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8月2日付・読売社説(1)
[六か国協議]「圧力堅持し『北』の時間稼ぎ許すな」
一歩前には進んだ。だが、まだ、入り口に達したかどうかも定かではない。
北朝鮮が、核開発問題を巡る六か国協議に応じる意向をロシアを通じて伝えてきた。日米などが主張する多国間協議ではなく、米国との二国間協議にこだわってきた北朝鮮が、形の上では譲歩したことになる。
しかし、これで国際社会が目指している北朝鮮の核開発放棄への道が開けたとは、とても言えまい。
協議にあたり、北朝鮮がどのような条件をつけようとしているのかなどを、まず見極める必要がある。
北朝鮮が姿勢を変えた背景には、日米両国などが「対話と圧力」の路線を崩さなかったことがある。米国が、国連安全保障理事会による制裁をちらつかせる中で、北朝鮮も軌道修正せざるを得なかったという面もあるだろう。
今後も、そうした厳しい姿勢を国際社会が堅持し、北朝鮮にさらなる対応を促していかなければならない。
その意味で、六か国協議に参加する日米中韓露五か国の役割は重大だ。
忘れてならないのは、検証可能かつ不可逆的な形で、核開発計画の全面的放棄を北朝鮮が約束することが、問題解決のポイントであるという点だ。今月下旬にも北京で開かれる協議に向け、五か国はそうした認識を共有すべきである。
五か国は、平和的に核開発計画を放棄させるという点では一致している。とはいえ、具体的な手順などで、考え方に開きがあるのも事実だ。五か国の間のずれが大きくなれば、北朝鮮に付け入るすきを与えることになりかねない。
中露両国は、もともと北朝鮮の友好国だ。金大中前政権の「太陽政策」を継承した韓国の盧武鉉政権も、宥和(ゆうわ)を北朝鮮政策の基本としている。「六か国協議で北朝鮮は三か国を盾にしようとするのではないか」と指摘する専門家もいる。
北朝鮮が「対話」に応じたからといって、「圧力」を緩めては、元の木阿(もくあ)弥(み)になる。日本は、米国と歩調を合わせ、他の三か国に対しても、そうした認識を持つよう働きかけるべきである。
北朝鮮は、核開発計画を進め、国際社会に恫喝(どうかつ)を加え続けている。北朝鮮の政策の時間稼ぎに、六か国協議が使われることは、避けなければならない。
日本の民間活動団体(NGO)の代表が、北朝鮮に残された日本の拉致被害者の家族と面会した。
国際社会の厳しい対応を前に、北朝鮮が日本に揺さぶりをかけてきたと見ることもできる。そうした攪乱(かくらん)戦術に惑わされてはなるまい。
(2003/8/2/00:01 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20030801ig90.htm