リスク全欧会議)は、1945年以来の世界の核プロジェクトによって、117万人以上がガンで死亡し、今後核燃料サイクルを続ければ、環境中に放出される放射線の影響でガン発生が著しく増えると予測しています。おそらく世界でもっとも放射能汚染が深刻なのはロシアですが、それは核兵器開発・実験によるものです。放射能汚染は63年にソ連・アメリカが大気中核実験禁止に合意するまでにまき散らされた死の灰や、チェルノブイリやスリーマイルのような原発事故での放射性物質だけによるものではありません。ほかのすべての核施設、つまり核兵器研究所、製造工場、貯蔵・輸送施設の正常な運転で、人体に有害な放射性物質が放出されるのです。
   〔図1〕は100マイル以内に核施設を持つ1500あまりの市町を示したものです。1985〜89年に乳ガンで亡くなった人の3分の2がこの地域に住んでいたことが、政府機関の統計からわかっています。
 私が参加しているRPHP(放射能と市民の健康に関するプロジェクト)は3500人分の乳幼児の歯を収集し、ストロンチウム90を測定してきました。80年代以降、すべての地域で検出値は上昇しています。フロリダ南西部(ターキーポイント、セント・ルーシー原発などがある)の小児ガン患者の歯から検出されたストロンチウムは、健康な子供より55%も高かったのです。原発のそばに暮らすことがガン発生リスクを高めることは明らかです。ヒバクシャは戦場だけではなく、全世界に拡がっているのです。
 私の出身校カリフォルニア大学は60年にわたってロスアラモス、リバモア両研究所の核兵器研究所を運営してきましたし、私はローレンス・バークレーとリバモアの核兵器研究所で5年間、研究者として働いていました。その意味で、私はマンハッタン計画の正当な後続者として教育されてきたのです。だから核兵器が引き起こしている本当のことについては、なにも知らされていなかった。劣化ウラン弾の問題に関わり始めたのは3年前、ヒロシマ・ナガサキを訪れてからです。その衝撃には、本当に感謝しています。
 なによりも大切なのは本当に起きていることを知ること、そして知らせること。日本のジャーナリスト田代明さんが書いた世界の劣化ウラン弾被害に関するレポート『知られざる被曝者』に、私は序文を書いていますが、米国の大学で環境科学の授業に使われたり、あちこちの集会で売られています。
 劣化ウランの半減期は45億年、地球の年齢と同じです。劣化ウラン弾が燃え始めると、その70%は 0・1ミクロン(0・001ミリ)の超微粒子になって、ガスのように舞い上がります。そして風に乗り川の流れに入って、数千マイルも運ばれていきます。コソボ・ボスニア空爆の時には、ハンガリーやギリシアで劣化ウランが記録されました。兵器が国際法に違反しないとみなされるためには、次のようなことが必要とされています。
1)戦闘終了後、効力を持ち続けない、2)環境に過度の悪影響を及ぼさない、3)戦闘地域外に影響を及ぼさない、4)残酷な方法で殺傷しない。 劣化ウラン弾の使用はこれらの4点すべてにおいて、ハーグ条約(戦闘方法・手段を制限)、ジュネーブ条約(非戦闘員の保護)などの国際法、そして米国内法に明確に違反しています。
 すぐにでも劣化ウラン弾の製造、販売、貯蔵、使用を禁止することが必要です。そしてその動きはもう始まっています。あなた方が銃になるならば、情報を持っている私たち科学者は弾丸になることができる。すべての生命のために、お互いに教えあっていきましょう。
(文責・編集部)
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ローレン・モレ LEUREN MORET
元女性地球科学者協会会長。米・バークレイ市環境委員。湾岸戦争後、劣化ウラン弾による白血病などの健康被害調査に参加。長期にわたる低線量被曝が健康に及ぼす影響を研究。バーバラ・リー下院議員とともにイラク反戦や宇宙の非核化を訴える。
http://www.bund.org/opinion/1118-3.htm

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☆参考サイト
「小さな人々が大きな力を持つ」
――7/5ルーレン・モレさん講演会(速報)――
http://www.jca.apc.org/stopUSwar/Our_actions/moret-jly5.htm#report2


□映画「ヒバクシャ」
http://www.g-gendai.co.jp/hibakusha/index.html

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