現在地 HOME > 掲示板 > 戦争37 > 903.html ★阿修羅♪ |
|
パキスタン:
イラク派兵見送り 世論反発など考慮
【イスラマバード西尾英之】パキスタン政府は1日までに、現時点では米国の要請に基づくイラクの治安維持活動への兵士派遣に応じない方針を固めた。同国外務省筋が毎日新聞に明らかにした。派兵した場合、中東諸国との関係が悪化する可能性や、国内世論の反発を考慮したものとみられる。米国はイスラム教国のパキスタンの派兵を重視してきたとされ、インドに続く派兵見送りは米国にとって痛手になりそうだ。
パキスタン側は先月末にイスラマバードを訪れたマイヤーズ米統合参謀本部議長に、この方針を非公式に伝えた。ただし米国との関係に配慮して今後も「派兵見送り」の公式発表はしない見込みだ。
外務省筋は「現時点では、米国主導のイラク復興に国際的な支持や協力がない」と理由を語った。ただし国連の要請があれば派兵に応じるとの立場は変わらず、今後の推移を見守る必要があるとしている。
イスラム教国のパキスタンがイラクに派兵すれば、イラク攻撃がイスラム教国の支持を得た証しになる。イスラム教徒のパキスタン兵ならば住民との関係も改善できるとの思惑もあり、米国はパキスタンの派兵を重視してきた。ムシャラフ・パキスタン大統領は6月、「国連主導のもとで」との条件付きながら、同国兵士約1万人のイラク派兵方針を表明。これに対し米国は水面下で、国連の要請なしでの早期派兵を求めてきた。
しかし、パキスタン国内では米国のイラク攻撃自体への反発が強く、派兵反対の世論が圧倒的。もしムシャラフ政権が派兵に応じれば、宗教界などを中心に反米、反ムシャラフ感情がさらに高まる恐れがあった。
また、中東各国が米国への協力に消極的ななかで派兵に踏み切れば、各国との関係悪化やイスラム社会での孤立を懸念する声も出て、パキスタン政府は慎重な対応を迫られていた。
[毎日新聞8月1日] ( 2003-08-01-19:50 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20030802k0000m030066000c.html