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大量破壊兵器「国連に新理事会を」 豪の元外交官が提言
国連大量破壊兵器廃棄特別委員会(UNSCOM)の委員長として、イラク問題に取り組んだオーストラリアの元外交官、リチャード・バトラー氏が、現在の国連安全保障理事会には限界があるとして、新たに大量破壊兵器問題を専門に扱う理事会を国連内に設けるべきだとする提言を、近く公表される雑誌論文で発表する。
UNSCOMは、湾岸戦争後にイラクの大量破壊兵器の廃棄を確実なものにするため、国連安保理決議に基づきつくられた。バトラー氏は97年から99年まで委員長を務めた。
提言を発表するのは、米国で出版されている国際問題を扱う雑誌「ワシントン・クオータリー」の秋季号。「不拡散の執行の改善」と題する論文で、バトラー氏はまず今年2月、イラクに対する武力行使をめぐって、米英両国が提案した決議案が採択されなかったのは、「安保理が機能しなかったからではなく、常任理事国のうちの2カ国が、安保理と国際法を無視したからだ」など、米英両国に対し批判的な考えを示している。
安保理は今後も「国際法のもとで、国際平和と安全の維持のための最高組織として存在を続ける」とする一方で、現行の常任理事国制度はその構成と意思決定方法に問題があることを指摘。核不拡散条約(NPT)をはじめとする、大量破壊兵器に対する規制を定めた一連の条約の確実な執行のためには「安保理の大きな改革が必要だ」と主張している。
具体的には、(1)大量破壊兵器の拡散防止と最終的な撤廃という課題は、安保理が取り扱う他のより幅広い政治的課題からは分離する(2)実効性のある執行を確保するため、安保理とは別に、大量破壊兵器理事会を新設する、の2点を提言している。新たな理事会の顔触れは「国際社会全体が選出する」とし、拒否権の付与など意思決定方法をどうするかについては「真剣な検討が必要だ」と説明している。
今回のイラクのように、査察が十分な成果を上げず、制裁の警告も効果がない場合には、国連憲章42条で定めている「軍事的措置」を、単独あるいは安保理と共同で発動できる権限を与えるべきだとしている。
(08/01 03:00)
http://www.asahi.com/international/update/0801/002.html