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社説
2003年08月02日
6カ国協議 結束固めて核封じ込めを
北朝鮮が7月31日、核開発問題で米中朝に日韓、ロシアを加えた6カ国協議の開催を受け入れる意向を表明した。
開催期日や協議の方式は明確でなく、北朝鮮が開催に何らかの条件をつけているのかどうかもわからない。この問題で北朝鮮は米朝2国間の直接交渉にこだわってきた。その真意を見定めるまではまだ気が抜けない。
とはいえ、北朝鮮が誠実に協議を通じて問題解決をめざすのであれば歓迎すべきことだ。6カ国協議では、日韓と共に米中ロシアがテーブルを囲んで北朝鮮と相対することになる。北東アジアの安全と平和に直接的利害を持つ国連安全保障理事会の3常任理事国がそろって核問題解決に責任を負う。その重さを北朝鮮はしっかりと受け止める必要がある。
この問題の核心は、北朝鮮の核保有がどの国にも利益とならないばかりか、地域の平和と安定に重大な脅威となることだ。
北朝鮮は昨年10月、数々の国際合意に反して新たな核開発を進めていた事実を認めた。4月の米中朝協議では「核保有宣言」を行い、凍結されていた使用済み核燃料棒の再処理にも着手した。
核をもてあそぶような瀬戸際外交に対し、さすがに中国も危機感をもって外交的解決の仲介に本腰を入れた。米中の急接近と協力の進展によって、これまで後方に控えていたロシアは核問題から取り残されそうな情勢になった。
ロシアが先月中旬から同国を加えた6カ国協議に真剣に取り組み始めたのは、こうした事情に加えて核問題を現実の脅威と受け止めたからだろう。その意味で言えば、日米韓が一貫して「検証可能で不可逆な核計画の廃棄」を求め、「対話と圧力」の外交的包囲網を強めてきたのが功を奏した。
中国、ロシアも「朝鮮半島の非核化」との言い方で、北朝鮮の核開発に反対を表明している。各国の北朝鮮との距離やニュアンスに違いはあっても、「北朝鮮に核を持たせない」という認識で各国とも一致している点が重要だ。
この線を今後も大切にしたい。周辺国の一致した認識が外交的圧力となって北朝鮮の姿勢を変えさせた。この結束を維持することが問題の完全な解決にもつながるからだ。首尾よく6カ国協議にこぎつけても、短期間で合意が達成される保証はない。北朝鮮は米国に体制保証と不可侵の確約を求め、核放棄は経済支援、関係正常化などの後に位置づけている。
だが、北朝鮮の過去の行動からすれば、まずは核の放棄を前提とすべきだ。日米韓、中露の緊密な協調と連携を求めたい。
核問題の解決は、朝鮮半島の長期的将来ともかかわる。北朝鮮があくまで核保有の道を進めば、かりに体制が生き残っても経済的に自滅するしかない。逆に平和と安定が確立されれば、地域の資源開発や交通、通商の発展が地域の新たなテーマとなる。そうした対話に参画するのか、それとも危険な孤立の道を進むのか。北朝鮮は心して判断してほしい。
(毎日新聞 08-01-23:32)
http://www.mainichi.co.jp/eye/shasetsu/200308/02-1.html