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昨年1月、「世界の放射線被曝地調査 自ら測定した渾身のレポート」という本が出版された。著者は、広島大学原爆放射能医学研究所の研究者、高田純氏。
講談社
2002年1月発行
280,6P 18c
ISBN: 4-06-257359-8
価格: 980円(税別) 在庫あり
目次
第1部 核災害の概要(核爆発とその影響
放射線被曝の基礎知識
世界の核兵器実験とその影響
原子力発電と核燃料サイクル)
第2部 調査の現場から(マヤーク・プルトニウム製造企業体周辺での核災害―ロシア連邦チェリャビンスク
旧ソ連邦での核兵器実験による周辺住民の被曝―カザフスタン共和国セミパラチンスク
南太平洋における米国の水爆実験―マーシャル諸島共和国ロンゲラップ環礁
シベリアにおける核爆発の産業利用―ロシア連邦サハ共和国
チェルノブイリ事故―厳戒管理地区
東海村臨界事故―遮蔽されていた至近住宅街
放射線被爆地の回復
家族のための放射線防護―緊急時にあなたができる放射線防護)
http://www.rbm.hiroshima-u.ac.jp/News/news20020219/
http://shopping.yahoo.co.jp/images/books/0e/f3/30928587.JPG
ところで、イラクでは、イラク保健省によって、ビルなどを対象に劣化ウラン弾による放射線の測定が開始されている。WHOの協力を得てイラク全土の放射線影響地図作成計画も予定されているという。
放射線影響調査には、アメリカの核開発産業が妨害をしてくる可能性があるとと同時に、現地の住民のインフォームドコンセントに基づかない本人不同意の遺伝子調査、遺族の同意なしの遺体解剖、解剖資料、カルテ等の略奪等が行なわれるかもしれない。注意を喚起したい。
バグダッド陥落3カ月 消えぬ傷跡、去らぬ恐怖
http://www.mainichi.co.jp/
フセイン政権が崩壊して3カ月経過したイラクでは、米英軍による大規模な軍事攻撃は終了したものの、精神の不安定を訴える住民が増加しているほか、放射能汚染やクラスター爆弾による恐怖は消えず、「戦争の傷跡」は残ったままだ。【バグダッド小倉孝保、杉尾直哉】
◇PTSDが急増−−放射線被害の疑い徹底調査
バグダッドのイベン・ルシド精神病院では、精神障害「心的外傷後ストレス障害」(PTSD)の患者が1月は22人、2月は16人だったのに対し、戦争後の5月は112人、6月は135人と急増した。精神診療医師のハシム・ザイニ同病院事務局長(40)は「爆撃に遭ったり、殺りくを目撃したりして、不眠や無気力などの症状を訴えるケースが多い」という。
同病院はイラクでPTSDのような急性の精神的疾患を扱う唯一の病院だが、戦後の混乱で来られない人も多いとみられ、実際の患者は「膨大な数になるはず」(同事務局長)という。
入院しているワヒドさん(38)は戦争中に自宅近くが爆撃を受けた後、無気力や不安感に襲われるようになった。被爆で死亡した住民を目撃したのが原因とみられるという。うつろな目でベッド上に横たわるワヒドさんは記者に「日本で広島に原爆が落とされたのを知っている。君もアメリカが憎いだろう」と話した。
同病院にはバグダッド陥落直前に共和国防衛隊を脱走した20代の元兵士もいた。この男性は、ほとんど言葉をしゃべれなくなってしまっていた。
一方、イラク保健省は戦争直後から破壊されたイラク軍戦車やビルなどを対象に、劣化ウラン弾による放射線の測定を開始した。同省放射線防護センターによると、バグダッド市内30カ所以上で測定したが、異常値は検出されていない。
しかし、将来、人体に対しどんな影響が出るか不明なため、イラク軍戦車に「近寄るな」と書いた張り紙を張り注意喚起している。また、世界保健機関(WHO)の協力を得て近くイラク全土の放射線影響地図を作成する計画を進めている。
だが、治安が回復せず、交通・通信状況が悪く、測定機器が不足していることなどから、バグダッド以外での測定は進んでいない状態だ。
保健省によると、住民による放射性物質の略奪が明らかになったトゥワイサでは、少なくとも住民3人の頭髪が抜けるなど、放射線被害の疑いのある症状が出ている。同省は5日、専門家12人による特別委員会を設置し、徹底調査を行うことを決めた。
保健省の環境問題責任者、アハマド・シハブさん(53)は「放射線被害は将来出る可能性があるため懸念している。国際機関や外国の協力も得て被害を最小限に食い止めたい」と語っている。
◇自宅半壊のまま、5人暮らす
バグダッド北西部のハイテジャール地区の住宅地には4月初め、米軍のクラスター爆弾が大量に投下され、道路に面したコンクリート壁や金属製門扉に無数の傷が残っている。
住民のサミ・ハッサンさん(40)の話では、5月の初めごろまで同爆弾の不発弾が道路や自宅の庭に散乱、その後、米軍が除去活動を行ったという。しかし、草むらなどに不発弾が残っている可能性もあり、家族に「金属製の物には触れるな」と説明しているという。
保健省によると、「不発弾による負傷は戦争直後に比べ激減している」というが、国連児童基金(ユニセフ)やフランスの非政府組織(NGO)は、クラスター爆弾の写真を掲載し「近付くな」と書いたポスターを町中に張って警告している。
バグダッド・アダミヤ地区のサヒバ・ムハンマドさん(57)宅はフセイン政権崩壊当日の4月9日未明、米軍ヘリの攻撃を受け半壊した。壊れたままの自宅でサヒバさんは「政府もなくなり、誰に相談していいのか分からない」と語り、破壊を免れた一部屋に家族5人で暮らしている。
バグダッドには同様に破壊されたままの民家が多く残っている。
[毎日新聞2003年7月10日(木)]